悠山人の新古今

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短歌写真006 空蔽ふ

2005-07-27 06:55:00 | 短歌写真

2005-0727-yts006
空蔽ふ黒風白雨の夜は明けて
半月ひとつ中天に見ゆ

○短歌写真、詠む。
○きょうの新古今をULして、薄明の庭へ出てみた。台風一過、さわやか。すっかり濡れた足元のウッドデッキに、何か白いものがちらついている。おやまあ、月が写っているんだ。空を見上げると、ほぼ天頂に半月。これは歌になりそうと、あわててカメラを持ち出して撮影。ほんとうは水面に映る残月が欲しかったのだが、やはり無理だった。ただの「月ぽっかり」では面白くないから、二階の張り出しを入れる。このあとPCで、月だけを何倍かの比率で嵌め込んだのが、この一枚。つまり月は、位置を変えないで、大きさだけを変えた、ということ。台風に変化をつけた言い方を、辞書でさぐる。(学研版「ことば遊び辞典」) 「台風」ではなくて「暴風雨」で、出るわ出るわ、雨脚・淫雨・陰雨・煙雨・・・と際限ない(実際は数十語)ほどに。黒風白雨(こくふうはくう)はそのなかから選んだ。「半月ひとつ」とは何だ、月は一つに決まっているじゃないか、という批評は想定内。調子をととのえるために、よく使われる手法である。
□短歌写真006 そらおほふ くろかぜびゃくうの よはあけて
           はんげつひとつ ちゅうてんにみゆ


025 飽きないで見て

2005-07-27 03:00:12 | 新古今集


■題詞に「五月(さつき)五日、薬玉(くすだま)を遣はして侍りける人に」。たっぷ
り楽しんだ春の花が散って、すっかり夏になった。と思ったら、おや、君の袖の薬
玉に色とりどりの花(造花)が残っているじゃないか。
結句を「袖の薬玉」としたあと、視覚・聴覚への効果を期待して、薬玉をコサージュ
としてみた。ブローチでもブーケでも花柄模様の服でも、現代の雰囲気が出る。あ
るいはまた、薬玉を残して夢の風景とする?
なお、コサージュはフランス語 corsage 由来だが、日本語では発音・意味ともに変
わっている。念のため。

【略注】○花のいろいろ=many colors + colored flowers と掛ける。
    ○源経信=大宰権帥(だざいのごんのそち、~そつ、両読み。九州地方
    副長官)。律令制では大宰府、今は太宰府などと表記。父は通方、子に
    俊頼。「博学多才ぶりは…公任とならび称された。」(小学版)
【補説】薬玉。①(小学版)「五月五日の[端午の]節句には、邪気・不浄を払うた
    めに、種々の香料を入れた美しい玉に、あやめの根を添え造花を飾り五
    色の糸の薬玉を、簾(すだれ)や柱や袖にかけた。」 ②(岩波版)「種々
    の香を入れた網の玉に菖蒲・蓬を添えた造花を結び、五色の糸を垂らし
    たもの。柱に掛けたり、腰につけ(糸を袖から肩に回して結ぶ)て邪気を
    はらう。」 [ ]内は引用者(悠山人)による。
    この風習が、「薬玉を割る」という慶祝行事として、現代に残る。
    さきほどのニュース(NHKラジオ、7月27日早暁)。米国の宇宙衛星打
    ち上げ成功、日本人飛行士の出身地では「クスダマを割って祝った」との
    報。

* 強力な台風7号。首都圏では、子の刻には一過無風。明日はこのブログ開
 設一か月。