悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
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短歌写真007 あかつきに

2005-07-28 08:20:00 | 短歌写真

2005-0728-yts007
あかつきに風船花は折れもせず
嵐に堪へて早や咲きゐたり


○短歌写真、詠む。
○撮影は台風7号一過の昨早暁、5時。「あかつき」のあとが「あけぼの」。花は桔梗。学名は Platycodon grandiflorum。英語名は balloon flower。訳して風船花。これは鉢植えもの。人間さまの都合で、伸びたい花を鉢に閉じ込めておくことに、いささかの咎めあり。しかし何といっても鉢は管理しやすい。 それにしてもきのうの暑さは尋常ならず。 少しばかり横文字の話。学名 P. g. は、花図鑑を調べると、g_rum, _ra, _rus と、各種花盛り。語尾 _on にかかる形容詞は _um がふつう。この花の場合も、一般的な中性形なので、_um だと思う(未確認)。英名で balloon は、英米人でもかな
り baloon と書いていることが、このブログの下調べをしている段階で、分かった。
だから日本の図鑑に baloon flower とあっても、無理はない。
○さて、わが一か月。ブログ(B)は、HPよりは簡単らしい様子と聞いて始めたが、
意外と奥が深いような気がする。Bに関してはまだまだ、ま~だまだの域。電網世界に限っても、古典短歌(万葉や古今新古今)のHPは汗牛充棟のありさま、現代短歌(口語三十一文字)のHPも負けず劣らず。し・か・し、である。両者を結ぶHPについては寡聞。それではさびしいじゃないか、というのがきっかけで、浅学非才をかえりみず、悠山人が登場した。新古今って、あんがい面白いじゃないの。これなら俺にも出来そうだ、私も挑戦してみようかな。そういうところから願いはひとつ。短歌嫌いな人、とくに若い人、古典・伝統・文語短歌「も」好きになって?!
今夜はひとりロマコンで乾杯・・・まさか?
□短写007 あかつきに ふうせんばなは をれもせず
        あらしにたへて はやさきゐたり


026 亡き人を花橘で

2005-07-28 07:00:00 | 新古今集

■親しかった人を偲ぶ気持ちが、自分にはいくらあったところで、いざ自分が死ん
だら、だれがそんなふうに思ってくれるだろうか。俊成さん、杞憂に終りましたね、
800年経っても電網世界でさえ、ますます人気者ですよ。
ところで、かおる・におう・かぐ、の使い分けは?

【補注】○藤原俊成(しゅんぜい、としなり、両読み)=皇太后宮大夫(こうたいごう
    ぐう だいぶ)。60歳過ぎて出家、釈阿(しゃくあ)と号。入集は72首。
【補説】平安神宮に入ってすぐ、左右に花木が相対している。右近の橘の説明文
    にこうあった。(去年秋確認)
    「橘は、蜜柑の仲間で唯一の野生種であり、その実は/古くから『常世の
    国』の不老長寿の妙薬として珍重された。/さつき待つ 花橘の香をかけ
    ば/昔のひとの 袖の香ぞする」(振り仮名略。「かけば」表記はそのまま)
    この有名な本歌「五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」
    は、古今集(夏、、読人しらず)と伊勢物語(60段)に登場。伊勢では女性
    の改悛の場に使われている。
    すぐあとの 0240 式子詠は、またまた妖しい雰囲気。
      かへり来ぬ昔を今と思ひ寝の 夢の枕ににほふ橘
    さらに 0242 慈円の「夜半のうたたねに花橘」、0245 俊成の娘の「橘のに
    ほふあたりのうたた寝」も、申し合わせたように、橘(の花香)と夢を結びつ
    けている。ここにも新古今歌人の五感統合の意図が、はっきりと見て取れ
    る。

* ブログ開設して、きょうで満一か月。背伸びしすぎないように自戒。