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Gentiana sp. 小型リンドウの一種① (雲南省白馬雪山) 〔Sect.Dolichocarpa柱果组〕
雲南省白馬雪山alt.4200m付近。2005.10.1
おそらく、小龙胆组の種ではなく、柱果组Sect. Dolichocarpaに所属する钟花龙胆Gentiana nanobellaだと思われる。鮮紅の葉や萼片と、透き通るような青白い花のコントラストが素敵だ。蕾の色や形も独特である(地表に横たわる蕾が、石礫と似た色をしていることが面白い)。花冠は小型リンドウとしては比較的大きく、径13mmほど。
〈仮称:ユキベルリンドウ/雪钟竜胆〉
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*以下に紹介する小さな花が咲く各種は、大多数が「小竜胆組Chondrophylla」の一員と思われるが、一部は別組に所属する可能性もあるため、ここでは正確な所属組と種の特定を保留し、暫定的に「小型リンドウ」として纏めた(便宜上、見出しには「小竜胆組」で示している)。
花が小さく(概ね花冠径10mm以下)名前のごとく春に咲く種が多い。分類(系統)順ではなく、原則として地域ごとに(概ね雲南→四川の順で)紹介する。
今回の各種は、その中でも特徴的な形質を有していて、少なくとも典型的なハルリンドウ類からみれば異質な存在であるように思われる。
Gentiana sp.小型リンドウの一種② (雲南省白馬雪山) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
雲南省白馬雪山alt.4200m付近。2005.6.21
Microsperum 喉毛組の幾つかの種に似たイメージ(葉形、蕾の色、雄蕊の葯が鮮やかなことなど)を持つが、花は異なる。〈仮称:アカゲリンドウ/赤毛竜胆〉
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Gentiana sp.小型リンドウの一種③ (雲南省白馬雪山) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
手前の葉は、バラ科の(たぶん)タテヤマキンバイ属Sibbaldiaの種。大きな葉はタデ科かな?
〈仮称:ミヤマヒメリンドウ/深山姫竜胆〉
特徴的なロゼット群は、右のキキョウ科(蓝钟花属 Cyananthus)のもの。
(上4枚)雲南省白馬雪山alt.4100m付近。2015.7.15
今回紹介した各種中では、最も一般的な花・葉・茎姿を持つ(次項以降に紹介する予定のいずれかの種に同じものがあるかもしれない)。白はキキョウ科Cyananthus属。ピンクはフウロソウ科フウロソウ属。左下の種子は何だろう?
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Gentiana sp.小型リンドウの一種④ (雲南省白馬雪山) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
雲南省白馬雪山alt.4200m付近。2005.9.29
前3種とほぼ同じ場所に生えていた。一回り小さく、花冠の径は5㎜弱。茎葉が三角形でピンク色を帯び、特異な形の萼片を持つ。周辺のロゼット葉塊は本種のものなのかどうかよく分からない(たぶんツツジ科イワヒゲ属とベンケイソウ科キリンソウ属)。〈仮称:モモバガクリンドウ/桃葉萼竜胆〉
雲南省白馬雪山alt.4100m付近。2008.7.29
茎葉が三角形で花の後期にピンク色を帯び、萼片の上縁が独特の形をしていることから、上掲個体と同一種としておく。
Gentiana sp.小型リンドウの一種⑤ (雲南省梅里雪山) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
雲南省梅里雪山alt.3300m付近。2009.6.12
萼片の形が前種と似る。同一種かも知れない(ただし茎葉はピンク色を帯びない)。
〈仮称:アオバガクリンドウ/青葉萼竜胆〉
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Gentiana sp.小型リンドウの一種⑥ (雲南省梅里雪山) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
撮影地点。
雲南省梅里雪山alt.3500m付近。2009.6.12
丈の高い茎と、極めて大きく幅広い茎葉を持つ。〈仮称:ヘラバリンドウ/箆葉竜胆〉
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Gentiana sp.小型リンドウの一種⑦ (雲南省香格里拉) 〔sect. Chondrophylla小龙胆组?〕
雲南省香格里拉近郊alt.3400m付近。2013.10.2 Photo by Monica Lee
〈仮称:ツツナガリンドウ/筒長竜胆〉
ごく長い花筒(ヒメアカタテハの大きさからみて、花筒長20㎜余、花冠径12㎜程あるように思われる)と、細長い萼裂片を持つ。次回紹介予定の“ハルカゼリンドウ”に似ているが、花筒はより長く、開花期が大きく異なる。