東洋のレタス“麦菜”の謎 Ⅱ③
広西梧州2011.9.15-17(続き)
畑の外側、すなわち市街地に戻る車道の周辺にも、多数の苦麦菜が生えています。それらも、アキノノゲシそのものに比べれば、葉も茎もより大ぶりで、畑からの逸出由来であろうことが推測されます。
なぜかいつもパパイアとセットです。
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街に戻って、ホテルのすぐ横の市場を歩いてみました。様々な野菜の中に、苦麦菜も油麦菜も生菜もあります。
中段右のオバちゃんが買ったのは苦麦菜。
一束20円ほど、午後になるとほとんど売り切れています。
左はアブラナ類、右上が油麦菜、右下が生菜(レタス)。 中央上が生菜(レタス)、下は油麦菜(春菜)?
油麦菜(だったと思う)。 苦麦菜。
アブラナ類とタンポポ類(苦麦菜・油麦菜・生菜)。
右から、苦麦菜、苦麦菜、油麦菜、油麦菜、生菜、生菜。上左写真の左端はアブラナ類。
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梧州滞在中に、あやこさんから、ネットで調べたレタスの花と種子&アキノノゲシの花と種子の写真を送って頂きました。また、梧州の町の種子販売専門店で、苦麦菜・油麦菜・生菜(レタス)の種子を購入することが出来ました。その結果、以下のことが判明しました。大雑把に言って、次の様な図式になるのではないかと思われます。甜麦菜(苦味の少ない麦菜?)や春菜(限りなくレタスに近い?)についての詳細は不明です。
アキノノゲシ(⇔龍舌菜)⇔苦麦菜(⇔甜麦菜)⇔?⇔油麦菜(⇔春菜)⇔生菜(レタス)⇔アレチヂシャ(トゲヂシャ)
【種子の色と形について】
アキノノゲシLactuca indica 濃色 翼がある
苦麦菜 濃色 翼がある
油麦菜 濃色 翼はない
レタス(生菜)L. sativa 淡色 翼はない
アレチヂシャ(トゲヂシャ)L. serriola 淡色 翼はない
左から、苦麦菜、油麦菜、生菜(レタス)。
「中国植物志」で、レタスの一群と、アキノノゲシの一群を別属に分けた指標形質、種子本体の両側の広い翼の有無(従って全体としては、丸味を帯びて見えるか、細長く見えるかの違い)が、よく分かります。レタスと油麦菜では、形は互いに良く似ていますが、色の濃淡が顕著に異なります(油麦菜は苦麦菜同様の濃黒褐色)。