GPS軌跡(クリックで拡大されます。)
2023.9.10(日) 中音水(なかおんずい)森林鉄道遺構を訪ねる
行程:(往復)国見の森公園=R29=波賀町音水駐車地ー中音水林道ートンネルー宿舎跡ー揖保川源流碑ー幻の滝
1/25000地形図:『音水湖』
メンバー:宍粟50名山ガイドクラブ
最初、渡った橋の名は「いんくら橋」。音水川に架かっています。
*いんくらとは・・・
『インクラとは、谷が多い山の中で傾斜面にレールを敷き、動力で台車を動かし貨物を移動させる装置です。』
とのことです。クラブの先輩のブログより参照させていただきました。
山の急斜面に石組みの水路??が設置されていますが、
この遺構も林業に関わる溝なのでしょうか。
歩きやすい水平の道を進みます。下方では瀬音が聞こえ、涼しかったです。
堤防から流れ落ちる水がとてもきれいでした。
早速、鉄橋が架かっています。
ここを森林鉄道が走っていたことを想像しました・・
線路跡に沿って、石組みの土台が続きます。今なお、しっかりしていました。
未開拓の山林を切り開き、土地をならして線路を敷いたこと、
相当な労力が要ったことでしょう・・・
トンネルもしっかりと健在であり、驚くばかりです。
「急峻な谷と谷をつなぐL字橋」と説明された写真パネル。
当時が彷彿され、解りやすいです。
古い線路が散見されます。
線路と滑車。線路は架橋へ続いています。
架橋を渡ります。橋などの危険個所にはワイヤーが通してあり、
安全の為、自己を確保しながら渡りました。
切り通し
岩山は発破で砕いて切り通しを作ったのでしょうか・・
この峡谷を森林鉄道が走っていたとは・・・!
何度も川を渡渉し、幾度か架橋も渡りました。
ミズタビラコ/水平子(ムラサキ科)
「風雪に耐えた作業宿舎」とある写真パネル
宿舎跡に残る、お風呂の遺構
薪をくべる入口なども健在でした。
倒壊しているものの、お風呂やトイレなどが散見されました。
この建物は発電小屋とのこと。
内部
浴槽
宿舎ごとにいくつかお風呂は有った様子で、大勢の人が暮らしていたことが
推し測れました。
ストーブ?
架橋の橋脚は太く、深い山中に於いてこの建造物・・・
フユノハナワラビ/冬花蕨orアカハナノワラビ/赤花ノ蕨(ハナヤスリ科)
シダ類ですが、詳細を接写で写していないので、同定が出来ません。
上部には丸い胞子嚢が付いていました。
→フユノハナワラビでした。
ナギナタタケ?
ピンボケで済みません。💦💦
渡渉は水量が少なめだった為、濡れずに済みました。
ウワバミソウ/蟒蛇草(イラクサ科):別名ミズ、ミズナ
☆食べられる草と聞いています。一度、食べてみたいです。
沢を詰めて登って行きました。
そしてついに幻の滝へ到着しました。
岩が細かく段連し、尾根の上から流れ落ちていました。
水量が多ければ、さらに見ごたえのある滝だと思われました。
ちょうどお昼で、皆でゆっくりと憩いました。
座った場所にはヤマジノホトトギス/山路の杜鵑草(ユリ科)
今日のルートに三角点は無かったですが、
"クッキー三角点"に出会えました。
Nさんのハンドメイド!、ご馳走様でした!(´~`)♬
・・・・・・・・・・・
お昼を食べて下山。
揖保川源流碑
・揖保川源流
・引原川(ひきはらがわ)支流 中音水川 源流地点
・瀬戸内海まで約66km
とあります。すべては山の伏流水から生まれ、大きな河川になり、海へ注いで
いるのだと思うと、感慨深いです。
ミヤマウズラ/深山鶉(ラン科)
終盤でしたが、見られました。
大きな炭焼き窯がありました。
周囲の石組みは健在でした。
先ほどの源流碑を示す道標
途中より往路のルートと合流し、林道まで帰りました。
そしておまけに・・足元を賑わせた伸縮生物。
献血者無し!
いんくら橋まで戻り、今日の山行が終了しました。
橋に咲いていたゲンノショウコ/現の証拠(フウロソウ科)
☆兼ねてより訪れてみたかった、中音水の
森林鉄道遺構を、ガイドクラブの方々と
渡り歩きました。
渓谷沿いに次々に展開する景色は素晴らしく、
山奥に存在する数々の貴重な遺構には
驚くばかりでした。
ロマンある素敵なルートがこれからも後世へと
静かに温存されることを願ってやみません。