今回は神社の本殿に取り付けられた扉を選んでみました。神社の本殿は、保存のために鞘堂(さやどう)に入っていたりしますので、見えないところも多いようですが、以下は見ることのできた本殿の扉のいくつかです。
神事をおこなう際、開閉するときに、木がすれる独特な音をだす本殿の扉をときどき見ますが、いかにも神様が出入りするようでいいなと思います。
回天神社(松本町13-33)
錺金具(かざりかなぐ)による装飾がきれいです。扉八双というようですが、ここでは扉の木の部分が丸く出ています。幕末、明治の争乱で散った水戸の志士を祀った神社なので、丸い形は、魂を表しているのかも知れません。
鹿島香取神社(青柳町434)
これも上と同様の扉八双なのでしょうが、直線的になっています。上の回天神社とは全く違う雰囲気を醸し出しているようです。
水戸八幡宮(八幡町8-54)
豊臣秀吉六大将の一人だったという佐竹義宣(よしのぶ)が建てた神社なので、さすがにきらびやかなようです。金箔張りですが、上の鹿島香取神社の扉と似たようなつくりのようです。国の重要文化財に指定されている建物だそうです。
鹿島神社(鯉渕町2924)
これも扉八双の作り方のようですが、中央あたりの飾りをふくらませて、地の板部分は、2つの瓢箪が並んでいるように見えます。鍵穴の所に付ける金物を、装飾性を配慮してシンメトリーに配置していますが、片方に鍵穴はありません。
吉田神社(入野町1352)
これは、門などに取り付けられる八双金物に似た形の金具が使われているようです。
香取神社(島田町2042)
扉の枠と桟(さん)を補強する、隅金物(すみかなもの)という錺金具がたくさん付けられているようです。本殿は、神様のいる場所なので、人が本殿にいる神様を拝む場である拝殿よりも、より神聖に見えるようにつくられているようです。
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