寺社建築の正面入口に張り出して作られる庇(ひさし)部分を向拝(こうはい)といいます。ここで参拝が行われるので、「向かって拝むところ」という意味のようです。その屋根部分に目を向けてみました。
シンプル型(鹿島神社 飯島町734)
拝殿の屋根がそのまま前方へ張り出しています。これが一番普通そうに見えます。
入母屋の妻部分が入口の上方型(芳賀神社 栗崎町1677)
入母屋の妻部分(写真上の矢印)が、拝殿入り口の壁(写真下の矢印)上に乗っています。構造的にはこの方が安定しているような気がします。
入母屋の妻部分が、向拝の上型(笠原子安神社 笠原町992)
入母屋の妻(写真上の赤矢印)部分が、拝殿の柱上(写真下の赤矢印)に乗っています。参拝者には屋根が張り出している分、重々しさを感じさせているのかもしれません。
大屋根と向拝屋根分離型(見川稲荷 見川2-91)
普通は、拝殿等の屋根がそのまま前方に伸びて、向拝になるようですが、見川稲荷は、拝殿の壁に向拝の屋根が取り付けられています。(写真赤矢印)
瓦葺き型(諏訪神社 鯉淵町)
今は多くが金属葺きになりましたが、瓦葺きの建物もあります。その場合、神社では、てっぺんに鬼瓦だけがつけられるようですが、金属葺きの場合は、上に鳥衾(とりぶすま 笠原子安神社の緑矢印部分)がつけられるようです。
向拝屋根の軒唐破風型(愛宕神社 愛宕町10-5)
ここはたいへん装飾的な、曲線になった軒唐破風(のきからはふ)になっています。
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