情報提供:weijing san
政府の強硬的な中台間「サービス貿易協定」に撤回を訴える学生と政府の間が膠着状態に陥った台湾。
近年、日本人が近隣の国の旅行先や修学旅行先を考える際に、政治的な理由から韓国と中国が選択肢から外れることが多い。それとは逆に(それのおかげ?)台湾は二桁成長で絶好調だそうである。
それに水を差すことになりかねないのは今回の出来事だ。日中・日韓間の緊張とはまったく別物なわけだが、風評被害も含めてマイナスになること必至だ。
ちょうどそのタイミングで初めて台湾に旅に行き、しかも一人旅の女性生徒がいた。もう日本に無事に帰国しているはずだが、現地でそんな情景を見てそれまでの平和的な国という印象が変わってしまうのではと危惧している。
別の生徒からは今回の「サービス貿易協定」の撤回を求めるキャンペーン情報を寄せられた。実はわたし自身すんなり署名ができないでいるのだ。
中国と台湾間の「サービス貿易協定」の撤回を希望します。
政治は政治、経済は経済と割り切り、「中国人」といわれると即座「違う!」と反論する私だが、時代の趨勢として日増しに距離が縮まる台湾と中国を見ると、いずれ統一を受け入れなきゃとどこかで心の準備をしているのも事実。
中国の力の働きで世界で国としての存在が認められず立場がどんどん危うくなるくらいなら、生き延びるためにここは悔しさを堪えて歩み寄もうではないか!というのが台湾政府の腹のうちだ思う。
風見鶏と言われればそれまでだが、幾度にわたり幾多の民族に統治されてきた台湾人ならではの生き延び策である。
もちろん相手が中国だから底なしのリスクが伴われるが、相手の中国だってガチガチに台湾を縛りつけると、台湾の牽引力が失われ、支配下に置くメリットを享受できないことはわかっているはず。ましてやアメリカの目もあるし、意外とへたに行動ができないと思われる。
将来的に機が熟して統一が避けられなくなったら香港形式をとるだろうと読んでいる。そういう意味では、世界での立場が保障され、かつ独自の色も保たれるから、台湾にとってメリットがデメリットを上回るはずだ(わたし的にかなり大胆予想)。あとは心境的な問題だ。
そういう理由から、今回の署名活動は見送らせていただいた。ただ、日本の方々が台湾を応援する形の一つなので、興味のある方は覗いてみてください。(中国語訳文がかなり気になるけど...)
ところで、今回のことでとばっちりをいちばん受けそうなのは台湾の大手繊維メーカー「福懋」(「服貿」と同音)の社員だ。毎日のように「反対服貿」「撤回服貿」を聞かされるなか、どんな気持ちで仕事に向かっているだろう。
最後に、いつも老師以上に台湾を応援してくれる生徒のみなさんへ。5月の旅行はよほどやむを得ない事情がないかぎり、かならず行きます。実際に現地に行って一般市民のなまの声を聞きに行きましょう。そしてちゃんと自分の口から励ましの言葉をかけましょう。ふるってご参加をお待ちしております!
台湾華語・台湾中国語は任せて!台湾人による中国語教室・翻訳・通訳サービス T-Chinese