~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 三
「その原因は煩悩なり 煩悩は 眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が根元なり」
先の続き・・・
では、この悪魔から解放され、
悪魔に囚われない方法は何かというと、
まず自分という立場を離れて相手の立場に立って
自分と相手の出来事を観察してみることです。
次に相手の立場に立つだけでしたら、相手に片寄ますから、
今度は善意なる第三者の立場でどちらにも付かないで、
自分と相手の出来事を見るのです。
或いは、神様の立場に立って自分と相手を見ますと、
自分を離れた見方をすることができます。
自分の五官から離れるには相手の立場に立ち、
そして次に天の立場に立って二人を見ます。
するとどちらが無理を言っているか、
どちらが正しいかという答えが出てきます。
私たちには五官が与えられており、この五官に囚われた小さい己、
偽りの己が煩悩であり、煩悩とは、即ち悪魔です。
「六根の調和は常に中道を根本として己の正しい心に問うことなり」
私たちの肉体と心を調和するには、常に中道を根本とせよということで、
この中道とは、相手にも自分にも片寄らない善意なる第三者の目で見る
見方をすることです。
「己の正しい心に問うことは反省にして」
中道を根本として己の正し心に問うにはどうすればよいかというと、
自己反省をすることですね。
反省することによって片寄のない中道の生活ができるのです。
物事を正しく見る方法として「八正道」の中に八つの正しい生き方が
説かれています。
まず第一番に「正しく見なさい」と正見を説かれています。
見方が違いますと、思い方が間違うのです。
思い方が間違うと言葉が間違います。
言葉が間違いますと行い(仕事)が間違います。
このように八つの正しい生き方の内の根本になっておりますのが、
正しく見ることで、すべてはここから始まります。
それには常に反省を繰り返すことで、
反省なくして自己の心を知ることはできません。