~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 四
先の続き・・・
常に謙虚であって、人様の言葉を素直な心で聞かせてもらい、
もしも自分に間違った面があれば素直な心で自分を見詰めますと、
「ああ、私のこういう点がいけなかったなあ、
これを何とか改めていこう」というように思えるはずです。
私は過去も今もですけど、全くできの悪い人間でございまして、
まだ今のほうが少しはましにならせてもらいましたが、
過去はとりえのない人間でしたね。
何でも都合の悪いことは全部人のせいにして、
都合のいいことがあれば全部自分のせいにします。
人間の持っている最も深い業で、この宿業をそのまま現しておりました。
しかし法にご縁をいただきまして、自分の愚かさ、
自分の至らなさを学ばせていただきますと、
人様を責めたり人様を裁いたりするような資格はないことが
分かってきました。
そうしますと人様のことは気にならなくなります。
人様よりもまず自分を正さなくてはいけない、
自分の悪い癖、欠点を直さなくてはいけないということに
目覚めてきます。
そこでこの煩悩ですが、眼・耳・鼻・舌・身の五官の感覚が
煩悩の原因になっておりますから、この五官を調和することです。
そのためには常に中道を根本として、つまり、
善意なる第三者の立場に立って自分と相手を見ていくことです。
「中道の立場を根本として己の正しい心に問うこと」の正しい心とは
反省させてもらうことです。
常に反省させていただくことが、
自分の正しい心に問いかけていくことになります。
ですから私たちは常に自分を見つめて、己自身に間違いがないか、
欠点を作らなかったか、悪い癖を出さなかったかと、
自分の姿を厳しく見ていくことが大事です。
これが反省です。
そして反省させてもらうということは自分自身の魂が
清められていくということです。
清められるということは汚れがとれていくことですね。