浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

我れ食べず人に施す母の愛
幼き我に布施教えらる

「御垂訓」

2020-04-03 00:00:33 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

添付のお写はお釈迦様のご生誕地ルンビニに建立されていた初代の摩耶堂に
安置されていた「赤ちゃんお釈迦様」の天上天下像です。


~ 恩師のご著書「愚か者の独り言」より ~

              講演集 一


先の続き・・・

「般若心経」も有難いと言いますけど、
あのお経の意味をちょっと説明させてもらったのです。
「摩訶般若波羅蜜多心経」は「マーハ パニャーパラミターストラ」と言い、
その意味は「心の奥底に内在されている偉大な智慧に到達する心の教え」と
いうことです。
摩訶はマーハ、偉大、般若とはパニャ、智慧です。
波羅蜜多は「腹を見た」のではなく、パラミター、到達するという意味、
心経は心の教えです。

「観自在菩薩」とは過去・現在・未来を見通す能力を持たれた仏を目ざして
修行されるお方のこと、そのお方が正しい生活を日々深く行じられた時
「行深般若波羅蜜多」なのです。
「照見五蘊皆空度」の照見とは照らして見ること、
ブッダは人間を観察し、人間を五つの部分に分けられました。
色(肉体)、受(感覚)、想(表象)、行(意志)識(判断・理性)。
色は人間の肉体つまり物質的要素で、受想行識は精神的要素、心の作用で
この五つを五蘊といいます。

その五蘊はみな、空なり、つまり実体がない、と説かれています。
その話をちょっとしますと、院主様は突然ハッと正座されまして
「先生は一体何年修行されたのですか」今迄とはうって変って急に先生と
言われたのです。
「いえいえ、私は何も修業はしておりません」と言いますと、
「恥ずかしいことだが、私は坊主をして八十年になるけれど、
先生が今説いて下さったことを知らなかった」とおっしゃるのです。
寺門のプロのお坊様がそれを知らないで素人の私が知るということは、
これは不思議ですね。
日々の生活を正しく行じますと、
こういうことは習わなくても勝手に分かってくるのです。


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