恩師のご著書「講演集」より
講演集、 三
法の力により、九十年間の罪が許される
今日お越しいただいておりますが、その方は横浜でのテープをずっと聞いて
いただいて、完全に健康になっていただけました。
極度のノイローゼで家庭崩壊の寸前でした。
言葉によって、人々の苦しみが消されていく場合があります。
なぜ消されるのかと言いますと、今まで西に向けていた心を東に向けるだけの
ことです。
それによって、地獄の底から即、極楽の世界へあがることができるのです。
死ねば肉体が無くなる、この世から無くなる、燃やされたら恐いなと思う、
しかし、そんなことは関係ありません。
もし肉体に思いを残しておりますと、心はその肉体から抜けることはできません。
そうすると、死後硬直が起きます。
科学的医学的に言いますと、私たちの細胞の間にある乳酸というものによって、
私たちの身体は動くようになっているそうですね。
これは血液循環で温度を保つことによって、乳酸が柔らかく動いており、
血液の循環が止まりますと、忽ちに乳酸が凝固してきます。
それが死後硬直の姿です。
法医学上では、殺人事件がありますと、まず法医学の専門家が来まして、
触ってみてその硬直の具合を見ます。
顎のあたりから硬直が始まって、ずっと全身に広がっていきます。
その状態によって、これは何時間前の犯行と判断するのですね。
しかし、心というものは物質を超えているのです。
先ほども話ましたように、亡くなって三日間も身体が温かくて綺麗な顔、
ということもあります。
九十何歳のおばあちゃんの皺が全部消えたといいます。
しかも、そのおばあちゃんは九十年間、過ちの人生を送られたのです。
その息子さんは「こんなことを話すのは恥ずかしいのですけど、
私の母は絶対に極楽へ行くことはできません。
何とか母を救うて下さい」と、相談に見えました。
しかし、九十何歳になったおばあちゃんが、九十年間持ってきた性格を、
私のような者が言っても聞いて改めてくれるはずがありません。
「もう言っても駄目でしょう。そういう生活をしておりますと、
いよいよあの世に帰らねばならない時、
必ずそれ相応の苦しみを与えられるはずだから、
その時に何とかしましょう」と言って、それから一年、二年と経って、
そのお母さんにいよいよその時が来ました。
病院に入院されたのですが、
その七転八倒の苦しみを息子さんが見るに堪えない状態になって、
私のところに見えましたから、
「お話会のテープを聞かせて上げて下さい」と言いますと、
「テープを聞くような状態ではありません」
とおっしゃるのです。
「聞いても聞かなくてもかまいませんから、耳もとで鳴らしてあげて下さい」
と言うと、何巻か持っていかれました。
テープをかけて一時間ぐらいしますと、
その苦しみが突然とれて、そのおばあちゃんが「己が悪かったんじゃ、
己が悪かったんじゃ」と言って、泣き出されました。
そこへたまたま本宅の兄さん夫婦が見舞いに来て、
部屋に入るなりその声を聞いて、
「ほんとうにこのクソ婆は死ぬ時になってもまだおまえが悪いと
言っている」と言って、夫婦で顔を見合わせたそうです。
しかし弟さんが「いや兄さん、違うんや。
自分が悪かったと言って泣き出したんや。
神様、かんにんしてくれなはれと言って泣き出したんや」と
言うのを聞いて、
お兄さん夫婦もそれは良かったと喜びまして、
それから三日間全く痛みも苦しみもなしに、
四日目に極楽往生されたそうです。
そのおばあちゃんの皺だらけの顔が、
皺一本もないツルツルの顔になったということです。
法とはそのような力を目のあたりに見せていただけます。
自分の過ちに目覚めて、心の底から「神様、許して下さい。
私はとんでもない
一生を送りました。取返しはできませんけど、
どうぞ私の罪を許して下さい」
と泣いて泣いて詫びられたら、神の許しを戴けます。
安らかなお顔で、皺がなくなったのはその証しです。