生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアの眼(169)プロフェッショナルの原点(ドラッカーの教え08)

2020年02月23日 07時19分28秒 | メタエンジニアの眼
メタエンジニアの眼(169)       
TITLE: プロフェッショナルの原点(ドラッカーの教え08)

このシリーズは企業の進化のプロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。            
『』内は,著書からの引用部分です。                         

書籍名;『プロフェッショナルの原点』 [2008] 
著者;P.F.ドラッカー
発行所;ダイヤモンド社 発行日;2008.2.15
初回作成日;R2.2.22 最終改定日;



 上田惇生が過去のドラッカー本を纏めたシリーズの一つ。
巻末の「訳者あとがき」には、本書はドラッカーの遺作「The Effective Executive in Action for Getting the Right Things Done」の翻訳だとある。
 構成は、95の独立した短いアドバイスからなっている。冒頭には「本誌の使い方」として、成果を挙げるには5つの習慣を身に着けることであるとして、それらは
① 時間をマネジメントする
② 貢献に焦点を合わせる
③ 強みを生かす
④ 重要なことに集中する
⑤ 効果的な意思決定をする
が挙げられており、とくに①と④が2本の柱だとしている。

・5番目のアドバイス;時間を意識する
 時間は特殊な資源で、資金のように借りたり、人材のように雇ったり、物のように買ったりできない。
 需要があっても供給は増えない、だから時間は常に不足する。
 ⇒これは、まさに40年前にその場考学に目覚めたことだった。
 ⇒時間の配分を記録して、比較する 
 ⇒時間が制約であることを、意識する

・7番目のアドバイス;時間の使い方を診断する
 ⇒時間を記録して分類する
 ⇒繰り返し起こる問題の処理について、体系的かつ徹底的に考えること
 ⇒これが、その場考学の基本

・9番目のアドバイス;仕事を任せる
 仕事一つひとつについて、自分でなくてもできるかどうかを考える
 ⇒常に、人に任せられる仕事を列挙していく。

・12番目のアドバイス;人の時間を無駄にしない
 ⇒人の時間を無駄にしている時間を列挙して、廃棄する

・12番目のアドバイス;捨ててから始める
 ⇒いま捨てるべきものは何か
 ⇒何かを始めるときは、必ず何かを捨てる

・81番目のアドバイス;意思決定は必要か
 ⇒何も決定しないという代替案が常に存在する
 ⇒必要のない意思決定は行わない
 ⇒重要な意思決定(個々の問題ではなく、根本的なこと)に集中する

95のすべてのアドバイスに対して、「とるべき行動」と「身につけるべき姿勢」が書かれている。いずれも具体的で、私自身の40年間の経験からも妥当に思える。彼が実務に精通していることが良くわかる。