メタエンジニアの眼(171)
TITLE: P.F.ドラッカー(ドラッカーの教え10)
このシリーズは企業の進化のプロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。
『』内は,著書からの引用部分です。
書籍名;『P.F.ドラッカー』 [2007]
著者;エリザベス・H・イー出すハイム
発行所;ダイヤモンド社 発行日;2007.5.31
初回作成日;R2.2.25
この書も、ドラッカーの遺言の一つになっている。著者は、彼の同業者であり、弟子と称している女性で、ニューヨークで大企業と投資ファンド相手のコンサル会社を立ち上げている。巻頭には、「推薦の言葉」として、P&GのCEOが6頁の長文を載せている。
P&Gは6年間ドラッカーのコンサルを受けた。その時の要点も記している。
① ドラッカーは、質問に対して常に二つの考えるべきことを示し、選択と集中を迫った。
② ドラッカーは、歴史、絵画、文学、音楽、経済学、人類学、社会学、心理学に精通して、そこから本質を掴んで教えてくれた。
③ 変化をマネジメントする唯一の方法は、自ら変化を起こすことである。
④ 適切なことを行うのがリーダーシップで、ものごとを適切に行うのがマネジメント。
この④は、まさしく二つの関係を明確に示していると思う。つまり、マネジメントはリーダーシップの一要素であり、必要条件ということになる。
この著者は、94歳のドラッカーから金曜日の夜に直接電話を受けて、自分をインタヴューして書物に纏めてくれと頼まれた。その際、彼が示した注文は二つ。
① 私が言ったことの内、意味の無くなったもの、間違っていたものは捨ててほしい
② 理屈に囚われずに、現実にすでに起こったことに拘りなさい
だったと、巻末の謝辞に書いてある。
この二つから、ドラッカーが彼女を信頼しきっていたことが分かる。回顧録を自分で書くよりも、彼女がうまく描けると考えたのだろう。
・知識(ppp.15)
変化についてゆくには継続学習が必要。
従って、今日の緊急課題は継続学習の方法を学ぶこと
その知識を生かすのがマネジメントである。
情報が足りないのではない、情報の処理の仕方を知らないことが問題。
⇒この考え方は、日本ではあまり実行されていない。
・すでに起こった未来(pp.19)
彼の発言は、しばしば未来のことを現在のことのように話している。
1992年に『もはや西洋史も西洋文化もない。世界史と世界文化があるのみ』
1999年に『「重要なのは、情報が入手しやすくなったことではなく、あらゆる景色が一変することだ』
⇒これらのことは、2020年になって、ようやく現実味を帯びてきた。
・組み合わせ自在の世界(pp.21-25)
著者は、P&Gを1990,2000,2005年の3回調べた。その間に、P&Gは驚くほど変わった。恐ろしく開放的になり、あらゆることを見直す姿勢が明らかになった。
⇒つまり、組み合わせ自在の世界では、まずあらゆるものを見直さなくては、何も始まらない。
組み合わせ自在の世界はレゴの世界。
⇒そういえば、ここ数年レゴが復活して、より複雑な高級レゴがよく売れているようだ
・組織の優劣は、平凡な人に非凡なことをなさしめること(pp.144-145)
ドラッカーの5つの問
① 必要としているのは、いかなる人たちか
② 最大の貢献をしてもらうための手立ては講じているか
③ 組織の構造とプロセスは人への敬意を反映しているか
④ 知識は十分に活用しているか
⑤ 人への投資は行っているか
⇒これらは、ひどく当たり前に見えるが、果たして「人材が唯一の財産」と言っている会社は、このうちのいくつが正しく行われているだろうか、大いに疑問だ。
・社是(pp.151-152)
『社是こそ、Tシャツに似合うものにしなければならない』
企業もチームも「明快なミッションを必要とする」なぜならば、ミッションがビジョンをもたらすから。ビジョンが無ければ、人の群れがあるだけで、事業にはならない。
読後感として、多くのことに関して、日本の会社は、未だにドラッカーの発言を行動に反映していないように思える。
TITLE: P.F.ドラッカー(ドラッカーの教え10)
このシリーズは企業の進化のプロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。
『』内は,著書からの引用部分です。
書籍名;『P.F.ドラッカー』 [2007]
著者;エリザベス・H・イー出すハイム
発行所;ダイヤモンド社 発行日;2007.5.31
初回作成日;R2.2.25
この書も、ドラッカーの遺言の一つになっている。著者は、彼の同業者であり、弟子と称している女性で、ニューヨークで大企業と投資ファンド相手のコンサル会社を立ち上げている。巻頭には、「推薦の言葉」として、P&GのCEOが6頁の長文を載せている。
P&Gは6年間ドラッカーのコンサルを受けた。その時の要点も記している。
① ドラッカーは、質問に対して常に二つの考えるべきことを示し、選択と集中を迫った。
② ドラッカーは、歴史、絵画、文学、音楽、経済学、人類学、社会学、心理学に精通して、そこから本質を掴んで教えてくれた。
③ 変化をマネジメントする唯一の方法は、自ら変化を起こすことである。
④ 適切なことを行うのがリーダーシップで、ものごとを適切に行うのがマネジメント。
この④は、まさしく二つの関係を明確に示していると思う。つまり、マネジメントはリーダーシップの一要素であり、必要条件ということになる。
この著者は、94歳のドラッカーから金曜日の夜に直接電話を受けて、自分をインタヴューして書物に纏めてくれと頼まれた。その際、彼が示した注文は二つ。
① 私が言ったことの内、意味の無くなったもの、間違っていたものは捨ててほしい
② 理屈に囚われずに、現実にすでに起こったことに拘りなさい
だったと、巻末の謝辞に書いてある。
この二つから、ドラッカーが彼女を信頼しきっていたことが分かる。回顧録を自分で書くよりも、彼女がうまく描けると考えたのだろう。
・知識(ppp.15)
変化についてゆくには継続学習が必要。
従って、今日の緊急課題は継続学習の方法を学ぶこと
その知識を生かすのがマネジメントである。
情報が足りないのではない、情報の処理の仕方を知らないことが問題。
⇒この考え方は、日本ではあまり実行されていない。
・すでに起こった未来(pp.19)
彼の発言は、しばしば未来のことを現在のことのように話している。
1992年に『もはや西洋史も西洋文化もない。世界史と世界文化があるのみ』
1999年に『「重要なのは、情報が入手しやすくなったことではなく、あらゆる景色が一変することだ』
⇒これらのことは、2020年になって、ようやく現実味を帯びてきた。
・組み合わせ自在の世界(pp.21-25)
著者は、P&Gを1990,2000,2005年の3回調べた。その間に、P&Gは驚くほど変わった。恐ろしく開放的になり、あらゆることを見直す姿勢が明らかになった。
⇒つまり、組み合わせ自在の世界では、まずあらゆるものを見直さなくては、何も始まらない。
組み合わせ自在の世界はレゴの世界。
⇒そういえば、ここ数年レゴが復活して、より複雑な高級レゴがよく売れているようだ
・組織の優劣は、平凡な人に非凡なことをなさしめること(pp.144-145)
ドラッカーの5つの問
① 必要としているのは、いかなる人たちか
② 最大の貢献をしてもらうための手立ては講じているか
③ 組織の構造とプロセスは人への敬意を反映しているか
④ 知識は十分に活用しているか
⑤ 人への投資は行っているか
⇒これらは、ひどく当たり前に見えるが、果たして「人材が唯一の財産」と言っている会社は、このうちのいくつが正しく行われているだろうか、大いに疑問だ。
・社是(pp.151-152)
『社是こそ、Tシャツに似合うものにしなければならない』
企業もチームも「明快なミッションを必要とする」なぜならば、ミッションがビジョンをもたらすから。ビジョンが無ければ、人の群れがあるだけで、事業にはならない。
読後感として、多くのことに関して、日本の会社は、未だにドラッカーの発言を行動に反映していないように思える。