ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『これから戦場に向かいます』『転んでも、大丈夫』『午後二時の証言者たち』『拝復』

2016-10-09 16:48:32 | 
『これから戦場に向かいます』 山本美香 ポプラ社
 2012年8月、シリア内戦を取材中に銃弾に倒れた戦場ジャーナリスト・山本美香さんからのメッセージ。児童向きの写真絵本。
 紛争地での笑顔の子どもたち、足を失った子ども、ゲリラに耳をそがれた子どもの写真。一度動き出したら、簡単に止められないから、戦争ははじめてはいけない。戦場で起きていることを伝えることで何かが変わると信じて紛争地を歩くという山本美香さんのメッセージが写真と共に心に伝わる。

『転んでも、大丈夫 ぼくが義足を作る理由』 臼井二美男 ポプラ社
 「新しい人生を前向きにふみだすきっかけづくりがしたい」足をうしない、つらい思いをしている人々の義足をつくる臼井さんの話。
 スポーツ義足をつけてスポーツをしている人の輝くような笑顔が、臼井さんの仕事ぶりを物語っている。「どんな経験もむだになることはない」「成長して強くなる選手はものごとを自分で考えることができる選手」「夢や目標が見つからない人は『なんでもやってみなけりゃ、わからない』という気持ちで、目の前のことにチャレンジしてみてください」など、子どもたちへ向けてのメッセージもいい。義足のことや義足を使う人のことが少しわかった気がする。義足が一つ一つ手作りとは知らなかった。

『午後二時の証言者たち』 天野節子 幻冬舎
 三月五日、午後二時ごろ、みどり市旭ヶ丘一丁目の横断歩道で、近くに住む八歳の女児が走ってきた乗用車にはねられ、病院へ搬送されたがまもなく死亡した。数行の三面記事に隠された証言者たちの身勝手な事情。
 うまいと思う。でも、犯人はなんとなくわかっているし、結末もそうなるんじゃないかなと思ったとおりになるし。意外性なし。出てくる人の誰とも、共感できず。

『拝復 池田澄子句集』 池田澄子 ふらんす堂
「じゃんけんで負けて螢に生まれたの」という句が大好きで、池田澄子さんの句集を読む。明るさやユーモアを感じるから好き。
「空青く欠伸の口のなか涼し」             さわやかです
「脱ぎたての彼の上着を膝の上」           体温が伝わってきます
「豆腐屋の喇叭に五時のもう暗し」          喇叭と薄暗さで人恋しさやさみしさが感じられます
「早く寝て普通に起きて春の雨」           雨の朝は、ついつい起きるのが遅くなります
「風邪気味のたのしいのんべんだらりかな」    風邪を口実にゴロゴロします
「蓋をして浅蜊あやめているところ」         酒蒸しでしょうか
「よし分かった君はつくつく法師である」       十分わかったから、もう鳴かないで
「消化器の弱い男と初しぐれ」            寒さにやられたのでしょうかね
コメント (2)
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