ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『スイッチ』『フィールダー』

2024-04-14 17:33:46 | 
『スイッチ 悪意の実験』 潮谷 懸  講談社
 夏休み、スイッチをもって1ヵ月暮らすだけの簡単なお仕事。日当は1万円、勤務終了後のボーナスは、なんと100万円!スイッチを押すと倒産危機のパン屋への資金援助が断ち切られ、パン屋は閉店を余儀なくされる。スイッチは押しても押さなくても1ヵ月後には100万円が手に入る。押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし、箱川のスマホが消え、箱川のスマホからスイッチは押されてしまった。
 いやあ、おもしろかった。宗教の話のところは、私には、わかりにくかったけれども。こんな展開になるとは、思わなかった。主人公の箱川小雪が過去に向き合い、成長するのもいい。
 小さい時に言われた言葉がトラウマになって、自分はどうでもいいと自分を貶めている箱川に玲奈がかけた言葉がしみる。「根拠もないのに自分を傷つけるのだって罪深いことなんだ」大人が子供に言った言葉は、その子のその後に影響を及ぼすよな。私は、小さい時に「あなたは、芯があって強い」と言われたから、「私は強いから乗り越えられる」と思ってきた。反対もあるけどね。


『フィールダー』 古谷田 奈月  集英社
 総合出版社・立象社で社会派オピニオン小冊子を編集する橘泰介は、担当の著者・黒岩文子について、同期の週刊誌記者から不穏な報せを受ける。児童福祉の専門家でメディアへの露出も多い黒岩が、ある女児を「触った」との情報を入手したというのだ。時を同じくして橘宛てに届いたのは、黒岩本人からの長文メール。そこには、自身が疑惑を持たれるまでの経緯がつまびらかに記されていた。消息不明となった黒岩の捜索に奔走する橘を唯一癒すのが、四人一組で敵のモンスターを倒すスマホゲーム・『リンドグランド』。その仮想空間には、橘がオンライン上でしか接触したことのない、ある「かけがえのない存在」がいて……。
 児童虐待、ゲーム中毒、ネット炎上とか、やや詰め込み過ぎた印象。そして、オンラインゲームをしたことがない私には、わかりにくかった。私には、尻キレトンボに終わった感じで、消化不良気味。
コメント
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