ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『走れ!熱血刑事』最終回

2018-11-22 17:17:06 | 刑事ドラマ'80年代







 
☆第26話『追撃・マニラコネクション』(終)

(1981.6.15.OA/脚本・監督=櫻井一孝)

麻薬組織「マニラコネクション」を捜査する中、情報漏洩の疑惑をベテラン麻薬Gメン(川地民夫)に抱いてた「テツさん」こと中村刑事(坂上二郎)がライフルで狙撃され、瀕死の重態に。

その現場で一緒にいた大介(松平 健)は怒りに燃え、テツさんの勘を信じてベテランGメンを徹底的にマークし、執念の捜査で追い詰め、最後には射殺します。

最終回にしてようやく、ガキンチョが一切絡まない「燃える展開」のハードなドラマを見せてくれました。これなら早送り無しでちゃんと観られます。なぜ、最初からこの路線で行かなかったのか?w

前回も書きましたが、主人公の大介は怒ると暴力に歯止めが効かなくなる性格で、しかもマツケンさんのパンチには独特の重量感と迫力があり、怒らせるとマジ怖いw

だから今回みたいなストーリーの方が、松平健という俳優さんの真価が発揮されるワケです。ガキンチョ相手にヘラヘラ笑ってる場合じゃない。完全にコンセプトが間違ってました。

刑事部屋のメンバーだって、ちゃんとハードボイルドが画になる役者さんばかりですよ。

なにしろ課長が宍戸 錠さんです。『コドモ警察』のデカチョウ=鈴木 福くん並みに舌っ足らずだけどw、黙ってたら裕次郎さんより渋いんです。

チーフこと竜崎 勝さんも格好良かった。『太陽にほえろ!』で言えば山さん(露口 茂)のポジションで、そこに立ってるだけで画面が締まりました。

テツさん役の坂上二郎さんも、さすが『夜明けの刑事』や『明日の刑事』で主役を張っただけあって、おやっさん系デカの演じ方を熟知されてます。コミカルな場面になった途端、コント55号の二郎さんに戻っちゃうけどw、それもまたご愛嬌。

ジュニアこと荒木しげるさんは、新米だった『特捜最前線』の時よりクールで、さすがライダーストロンガーだけあってアクションがサマになりました。

マーボーこと阿部敏郎さんはチャラ男っぽいけど、堅物マツケンさんの相棒としては良いバランス。

加えてセクシーな水沢アキさん(画像)までいるんだから、ハードアクション路線でも充分イケるメンバーでした。それなのに勿体ない!

まぁ、どのみちコケたでしょうけどw、どうせコケるなら、マツケンさんの怖い怖い暴力刑事っぷりを、もっとストーリーに活かして欲しかったです。
 
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『走れ!熱血刑事』#09

2018-11-22 12:05:03 | 刑事ドラマ'80年代









 
CATVの録画をほとんど早送り再生で観てた『走れ!熱血刑事』だけど、この回には早送りさせない力がありました。

まず、ゲストヒロインとして登場する、田中美佐子さんの存在感。デビューされたばかりの21歳で、当時のクレジットは「田中美佐」名義でした。

この番組を早送りせずにいられない一番の理由は、少年少女たちの拙い演技が見るに耐えないからだけど、さすが後にブレイクされるだけのものを、田中美佐子さんには感じるワケです。そんなキャストが1人いるだけで、クオリティーが全然違って来ますからね。

加えて、ストーリーに普段よりも緊張感があり、マツケンさん以外の刑事のキャラがよく活かされてる点もポイント高いです。


☆第9話『秀才ブルース』(1981.1.19.OA/脚本=藤井邦夫/監督=江崎実生)

光一という高校生が、学校の屋上から転落死します。遺書も見つかり、自殺であることは明らかなんだけど、クラスメイトのツッパリ少女=令子(田中美佐子)は「光一は先公たちに殺されたんだ!」と主張。

少年課でもなさそうなのに(そもそも何課なのかハッキリしないw)未成年が絡む事件は放っておけない愛住署の刑事たちが、光一の身辺を捜査することに。

結果、光一は校内で起こった盗難事件の、どうやら濡れ衣を着せられたことが判って来ます。

そんな折り、同じ場所で光一の担任教師が転落死。盗難事件で盗まれたとされるラジカセが現場で発見され、光一の幽霊による復讐だ!と生徒たちが騒ぎます。

証拠も無いのに、なぜ教師たちは光一を盗難事件の犯人だと決めつけたのか?

「ジュニア」こと速水刑事(荒木しげる)は、光一の墓に花を供えていたクラスメイト=直也が何か知ってると直感し、捜査を進めます。

どうやら、その直也こそが盗難事件の犯人だった。ところが直也の父親である代議士=板倉は地元一の権力者で、教師たちは頭が上がらない。直也以外の誰かを犯人に仕立てる必要に迫られたワケです。

で、反抗心からフザケて犯人を名乗った光一を、これ幸いと教師たちは生け贄にした。まさか自殺しちゃうとは思わずに……

にしても、裕福な家庭で不自由なく暮らす直也が、なぜ盗難事件を起こしたのか? それは恐らく、権力者の加護下にいるボンボンならではの、欲求不満が原因だと速水刑事は見抜きます。

速水が「ジュニア」と呼ばれるのは、大物起業家の一人息子だから。

つまり直也と同じ境遇のボンボンで、似たような感情を自身も抱いてた。そんな自分に嫌気がさし、あえて警察官というハードな職業を選んだワケです。

「直也、独りで歩くんだ! 誰の世話にもなるな! 自分のことは自分で決めろ! お前はもう子供じゃないんだ!」

板倉やその取り巻き連中に殴られ蹴られ、フルボッコにされながらも、諦めず直也に食らいつくジュニア。

ついに直也は、父親の制止を振り切り、自分の意思で、真相を全て告白します。

光一が自殺し、罪悪感に耐えられなくなった直也は、盗難の真犯人は自分だと告白したのに、担任教師はそれを揉み消そうとした。直也は盗みの証拠品であるラジカセを持って担任教師に食い下がり、揉み合った弾みで教師は転落してしまった……

刑事物や2時間サスペンスでよくあるパターンだけど、ちょっと揉み合った位で転落しちゃう屋上がいっぱいある日本って、どんだけ危険な国やねん?って思いますよねw

それはともかく、自殺した光一の無念がいくらか晴らされ、彼を好きだった令子にもようやく、可憐な笑顔が戻るのでした。

杉サマしか活躍しない『大捜査線』とは対照的に、今回の『走れ!熱血刑事』は主役の山本大介(松平 健)が脇に回ってます。

それが良かった!とは言わないけれどw、このエピソードに限って言えば、荒木しげるさんが主役で良かったと思います。

マツケンさんって何となく、人間味が稀薄なんですよね。あくまで私感だけど…… マツケンサンバを踊ってる姿も、なんだかサイボーグみたいに見えませんか?w

このドラマにおけるマツケンさんがまた、なかなかの暴力刑事なんですよねw あんな爽やかな顔して、実は怒ると一番狂暴な人だったりするw(そこんとこも『大捜査線』の杉サマに対抗してた?)

そのマツケンパンチがまた、速い上に重量感があって、食らうと本当に痛そうなんですよね!

やっぱ、さすがの暴れん坊将軍です。『走れ!熱血刑事』なんてダサいのじゃなくて、ストレートに『殴れ!暴力刑事』ってタイトルにすべきでした。そしたらリアルタイムで観てましたよホントにw
 
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『走れ!熱血刑事』1980~1981

2018-11-22 00:15:03 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1980年の11月からテレビ朝日系列の月曜夜8時枠で全26話が放映された、松平 健 主演による刑事ドラマ。制作はテレビ朝日&勝プロダクション。

当時、杉 良太郎さんの『大捜査線』と二大時代劇スター対決!ってことで話題になったけど、両方パッとしないまま散りましたw

ちなみに、この年リアルタイムで放映されてた刑事ドラマは他に『太陽にほえろ!』『Gメン'75』『特捜最前線』『西部警察』『噂の刑事トミーとマツ』『大空港』『鉄道公安官』『爆走!ドーベルマン刑事』『大激闘/マッドポリス'80』『87分署シリーズ/裸の町』『非情のライセンス』『警視―K』と、まさに百花繚乱、粗製乱造、そのほとんどがアクション系というパラダイスの時代でした。

そんな中で『走れ!熱血刑事』は、最も地味な存在だったかも知れません。内容はともかく注目度の点で、少なくとも我々世代(当時のティーンエイジャー)には無視されてました。

まず『走れ!熱血刑事』っていう、ベタにも程がある番組タイトルからして、創り手のやる気を疑わずにいられません。当時の感覚でも相当ダサいですw

で、別に少年係でもなさそうなのに、なぜか未成年絡みの事件ばかり扱ってる。当時、校内暴力が社会問題になって『金八先生』がヒットした影響かも知れませんが、当然ながらゲスト出演者が芝居の拙いガキンチョばかりになっちゃうもんで、クオリティーに難ありです。

少年犯罪を扱うとなれば『大捜査線』みたいにハードかつビターな展開は期待すべくもなく、お涙頂戴のくっさい青春ドラマになりかねません。

実際、第1話のクライマックスは主人公=山本大介(松平 健)とメインゲストの不良少年が川辺で殴り合い、最後に笑い合うという、一番やっちゃいけないパターンで収束しちゃいました。

なんで、こんな事になっちゃうのか? 先発の『大捜査線』がコケたのを見て、無難に当てに行ったんでしょうか?

杉良太郎ファン、つまりアダルト層しか相手にしなかった『大捜査線』に対して、この『走れ!熱血刑事』は若い連中にも松平健を好きになってもらおうっていう、媚びを感じずにはいられません。パトカー仕様のカスタム・ジープなんかも子供騙しに見えちゃいます。

どれくらい真剣に練られた企画なのか、我々には知る由もないけれど、杉サマの『大捜査線』にはあった「迫力」がこのドラマには感じられません。

爽やかだけにクールな魅力に乏しく、アクションが飛び抜けて上手いワケでもなく、拳銃も全く似合わないマツケンさんに、若い視聴者がなびくワケないんですよね。そもそもコンセプトが間違ってる、としか言い様ありません。

実はマツケンさん、『太陽にほえろ!』の新人刑事候補の1人だったそうですが、落とされて大正解。その直後に『暴れん坊将軍』でブレイクされるワケですから、マツケンさんご自身にとってもラッキーでした。

そんなマツケンサンバを囲むレギュラーキャスト陣は、デカ長の宍戸 錠を筆頭に、水沢アキ、坂上二郎、荒木しげる、阿部敏郎、竜崎 勝と、刑事ドラマでお馴染みの面々。安心感はあるものの新鮮味がありません。

とまぁ、悪口ばっか書いてますけど、あまりに力作すぎたライバル『大捜査線』や、同じ勝プロ制作による怪作『警視―K』よりも一般的には観やすいドラマで、その無難な感じが私みたいなマニアには物足りなく感じちゃうんだろうと思います。
 
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