数多あるブログの中から、この素晴らしいブログを見つけて下さった素晴らしい皆さんなら、説明せずとも解って頂けてると思いますが、念の為に書いておきますと、ふだん「悪党はぶっ殺せ」とか「おっぱい見せろ」とか書いてばっかいるけど、現実世界における暴力や性犯罪を推奨してるワケでは断じてありません。
私は生まれてこのかた、人に暴力を振るったことは一度も無いし、まあ女子寮を覗きに行ったり女子更衣室を覗きに行ったり女風呂を覗きに行ったりした事はあるけど、性行為を無理強いしたりなんかする度胸はいっさい持ち合わせてません。
むしろ、性行為はともかくとして暴力は何より嫌いだからこそ、暴力を振るうヤツには倍返しの暴力でその痛みを味わわせたい。けど現実には出来ないから、せめてフィクションの中だけでも見せて欲しいワケです。おっぱいを。いや、正義が悪をコテンパンに成敗する姿をです。
で、先日『アバランチ』のレビュー記事にこんなことを書きました。↓
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正義のヒーロー、つまり善人が悪人をぶっ殺して、いったい何が悪いのか私にはよく解らない。悪人が善人を殺す場面はしつこいほど見せるクセに、善人が悪人を殺す場面はタブーにしてるのって、なんか本末転倒じゃないですか?
マネするヤツが出て来るからダメなんだって? いやいやいや、マネするのは悪いヤツらであって善人は誰もそんな事しないんだから、タブーにすべきは悪人が善人を殺す場面の方だと私は思うんだけど、なんか間違ってます?
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案の定、ハロウィンの日に、京王線の特急車内で『バットマン』の悪役「ジョーカー」のコスプレをしたバカが無差別刺傷事件を起こしました。そのバカは動機を「死刑になりたかったから」、そして「平気で人を殺すジョーカーに憧れたから」みたいなことを供述してるそうです。
「だから言わんこっちゃない!」って、言いたいところだけど、別に殺人鬼ジョーカーを格好良く描いた映画が悪いとは、私は思いません。どんな映画やドラマを観ようが、バカはバカなんです。ジョーカーが出てくる映画を観てなくたって結果は同じでしょう。
この事件のニュースを観て何より腹が立ったのは、そいつが刺した相手が70代の年配者だったこと。無差別刺傷事件って書いたけど、実は体力の弱い人、返り討ちに遭う可能性が一番低そうな人を選んで刺してるワケです。それで「やってやったぜ」みたいにドヤ顔をしてる、あの滑稽な姿!
私は悪党にはいっさい肩入れしないから、ヤクザ映画なんかほとんど観ないけど、例えば名作『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロが演じた小悪党=トラヴィスには共感できました。
トラヴィスが殺そうとしたのは、屈強なSPたちに護られた大物政治家だったり、少女を食い物にしたマフィアたちです。自分より明らかに強い男たちに、彼はたった1人で立ち向かった。だから悪党でもヒーローに見えるんです。だから名作なんですよ!
悪役には肩入れしないもんで「ジョーカー」のことは詳しく知らないけど、いくら極悪人って言っても無抵抗の老人を殺したりはしないでしょう? そんな単に卑劣なだけの輩が人気キャラになれるワケがない。
私は全然好きじゃないけど、確か『ダークナイト』って映画の中で、ジョーカーがマフィアのボスを平気で殺しちゃうシーンがあって、その時だけは「あ、カッコいいかも?」って思った記憶はあります。
平気で人を殺すジョーカーが、なぜ格好良く見えるのか? それは、殺す相手を選ばないからですよね?
マフィアのボスを殺せば、とてつもない数の子分たちから命を狙われることになる。そんなヤバ過ぎる相手でも躊躇せず、捨て身でやっちゃうからこそカッコいいんであって、単に「平気で人を殺すから」カッコいいワケじゃないんです。
あのバカは、バカなもんだからそこんとこが全然解ってない。あのドヤ顔が滑稽にしか見えない所以です。
だからって、刺した相手がヤクザだったとしても拍手する気は毛頭ないけど、本気で死にたいならそうする方が確実やったんちゃうの?とは思う。どうせハロウィンの日を選ぶなら、渋谷で浮かれてる連中に突っ込んでってYOU、フルボッコにされちゃいなよって。それなら共感はせずとも同情ぐらいしてやれたかも知れない。
だから結論は、どんな映画やドラマを観ようがバカはバカってことです。描き方を規制したところであんまり意味が無いと私は思う。それより、悪いことをすれば必ず報いが来る、人を殺せば自分も必ず殺されるんだって、そういうものを積極的に見せた方がマシとちゃいますか?って。
私がいつも「悪党はぶっ殺せ!」って書くのはそういうことです。「おっぱい見せろ!」っていうのはまぁ、そのまんまの意味ですけど。切なる願いです。