ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『山田太郎ものがたり』#06―2

2018-11-28 00:00:15 | 多部未華子









 
『山田太郎ものがたり』のオープニングタイトルは、本当に素晴らしいと思います。ここだけは気持ち悪くありませんw

まず楽曲が良い!(嵐の『Happiness』) まさか自分がジャニーズの曲を絶賛する日が来るとは夢にも思ってなかったけどw、良いものは良いんだから仕方がない、大霊界はあるんだから仕方がない。

そしてキャスト陣が順番にエアギターをかき鳴らし、次の人にバトンを回して行くミュージカル的な構成。エアギターなのに、まるで本当にギターを持ってるように見える!(CGで描いてあるんだけどw)

で、みんな本当に楽しそうに躍動してて、観てるこっちまで元気になって来ます。多部ちゃんや、あの宇津井健さんまでノリノリでエアギターですからねw

ここ数年で、連ドラのオープニングタイトルはすっかり寂しいものになっちゃいました。長くても10秒程度で、キャスト&スタッフのクレジットはエンディングに回されてます。

それも予算削減の為なんでしょうか? あるいは、その方が映画っぽくてカッコイイみたいに勘違いしてる?(たぶん前者だろうと思いますが)

私は断然、この『山田太郎ものがたり』みたいにちゃんとしたオープニングタイトルを見せて欲しいです。その方がキャストの顔と名前を覚え易いメリットもあるし、何と言ってもオープニングは番組の顔なんだから!(乳首)

それはともかく、本編のつづき。自主映画監督・小谷カンヌ(水川あさみ)が撮ろうとしてる新作は、貧しい少年と大金持ちの令嬢との切ないラブストーリー。彼女はそのキャストをスカウトする為にやって来たのです。

「ウチの生徒はお金持ちが多いですからねぇ。貧乏が似合う子なんて……はっ!」

そんな子はいないと言いかけて、ホンモノの貧乏である山田太郎(二宮和也)の存在を思い出したのは、彼の担任教師である鳥居先生(吹石一恵)。極端な妄想癖があるドMな人、つまりド変態女教師ですw

「大丈夫、あえて逆いきますから。あえて逆に、一番御曹司っぽくて上品な子を起用するんです。もう見つけました」

ド変態に教えてもらうまでも無く、カンヌ監督は既に太郎をチェック済みでした。(ただし金持ちのボンだと思い込んでる様子ですが)

彼女は「あえて逆」を狙うのがお好きなようで、だから自主映画監督という超サブカル人間なのに、ファッショナブルなセクシー美女という「あえて逆」のキャラクターになってるワケですね。

そんな話が水面下で進んでるとも知らず、太郎は再び御村託也(櫻井 翔)の住む豪邸に招待され、ドキドキしながら例の「いい匂いがする」女性(霧島れいか)と対面します。

ところが、彼女は御村家のメイドさん達にケーキ作りを教える料理の先生で、太郎が反応してたのは彼女から漂うケーキの匂いだった……つまり恋じゃなかったという、微笑ましくも腹立たしい、実に幼稚なオチがつきましたw

翌日、託也は池上隆子(多部未華子)にその顛末を伝えます。

「安心した?」

「えっ? いや、別に私は……」

「ふふ、お前は判り易いなぁ。そういうとこアイツにそっくりだ」

「え?」

「俺には2人が……」

「?」

「……ま、いいや」

「えっ、なに?」

「ま、頑張れ」

私はハッキリ言って、こんな風に格好つけて勿体ぶって、思わせぶりなことを言うキザ野郎が大嫌いですw だけど櫻井くんが演じると、それほど嫌味に感じないから不思議です。

「頑張れ、か…… 私、頑張っちゃおうかな?」

キザ野郎の思惑通り、太郎の恋話に心を乱された隆子は、彼への想いをあらためて自覚したみたいです。

「これで第2段階成功だな」

そう呟く託也は、本気で太郎と隆子をくっつけようとしてるのでしょうか? 何の為に、そんなお節介を? それは多分、愛する太郎の幸せな姿が見たいからw

託也があの2人を掌で転がして「面白がってる」ように見えるのは、彼自身も自分の想いに気づいてないからでしょう。彼は自分の事よりも、太郎を幸せにする事しか考えてない。だから嫌味っぽく感じないワケですね。

これぞ無償の愛、究極の愛と言えましょう。いやぁ~美しい! 実に美しくて素晴らしいんだけど、気持ち悪いですw

さて、ようやく太郎にアタックする気になった隆子ですが、カンヌ監督が彼と話してる姿を見ただけで意気消沈しちゃいます。カンヌ監督は出演交渉してただけなのですが……

「誰だろ……綺麗なひと……」

映画出演なんかよりもバイトがしたい太郎ですが、一流ホテルの高級ホットケーキをエサにされ、あっさり出演契約を結びますw そのホットケーキは、太郎の気持ち悪い……じゃなくてw、可愛い弟妹たちにとって高嶺の花、いつかは食べてみたい憧れの逸品なのでした。

主演男優を確保したカンヌ監督は、次にヒロイン女優を決めるべく女子生徒たちを集め、オーディションを開きます。学園きっての王子様の相手役だけに、学校じゅうの女子が殺到し、ここでも隆子は気後れしちゃうのでした。

「やっぱり私、ムリ……」

すごすごと部屋を出て来た隆子に、再び託也がお節介を焼きます。

「また逃げて来たんだ。勿体ないなぁ……」

「あのさぁ、御村くん。何なの? 私をどうしたいワケ? 色んなこと吹き込んでさぁ……」

キザ野郎の真意がよく解んないもんだから、隆子もちょっと不機嫌モード。よもや彼が心から太郎を愛してるからだとは、さすがに誰も気づきませんw

「御村くんは、ゲームでもやってるつもりかも知んないけど……私さぁ、いちいち、いっぱいいっぱいなんだよな」

こういう台詞を言わせたら、多部ちゃんの右に出る若手女優はいません。巧い! 本当に巧い! 愛してますw

「……俺は、2人がうまくいったらいいなって、ホントに思ってるよ」

「どうして?」

「それは……面白そうだから」

……ていうのは決して託也の真意じゃないんだけど、真に受けた隆子はその場を立ち去ろうとします。すると託也は彼女を引き止め、こんな言葉を掛けました。

「すぐに諦めるのやめたら、もっといい事あんじゃないの?」

憎いこと言いますよねぇ~w 隆子の気持ちをよく理解し、彼女が羽ばたけるよう、さりげなく背中を押す。

つまり御村託也っていうのは、誰が好きとか嫌いとか関係なく、みんなが幸せになれるよう手助けしないではいられない、究極の優しさを持った天使みたいな男……なのかも知れません。

だけど、そんな結論に収まっちゃったら面白くも何ともないのでw、やっぱ全ては愛する太郎の為、太郎の笑顔が見たいが為にやってる、究極のボーイズラブに違いありません。いやはや全く、気持ち悪いですw

そうとも知らずに隆子は、今度こそ「すぐに諦めるの」をやめて、オーディション部屋に飛び込みます。そんな彼女を見て、カンヌ監督は何かを感じた様子。

「あなた、ちょっといい匂いするね。読んでみて」

それはまるで、最初から隆子の為に用意されてたような台詞なのでした。

「この世に、お金より大事なものなんて無いわ!」

「あなたに決定!」

ご令嬢の役を、よりによって隆子に?と、落選した女子たちがブーブー言うのですが……

「私はあえて逆に、この中でいちばん庶民的なあなたに、ヒロインを演ってもらいます」

私の眼から見ると、多部ちゃんほどご令嬢役が似合いそうな人はいないと思うんだけど、確かに見方を変えると一番庶民的にも感じるし、美人にも不美人にも見える。そんなファジーさこそが、実は多部ちゃん最大の武器なのかも知れません。

何はともあれ、仲良しの隆子が相手役に決まって、太郎も嬉しそうです。部屋の隅っこからその様子を見て、託也もニコニコ笑ってる。気持ち悪いですw

(つづく)
 

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