☆第267話『Gメン 対 世界最強の香港カラテ』
(1980.7.12.OA/脚本=高久進/監督=鷹森立一)
香港の日本総領事官が、東南アジア最凶の犯罪組織=香港ギャング(用心棒はもちろんボクらの筋肉アイドル=ヤン・スエ!)に誘拐された!
香港ギャングは日本政府を相手どり100万ドルの身代金を要求! 密命を受けた警視庁の南雲警視(川津祐介)は、Gメンの中屋(伊吹 剛)、島谷(宮内 洋)、田口(千葉 裕)、吹雪(中島はるみ)と合流して香港へ飛び、香港警察本部の周警部(高品 格)の協力を得て、香港ギャングと血で血を洗う死闘を繰り広げるのでした。アチョーッ!!
……って書くと面白そうなんだけど……w
どうにも困ったことに、肝心のGメンがあまり活躍しないんですよね。『Gメン'75』の代名詞とも言えるこの「香港カラテシリーズ」って、そもそもGメンのカラテ番長=草野刑事(倉田保昭)のアクションを存分に見せる為の企画だった筈で、倉田さんの降板後は我らがV3(ブイスリャアアアーッ!!)こと宮内洋さんがその座を引き継いだものと思ってたのに、どうやらそうじゃないらしく……
じゃあ、今回の主役はいったい誰なのかと言えば、『大都会』シリーズの頃より更に体重と貫禄が増した高品格さん(ちゃんと香港人に見える!w)かと思いきやそれも違い、じゃあ筋肉がメリメリ唸るヤン・スエさんが満を持して主役に昇格!かと思えば相変わらず芝居は出来ず……w
真の主役はなんと、映画『用心棒』よろしく香港ギャングとGメンの両方にその腕っぷしをアピールし、雇わせてあわよくば100万ドルをネコババしようと企む謎の風来坊、その名はドラゴン! 演じるのはホー・チョンドー(何宗道)、別名=ブルース・リィ!w
幾多いるブルース・リー御大そっくりさんの第一人者で、香港映画やカンフー物に詳しい方なら「おおっ!」てなるかも知れないけど、そうでもない私から見れば単に得体の知れないガイジンですw
そんなよく分からん人がいくら活躍しても、どんなに凄いカンフー技を見せてくれても、気持ちが入らないもんでドラマとして楽しめません。
そりゃあ確かに、さすが本場のカンフースターだけあって、我らがGメンとは動きの速さも迫力も格段に違います。だからGメンと闘わせるよりも、香港スターどうしで闘わせる方がよりハイレベルなアクションが撮れると制作陣は判断したんでしょう。
あるいは、このシリーズが香港で大変な視聴率を稼いでるもんで、香港スターを主役にすればもっと盛り上がるだろうっていう目算があったのかも?
いずれにせよ残念です。その判断は完全に間違ってます。以前までの香港カラテシリーズは、本場のカンフースターほどは動けないGメンが、無理してバケモンみたいな敵と闘うからこそ面白かったんですよ!
少なくとも私は、カンフーそのものに興味があるワケじゃない。だから本物のカンフースターがいくら出て来ようが別に嬉しくない。(ジャッキー・チェンやユン・ピョウが出てくりゃ話は別だけど)
これって、石原プロが『西部警察』の平成復活版でわざわざ大枚叩いて海外のスーパーカーを取り寄せて、扱いきれずに事故を起こしちゃった愚行と似てませんか? ファンは(少なくとも私は)別にスーパーカーが見たいんじゃなくて、デコレートした日産車をスーパーマシンだと言い張る中学生感覚こそが好きだったのに!
そんなワケで今回の香港カラテはイマイチなんだけど、日本のテレビ番組でこんな事やってた時代がやっぱり懐かしいし、観たことない読者さんにも雰囲気だけ味わって欲しくてレビューしました。
セクシーショットはドラゴンの妹(つまり香港娘)を演じられた、当時21歳の竹井みどりさん。刑事ドラマのミューズと呼ばせて頂きたい女優さんの一人で、この『Gメン'75』だけでも10回近くゲスト出演されてます。
お客=視聴者の好みを優先させてもですし、作り手のやりたいことばかり追い過ぎてもイカンでしょうし、さじ加減が難しいのでしょう。
高品格は「銭形平次」のライバル役?が印象的でした。
当時のチビッコたちはもしかすると、ブルース・リーのそっくりさんに熱狂してたのかも知れません。
高品格さんは「探偵物語」でもインチキ中国人の役でしたねぇ…
そういえばヤン・スエ氏、ブルース・リーのそっくりさん三人(※何宗道氏はいません。そっくりさん扱いが嫌だったらしいのでw)がスパイ組織の手先のクローン人間として大暴れするアホ映画に出演されていたとか。仕事選ばない人だなぁ…
あ、話は変わりますが、「ドラゴン・スクワッド」(「猛龍」)を見られましたか?所属バラバラな警官たちが一致団結して犯罪に立ち向かうGメンのコンセプトを受け継いでいるので、ぜひとも紹介してほしいです。
長文失礼いたしました。
どちらもレンタルDVDが見つかれば是非観てみたいと思います。