2020年冬シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠でスタートした、テレビ朝日&東映の制作による人気シリーズの第6弾。シーズン1開始からとうとう10年が経っちゃいました。
京都が舞台になったのは2017年夏のシーズン4から。'18年夏のシーズン5から6本の単発スペシャルを経て約2年半ぶりの連ドラ再開。
主人公はもちろん、超マイペースで遺留品にとことんこだわる変わり者、京都府警捜査一課特別対策室のチャリンコ刑事=糸村聡 警部補(上川隆也)。
その上司となる佐倉室長代理(戸田恵子)、同僚の神崎刑事(栗山千明)、雨宮刑事(永井 大)らは続投、ベテランの岩田刑事(梶原 善)は今回をもって退職となり、代わって若手の沖田刑事(戸塚純貴)が第2話からレギュラー入りする模様。そして糸村とはくされ縁の科捜研技師=村木(甲本雅裕)とその助手=滝沢(宮崎香蓮)も続投となります。
同じテレ朝&東映による制作で、ターゲットにしてる視聴者層(中高年?)もたぶん同じであろう『相棒』シリーズと雰囲気がよく似てるんだけど、私はあまり『相棒』を好まないのに対して、この『遺留捜査』はストレスなく観られるんですよね。その違いは一体なんなのか?
まず筆頭に挙げたいのが、糸村聡が『相棒』の主人公=杉下右京(水谷 豊)みたいに突出した天才じゃないこと。勘と洞察力じゃ右京さんに負けてなさそうだけど、糸村さんは遺留品を手掛かりにあくまで堅実な捜査で事件の真相に迫っていく。言わば遺留品の単なるマニアだから、私としては感情移入し易いw 右京さんには到底なれないけど、糸村さんなら努力すればなれそうな気にさせてくれる。
突出した天才ゆえ『相棒』はどうしても右京さんの一人舞台になりがちだけど、糸村さんは同僚たちのサポート無しじゃ事件を解決できない。つまりチームワークが描かれるワケで、私にとってのバイブル『太陽にほえろ!』により近いとも言えるんですよね。
で、いまだに特命係の二人と出くわすたび大袈裟に煙たがる捜査一課の刑事たち(ええかげん慣れろよ!)とか、警察上層部の嫌味な連中みたいなキャラが『遺留捜査』にはほとんど出て来ない。ああいう描写に辟易してる私にとってはそこも大きいです。
『相棒』の大きな特長でセールスポイントでもあろう、右京さんと政界セレブたちとの深い関わりも、政治にも上流階級にもまったく興味がない私にとっては邪魔にしかならない。そもそも登場人物が多すぎる!w
逆に言えば、他の刑事物には無いそれらの特長があるからこそ『相棒』はヒットしたんでしょうから、これは好みの問題に過ぎません。『相棒』がつまらないとは一言も言ってないので、ファンの方は気を悪くなさらないで下さい。
『遺留捜査』を語るのにわざわざ『相棒』を引き合いに出さなくてもいいじゃん!(おいちょ待てよ!)って声も聞こえて来そうだけど、おっしゃる通りですw 『遺留捜査』自体はそれほど特長ある作品じゃないもんで、どう書けばよいやら考えあぐねた末に『相棒』を利用しちゃいましたm(__)m
強いて言えば、その特長の無さこそが魅力なのかも知れません。奇をてらわず、流行にも左右されず、あくまで堅実に刑事たちの仕事ぶりを描く。その潔さに我々中高年は魅了され、癒されてるのかも?
初回は1本のスプーンという遺留品だけで2時間を引っ張り、殺された画家の優しさや母娘のドラマに結実させた見事なストーリー。中山忍、山谷花純、山田キヌヲ、吉川依吹、福井裕子、そして柄本明と、ゲスト俳優陣も多彩で見応えありました。
中山さんは以前レビューした単発ドラマ『白い刑事』でも確か過去に殺人容疑で服役した女性(実はいい人)の役で、そういうポジションを確立されてますよねw
セクシーショットは実質のヒロインを演じられた山谷花純さん。2015年の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でモモニンジャーこと百地霞を演じて注目された方だけど、デビューは'08年で『あまちゃん』や『鈴木先生』『ラストホープ』など数多くの作品に出演されてます。刑事ドラマにも度々登場され、'19年の『トレース/科捜研の男』ではヒロイン=新木優子さんの妹役でレギュラー出演されてました。
うれしいですw
型にハマってるように見えるシリーズ化された刑事ドラマには全く興味がないのですが、この作品は佇まいが自然体で、初回試しに観ると続けて観てしまいます。
要因はかわたさんが書かれているとおりですが、やはり上川さんの良さを最大限引き出そうとする脚本や演出なのかなって思います。
短くなる次週以降どうなるかなって思いますが、また完走することになるでしょうねw
毎週は観られないかも知れないけど、お気に入り番組の1つに加えようと思います。