ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『赤い疑惑』#01~#02

2023-05-13 21:24:00 | TVドラマ全般

「山口百恵“赤いシリーズ”DVDマガジン」の第1巻と第2巻には、前回レビューした『赤い迷路』#01~#02と今回の『赤い疑惑』#01~#02、そして1980年11月に放映された百恵さんの引退記念スペシャル『赤い死線』前後編が収録されてます。

百恵さんは21歳で引退されてますから、まさに芸能界という特殊な学校で思春期を過ごし、三浦家という就職先が決まってめでたく卒業したような感じですよね。

三浦友和さんとの出逢いは映画『伊豆の踊子』よりも前、大林宣彦監督が撮られたグリコのCMだけど、TVドラマではこの『赤い疑惑』(赤いシリーズ第2弾) が初共演。本作におけるキスシーンが、もしかすると百恵さんのファーストキスだったのかも?



本放映スタートは1975年の秋シーズン(全29話)で、最高視聴率は前作(22.7%)を大きく上回る30.9%をマーク。後の韓流ドラマ『冬のソナタ』等を彷彿させるメロドラマ要素(そして甘〜いマスクの三浦友和さん)が女性視聴者たちを釘付けにし、それがシリーズ人気を決定づけたに違いありません。

当時16歳の山口百恵さんが演じられたのは、天真爛漫な女子高生の大島幸子。



そしてその父親で大学助教授の大島茂に扮するは、またしても折り目正しいこの男、宇津井健!



お母さんの大島敏江役はこの人、八千草薫さん!



もちろん今回もお母さんとは血が繋がっておらず、フランスはパリに住んでる茂の妹、すなわち幸子が叔母だと思ってる大島理恵が本当の母親。扮するは実際にパリ在住だった大女優、岸惠子さん!



どうやら無理やり理恵とチョメチョメして幸子を産ませたらしい実の父親は、茂の上司にあたる大学教授の相良。演じるは桑田佳祐そっくりな暗闇司令、長門裕之!



その妻で、宇津井さんや岸惠子さんをイビりまくる女=多加子に扮したのは、実相寺昭雄監督夫人で「赤いシリーズ」じゃイビり役の常連だった、原知佐子さん。



幸子の母方の祖父で産婦人科医の太一郎には、やはり大映ドラマの常連である名優、松村達雄さん。



『サインはV』や『ケンちゃんシリーズ』等でお馴染みだった、岸ユキさんも助教授役でレギュラー出演。



ほか、中島久之、林ゆたか、浜田光夫、夏夕介、名古屋章、小池朝雄、中条静夫、塩沢とき、大山のぶ代、園佳也子etc…といった豪華キャストが続々と登場していきます。

今回も百恵ちゃんは2人の母親すなわち「出生の秘密」問題に直面するワケですが……



もはや「それどころじゃない」と言うしかない、さらに過酷な運命が待ち受けているのでした。

まず、医療用放射性物質を研究する父の職場を訪れた幸子は、不慮の爆発事故に巻き込まれてしまう!



そこで体を張って救出してくれたのが、まさに白馬の王子様を具現化したような三浦友和さん扮する、医大生の光夫。そりゃ惚れるしかありません。



ところが忘れちゃいけない、これは「赤いシリーズ」なんです。大映ドラマなんです。ここからが本領発揮のジェットコースター展開。



まず、頻繁な目眩が百恵ちゃんを襲い、いつものように触りに来た宇津井健が、彼女の異変に気づきます。



そう、研究室の事故で放射線を浴びてしまった幸子は、当時まだ「不治の病」とされてた白血病に侵されていた!



そうとは知らず、父を信じて過酷な治療を受ける幸子は、研修で病室を訪ねて来た光夫と再会し、いよいよ恋に落ちていく。



で、ここで初めて、光夫の苗字が「相良」であることが明かされるワケです。

そう、桑田佳祐にちっとも似てない光夫だけど、彼の父親は長門裕之扮する相良教授、すなわち岸惠子さんと無理やりチョメチョメして百恵ちゃんを産ませた、あの暗闇司令!

つまり、光夫と幸子は異母兄妹だった! もちろん、出生の秘密を知らない2人はまだ気づいてません。



これが大映ドラマです。韓流ドラマにも多大な影響を与えてます。ちなみに本作は2005年、石原さとみ&藤原竜也の組み合わせでリメイクもされてます。



とても残念なのは、幸子の育ての母=敏江を演じられた八千草薫さんが、第6話をもって降板しちゃうこと。

ヒット曲を連発する百恵さんが忙しすぎて、その代役(いわゆるスタンドイン)を相手に演技することにストレスを溜めた八千草さんが、自ら降板を申し入れたんだとか。

それで八千草さんが百恵ファンたちの悪評を買い、役を引き継いだ渡辺美佐子さんが株を上げたみたいに云われてるけど、俳優としてのタイプというか考え方が違うだけの事で、どちらも立派なプロフェッショナルだと私は思います。

そもそも八千草さんがストレスを感じたのは百恵さんにじゃなく、ドラマの制作姿勢に対してだった筈。

当時のドラマは長丁場だったから、キャストの途中交代もさして珍しくなかったですよね。NHKの朝ドラや大河ドラマでも主役の途中交代がありましたから。

次作でも同じようなことが起きたそうで、百恵さんもさぞ心苦しかった事でしょう。売れっ子には売れっ子ならではの悩みがある。私はスターにならなくて本当に良かったです!👍


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『赤い迷路』#01~#02 | トップ | 『さすらい刑事旅情編 II 』#06 »

コメントを投稿