こないだ部屋を整理してたら、10年近く前に買った「山口百恵“赤いシリーズ”DVDマガジン」の第1巻と第2巻が出てきました。
そう言えば、このブログではまだレビューしてません。(閉鎖した旧ブログでチラッと紹介した記憶はあります)
昭和世代の方には説明不要でしょうが、“赤いシリーズ”はTBS&大映テレビが’70年代にヒットさせた『赤い疑惑』『赤い運命』等、主に山口百恵さんと宇津井健さんをフィーチャーした一連の連ドラの総称。
その第1弾が1974年の秋シーズンに全24話が放映された『赤い迷路』で、実質の主役は宇津井健さんだけど、ヒロインは当時15歳(デビュー2年目)の百恵さんであり、また『太陽にほえろ!』卒業直後の松田優作さんが準主役のポジションでレギュラー出演されてる点でも見逃せない作品。
宇津井健さんが演じられたのは、アメリカ生活が長かった割にやたら折り目正しい、精神科医で大学教授の結城正人。
そして山口百恵さんは、その一人娘である女子高生=結城明子をハツラツと演じておられます。
勿論、そこは「ジェットコースター展開」で知られる大映ドラマですから、穏やかな日々は続きません。明子の大好きなお母さん=妙子(小山明子)がある日、モーテルで他殺体となって発見されてしまう!
眉毛が細い!(百恵さんのも細いし、当時の流行り?)
絵に描いたように良妻賢母だった妙子が、いったい誰に、なぜモーテルで!?
大変ショックを受ける結城教授だけど、それ以上に取り乱した明子をなだめるべく、とにかく触りまくります。
折り目正しさを隠れ蓑にし、事あるごとに、スキあらば百恵ちゃんを触りまくる宇津井健!
「長い人生には突然、こうして思いもかけない災難が降りかかる事もあるんだよ。しかしね、この災難に負けてはいかんのだ。解るね?」
いやいや、なんだか問題の質が根本的に違ってる気がするんだけど、とにかく百恵ちゃんとイチャイチャしながら妻殺しの犯人を探す、宇津井健さんの折り目正しい活躍が半年かけて描かれるのでした。
先に「ジェットコースター展開」って書いたけど、’80年代以降の大映ドラマ(スチュワーデス物語とかヤヌスの鏡とか)で見られるスピード感やトンデモ感はまだ無くて、むしろじっくり、幾多いる登場人物それぞれの裏の顔(ほぼ全員が犯人っぽい)を描いていく正統派のミステリーという印象。
で、中でも最初の犯人候補として怪しく登場したのが、過去の因縁で結城教授に恨みを持つフリーターの、都築潤。松田優作さんがジーパン刑事=柴田純と続けざまに「ジュン」を演じておられます。
優作さんに限らず、当時のドラマじゃみんなヘビースモーカー。アパートで潤と一緒に煙草を吸ってるのは、彼の姉でどうやら明子の産みの母親らしい、都筑由紀子。お懐かしや、長山藍子さんが演じておられます。
つまり百恵ちゃんの「出生の秘密」も絡んで来るワケで、そこはやっぱり最初から大映節全開です。
やたら豪華なキャスティングも大映ドラマの特長で、優作さんと恋に落ちる臨床心理士=園田京子役は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった、中野良子さん。
結城教授の同僚=高浜役は『ザ・ガードマン』でも宇津井さんと同僚だった、中条静夫さん。
当時、イカれた犯罪者ばかり演じてた蟹江敬三さんが、ここでもやっぱりイカれた犯罪者役。
ほか、佐藤充、山本紀彦、大石吾郎、高橋昌也、寺田農、青島幸男etc…といった人たちが続々登場、その中に真犯人がいるワケです。
しかし事件の真相だの出生の秘密だのはどーでもよくて、とにかく宇津井健さんに触られまくる健気な百恵ちゃんと……
優作さんにもしっかり触られちゃう百恵ちゃん。
そして学校では体操部員ってことで、こんなちょっとしたセクシーショットも見られたりします。
とにかく今となっては、15歳の初々しい山口百恵さんをただひたすら愛でる為、そして何歳であろうとビクとも変わらない、宇津井健さんの折り目正しさを楽しむ為の作品です。
こんなことを言っちゃあ叱られるに決まってますが、私は花の中三トリオの中で、山口百恵さん以外に興味はありませんでした。
その気持ちをますます昂らせたのがこの画像です。懐かしや『GORO』に掲載された篠山紀信さんが撮ったものですよね。
先日、ネットニュースの隅っこに出てくる広告に、かつての女優さんやアイドル歌手たちの“今、こんなんになってますぜ”的なものがありました。興味はありますが、「じゃあ見るか?」と問われたら「いいえ」と答えます。
今がどうあれ、それは人生を重ねてこられた証なのだし、GOROに残っている姿もまたその瞬間を切り取ったものですし。
近頃散見するグラビアアイドルさんたちとはまた一味違うオーラのようなものを纏っておられるように思います。懐かしいものをありがとうございました。
それをわざわざ確認し、一番輝いてた頃と比較するなんてのは悪趣味の極みで、私も絶対に見たくないです。まったく興味が無いと言えばウソになるけど、悪趣味な連中の仲間にはなりたくない。
それにしても、あらためて、完璧に姿を見せなくなった百恵さんの割り切り方は本当に凄い! 普通ならまたスポットライトを浴びたくなるのが人間で、そこがやっぱりスペシャルなスターですよね。