ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『噂の刑事トミーとマツ』1979~1982

2018-11-09 09:09:09 | 刑事ドラマ HISTORY







 
古き良きTVドラマの黄金時代は、各放送局あるいは製作会社の作品カラーがハッキリ分かれてて個性豊かでした。

そんな中でも大映テレビ製作のドラマは、何の前情報も無くテレビをつけた時にたまたま放映されてたとしても、ちょっと観ただけで「うわっ、これってもしかして大映ドラマ!?」ってw、すぐに判っちゃう位に個性的でした。

とにかく極端な設定が特徴で、シリアスにしろコメディにしろ、役者さん全員が常にオーバーアクションの熱い芝居をしてて、端的に言えば「ベタ」で「クサイ」んだけど、それが逆にクセになっちゃう不思議な吸引力がありました。

例えば山口百恵さんが何作もヒロインを務められた『赤い○×』シリーズや、堀ちえみさんの『スチュワーデス物語』、山下真司さんの『スクール・ウォーズ』等が代表的ですね。『ヤヌスの鏡』だとか『高校聖夫婦』なんてのもありました。

そんなコッテコテの大映さんがバディ物の刑事ドラマを作ったら、一体どんなコッテコテな作品が出来上がるのか? その答えが『噂の刑事トミーとマツ』でしたw

TBS系で毎週水曜夜8時、第1シリーズが1979年10月から約1年半(全65回)、第2シリーズが’82年1月から約1年間(全41回)放映される程の人気を博し、私も(第2シリーズからではありますが)よく観てました。

スタート時は和製『刑事スタスキー&ハッチ』と謳われてましたが、蓋を開けてみればやっぱ「ベタ」で「クサイ」コッテコテのハチャメチャコメディになってましたねw

東京・富士見署捜査課を舞台に、生真面目で気弱な優男・岡野富夫ことトミー(国広富之)と、がさつで猪突猛進型の短足刑事・松山進ことマツ(松崎しげる)の対照的なコンビが、お互いの欠点を補い合う事も無くw、どちらかと言えば足を引っ張り合いながら事件を解決して行きます。

この2人のダメっぷりがまた極端でしたねw 刑事ドラマの主役がここまで三枚目に徹した作品って、そうそう無いんじゃないでしょうか?

とは言え、クライマックスに描かれるトミーの「変身」は凄かったです。危機に陥ると怖じ気づいて身動き取れなくなっちゃうトミーに、怒ったマツが「お前なんか男じゃない! このオトコオンナのトミコ!」と叫ぶと、トミーの人格が変わっちゃう。

初期は凄腕のスーパー刑事に変貌するだけだったのが、回を重ねる毎にエスカレートして、まるで特撮ヒーローみたいに超人的なアクションで敵をバッタバッタと倒して行くw、もはや刑事ドラマの域を超越した世界になっちゃってました。

でも、そんな突き抜けた製作姿勢こそが私は大好きでした。毎週トミーの変身が楽しみで仕方なかったし、創り手もそれを意識して、マツがなかなか「トミコ!」って言わなかったり、言おうとすると周りから妨害が入ったりして、視聴者を焦らす工夫を凝らしてました。

だいたい、自分が「トミコ」と叫ばないとトミーが変身出来ない事に、いつまで経っても気づかないマツが馬鹿すぎますw

ちなみに、トミーがあんなに強いのは過去に特訓を重ねた成果なんだけど、その強さゆえに犯人を死に至らせてしまったトラウマから、彼は自分の強さを潜在意識下に封印してしまい、普段は忘れてしまってるんだそうです。あのバカげた変身にそんなダークな裏設定があったとは!w

2クール程度の放映予定が延長を重ねた為、課長役の林 隆三さんと、トミーを叱咤激励する姉役の志穂美悦子さんはスケジュールが合わず途中降板。代わりに本庁のエリートから格下げになった新課長として、大映ドラマの顔=石立鉄男さんが就任。

やたらキザな中堅刑事の清水章吾さんをはじめ、レギュラー陣がみんな大仰なコメディ演技でアドリブ合戦を繰り広げる中、ただ1人だけ真面目に台本通りの芝居を淡々とやり通す名優・井川比佐志さんのベテラン刑事ぶりが、かえって可笑しくて印象に残ってます。

それともう1人忘れられないのが、トミーに熱烈アタックを繰り返す交通課婦警=森村万里子こと「まりっぺ」役の石井めぐみさん。決して色気があるタイプじゃないのに、思春期だった私にとっては妙にエロティックな存在でした。

人目もはばからずトミーに抱きつき、やたら胸を押しつけるオープンなキャラクターと、お堅い婦警の制服姿とのギャップに萌えたんでしょうか? 変態ですねw
 

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