私はヒーロー物にせよ刑事物にせよ悪役に肩入れすることはほとんど無いんだけど、この『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場する敵組織=宇宙をさすらう邪悪な宇宙忍者の集団「宇宙忍群ジャカンジャ」にはとても眼を引かれます。
まず「さとうけいいち」さんの手による造形がやたらクールでカッコいい! これぞセンス・オブ・ワンダー!
昆虫をモチーフにしながらグロテスクにもポップにもなり過ぎず、東洋と西洋の神仏をミックスさせたようなデザインが渋くもあり可愛くもあり、我々日本人から見れば『スター・ウォーズ』シリーズに出てくるクリーチャー達より遥かにクールです。(西洋人から見るとまた違うのかも知れません)
そして「暗黒七本槍」と呼ばれる七人の幹部たち。女の子2人は顔出しで肌の露出も多いのに、野郎どもは全員着ぐるみなのがまたイカしてますw
女の子のキャラクターも、片やギャル系のフラビージョ(山本 梓)、片や姐御系のウェンディーヌ(福澄美緒)とツボを心得た配役で、両者ともヒーロー側に負けない人気を集めたという事実にも納得の魅力を放っておられます。
昭和ライダーにおける怪人「蜂女」を彷彿させるフラビージョも可愛いけど、当初はボンテージに近かったのを教育的配慮で露出を抑えたというウェンディーヌの衣裳は、かえって我々の想像力と股間を膨らませてくれます。
演じる女優さんもそれぞれ魅力的で、特にフラビージョ役の山本梓さんはハリケンブルー役の長澤奈央さんと並んでグラビア界を席巻、セクシーさにおいては奈央さんを一歩リードされてました。
いやぁしかし、それにしても……
お色気、ファッション、アクション、どれを取っても昨今の刑事ドラマは特撮ヒーロー物に随分と差をつけられちゃいました。番組ごとの創意工夫も然りで、特撮ヒーロー物には今も感じるドラマ創りへの情熱が、刑事ドラマには感じられなくなって久しいです。
だから特撮ヒーロー物からは新しいスターがどんどん生まれてるのに、刑事ドラマからは生まれないんですよね。刑事ドラマは特撮ヒーロー物が生んだスターを起用はするけど、自分たちでスターを生み出す努力はまるでしなくなった。すでに出来上がった人気にただ乗っかるだけの、実にお気楽な番組作り。破滅です。
唐突に刑事ドラマを槍玉に挙げて怒ってますけど、これはテレビ業界全体にも言えることです。登竜門だった筈のNHKの朝ドラですら、主役には新人を使わなくなってますからね。
今、俳優の登竜門と呼べるテレビ番組って、特撮ヒーロー物だけじゃないですか? 若手女優をスターに育てた『スケバン刑事』や『ケータイ刑事』みたいな番組も無くなってますからね。
テレビ業界の人たちはもう、特撮ヒーロー物を「ジャリ番」なんて呼んでバカにしてる場合じゃないですよ。あんたたちの方がよっぽど無力だし、ダサいです。
今や特撮ヒーロー物だけが、最後に残された希望の光かも知れません。ホントそう思えて来ました。
さすがです!このセレクト!!!
2002年なんですね💧すごい前ですね~~