2000年代の『仮面ライダー』シリーズと昭和のそれとの違いは数多あれど、何よりも変わったのは女性キャラクターの扱われ方かも知れません。
ライダーシリーズに限らずだけど、かつては添え物の花にすぎずヒーローの足を引っ張る存在だったヒロインたちが、今や敵怪人とタイマンで闘えるくらいに強くなってるワケです。
特に本作『仮面ライダーキバ』の主人公=紅渡(瀬戸康史)は対人恐怖症でふだんはニートみたいな生活をしており、ライダーに変身しなきゃ全く頼りにならないキャラクター。(これから経験を重ねて成長し、強くなっていくみたいだけど)
その替わりにライダー変身前のアクション場面を盛り上げてくれるのが、ファンガイア(吸血鬼)ハンターの麻生恵(柳沢なな)であり、その母親である麻生ゆり(高橋ユウ)なんですね。
1986年の世界に生きる麻生ゆりは「素晴らしき青空の会」っていう対ファンガイア組織に所属しており、生身でも吸血鬼と互角に渡り合えるほど強いんだけど、やがてその会が開発した「イクサシステム」により「仮面ライダーイクサ」に変身(他のメンバーもイクサになれるらしく、これは変身というより装着?)して闘うことになるそうです。
2008年パートに麻生ゆりは登場しない為、ハンターを引退するか亡くなるかだろうと思いますが、渡の父親である紅音也(武田航平)との恋愛模様が1986年パートの縦軸になっており、毎回やって来る怪人をライダーが倒せばいいだけだった昭和のシリーズと違って、色々やらなきゃいけないワケです。そこには勿論、イケメン目当てで番組を観るヤングママたちへの配慮もある事でしょう。
主役の紅渡=仮面ライダーキバの特長としては、まず人間とファンガイアとのハーフである(つまり麻生ゆりが母親じゃない)ことと、ベルトからロボコウモリが離脱して渡の腕を噛むと変身すること、そのロボコウモリが独立した人格を持ってて渡と会話すること、そして7種類のフォームチェンジが可能であること等が挙げられます。
現在の特撮ヒーローたちに課せられた使命は、人類を守ることよりまずオモチャを売ることですから、ゲーム性のある変身アイテムやフォームチェンジはもはや必須科目。もっと後のシリーズになると変身アイテムがカードゲーム機そのまんまだったりしますから、今の子供たちは変身アイテムに似せたオモチャじゃなくて、変身アイテムそのものを(買えば)所有できるという、思えば何とも羨ましい世代です。
セクシーショットは麻生ゆり役の高橋ユウ(当時のクレジットは高橋優)さんと、第2話ゲスト(オクトパスファンガイア役)の梅宮万紗子さん。
高橋ユウさんは以前、深夜ドラマ『のの湯』のレビューでご紹介した通り、ファッションモデル出身の女優さんで高橋メアリージュンさんの妹。連ドラは本作が初レギュラーだった模様。
梅宮万紗子さんは故・梅宮辰夫さんの姪っ子で'90年代から活動されてる女優さん。2005年の『仮面ライダー響鬼』にレギュラー出演されたほか、ドラマ、CM、映画、舞台と2018年まで幅広く活躍されてますが、'19年以降のお仕事はWikipediaに記載されてません。
仮面ライダー響鬼に準レギュラーで出演されているとき、白のぴちぴちズボンをはいていらしたのですが、お尻ばかり見ていましたwww