このドラマの特長の1つとして、毎回必ずストーリーに2つの縦軸があり、それぞれが同時進行しながら巧みに絡み合い、ラストで見事に融合する、みたいな作劇法が挙げられると思います。
かつてお菓子のCMで「一粒で二度美味しい」みたいなキャッチコピーが流行りましたけど、1つのストーリーを2週跨ぎでダラダラ語ってる連ドラが多い中、本作は毎回1話の中で2つのストーリーを完結させるんだから、そりゃテンポも良いし密度も高いワケです。
今回(第4話)のストーリーその1は、コーヒーサーバー導入を巡る総務部女子社員=横山さん(伊藤麻実子)VS 平松さん(平岩 紙)の激しい対立に、経理部の森若さん(多部未華子)が巻き込まれる話。
そしてストーリーその2は、実家の母親から「大腸検査で引っ掛かった」との連絡を受け、さらに同期社員の鏡さん(韓 英恵)から「彼にプロポーズされた」と聞かされ、漠然と自分の将来に不安を抱いた森若さんが、自己啓発セミナーを受けて大いに揺れ動いちゃう話。
それぞれの話が面白いし、いずれも森若さんの(決して鉄の女じゃない)普通のアラサー女性としての一面を描いてて、より共感を深めてくれました。
で、今回2つのストーリーを繋ぐ役目を担ったのが、平岩紙さん扮する平松さん。前回もチラッと書いたように一見「鉄の女」っぽいし、森若さんと何だかウマが合いそうにも見える。
実際、公私混同を嫌う森若さんは同僚の誘いをほとんど断るのに、平松さんとは一緒にランチを食べるし、自己啓発セミナーに足を運んだのも彼女に誘われたからでした。
私自身も若い頃は、そのテのセミナーや宗教団体の集会によく誘われました。心が弱ってる時は「すがってみるのアリかな?」って、正直思いました。でも結局、山田くん(重岡大毅)も言ってたように「自分の未来は自分で決めるもの(他人に左右されたくない)」と思うからハマることは無かったです。ましてやお金を払うなんて、博打と同じですからね。
でも心が揺れたのも事実だから、ああいうタイミングで誘われた森若さんが講師(須藤理沙)の巧みな話術に引き込まれる気持ちも、既にどっぷりハマってる平松さんの気持ちもよく解ります。
だけど森若さんはハマらなかった。入会料50万円と聞いて経理部魂を刺激されたせいもあるけどw、似たタイプの平松さんがハマって森若さんがハマらなかった一番の理由は、今やってる仕事が(部署内の人間関係も含めて)たぶん好きだから。
それと、物事を一面的に捉えず、常に逆サイドの視点からも見て「イーブン」に考えて結論を出す、理数系女子ならではの冷静さ。毎回2つのストーリーが描かれるのも、そんな森若さんのバランス感覚を象徴してるのかも知れません。
で、クライマックスはセミナー主催会社(コーヒーサーバーの販売元でもある)の脱税疑惑をズバッと指摘する、森若さんの敏腕刑事っぷりw それで平松さんの洗脳も解け、コーヒーサーバー戦争も一旦終息となりました。森若さん、やっぱ凄いですw
そう、毎回2つのストーリーに、みんな大好き「謎解き刑事物」の要素まで加わるんだから面白くならないワケがない。蛇足になりがちなラブストーリー要素も本作ではプラスに作用してます。文句なし!
ところでラストシーン、同僚たちによるラーメン屋への誘いを渋る森若さんを動かした、佐々木さん(伊藤沙莉)の謎の囁き。あれはいったい何と言ったのか、次回で明かされるんでしょうか? めっちゃ気になるけど、それって2週跨ぎにするほどのネタなのか?w
セクシーショットはゲストの須藤理沙さん。グラビアモデルの類いはほとんどされてないようで、貴重な1枚かと思われます。
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