ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『鉄道公安官』#01

2023-11-24 22:22:05 | 刑事ドラマ'70年代

ちょっと前に東映チャンネルさんが「鉄道特集」の一環として、『爆走!ドーベルマン刑事』の前番組である『鉄道公安官』を第1話のみ放映してくれました。

同じテレビ朝日&東映の制作による『さすらい刑事旅情編』の前身と言える作品だけど、その原型はもっと古く、1962年6月から’63年3月まで放映された『JNR公安36号』、それに続いて’62年から’67年まで全198話が放映された『鉄道公安36号』がたぶん始祖。

で、’72年にスタートした『太陽にほえろ!』の大ヒットにより巻き起こった空前の刑事物ブームを受け、’77年に制作された新たな鉄道公安官ドラマが西郷輝彦主演による『新幹線公安官』。

その第2シリーズが’78年9月に終了し、装いを新たに翌’79年4月から月曜夜8時枠でスタートしたのがこの『鉄道公安官』で、’80年3月まで全42話が放映されました。

東京鉄道公安室内の捜査部署「ゼロ課」に所属する主人公=ワカメ好き好き主任こと榊大介に扮したのは、後番組『爆走!ドーベルマン刑事』の主人公(黒沢年男)と同じく“アフロヘア”がトレードマークの、石立鉄男。



そしてゼロ課の紅一点=八木和子を演じたのは『兄弟刑事』の五十嵐めぐみ。なんとこのお方もアフロヘア!



杉サマの『大捜査線』でも本阿弥周子さんが途中からアフロになったし、そういや笑福亭鶴瓶さんが関西でブレイクされたのもこの時期だから、当時ちょっとしたアフロブームだったんでしょう。

続いて若手イケメン枠の星野刑事には『華麗なる刑事』『刑事犬カール』『西部警察』の加納竜。



ベテラン公安官の本間には『ザ・ガードマン』『大都会/闘いの日々』『刑事物語’85』『あぶない刑事』の中条静夫。



ゼロ課を統率する東京鉄道公安室の室長=瀬川浩三には『東京コンバット』『87分署シリーズ/裸の街』の三橋達也。



そして新米公安官の古賀に赤木良次が扮するほか、第22話からイケメン公安官2号として星正人がレギュラー入り。また、第7話からジャーナリスト役で夏目雅子もセミレギュラーとして参入します。




☆第1話『寝台特急(ブルートレイン)の少年』(1979.4.9.OA/脚本=小野竜之助/監督=小西通雄)

なにせ『さすらい刑事旅情編』の前身ですから基本は人情ドラマ。悪党をタコ殴りしたり750ccバイクで撥ね飛ばしたりする描写は見られません。まことに遺憾です。

初回のストーリーは、アホな船乗り(上條恒彦)が投資に失敗して多額の借金を背負い、悪党どもに利用されて麻薬の運び屋をやらされそうになる。

彼は拒むんだけど、ブルートレイン「さくら号」に乗って博多まで会いに来た幼い息子が、その道中で悪党どもに拉致され、人質にされちゃう。

息子を取り戻すため麻薬密輸に加担せざるを得なくなったアホ船長を、さくら号でたまたま彼の息子と知り合ったアフロ主任たちが救うワケです。



これって、悪党どもに拉致されるのを少年から赤ちゃんに、アホな父親を船乗りからバイク乗りに、運ぶのを麻薬から大物犯罪者に置き換えたら、まんま前回レビューした『爆走!ドーベルマン刑事』#01と同じ話になっちゃいます。

これは意図的に似せたワケじゃなく、たぶん偶然でしょう。創ってる人たちは1本1本の内容までいちいち憶えてないし、全ての刑事物からこれと似たストーリーを挙げていけば100や200じゃ済まないはず。

そもそも、物語のパターンなんか基本は5通りぐらいしか無いって云われてますもんね。だからこのブログでも「筋はどうでもいい」っていつも書くワケです。問題はそれをどう見せるかだって。

ほぼ同じストーリーで、どっちも主役がアフロなのに、『鉄道公安官』と『爆走!ドーベルマン刑事』じゃ味わいが全然違う。そこが私にとってはすこぶる面白い!



後の『さすらい刑事旅情編』では捜査官たちが拳銃を持たないけど、この当時(の刑事ドラマ)は皆が持ってて当たり前の時代。ただし刑事側の発砲は無く、立ち回りもアッサリしたもんでドーベルマン刑事とは実に対照的。



だからこれ、主役が石立鉄男さんでなければレビューする気になれなかったかも知れません。見どころはワカメ好き好き石立さんに尽きます!

『はぐれ刑事純情派』の藤田まことさんと同じで、ストーリーは人情系でも石立さんが演じると湿っぽくならない。ハードボイルドなんですよね!

その真骨頂が、今回のラストシーン。少年は無事に救出されたものの、麻薬密輸に関わった父親は逮捕され、母親は病気で既に他界しており、刑務所から父が帰って来るまで彼は独りで頑張らなきゃいけない。

で、泣きながら海を見つめる少年の傍らに腰掛け、アフロ主任が黙って懐から取り出したのが、これ。



絶対、石立さんのアドリブですよねw キャメラの後ろで必死に笑いをこらえる撮影隊の姿が目に浮かびますw これは『トミーとマツ』じゃない、シリアスタッチのドラマなのに!(大人になるんだぞ、っていう意味なら筋が通ってるけど)



そこが石立鉄男さんの魅力だと思います。かなり破天荒だったらしい御当人のキャラがどんな作品においても反映されてる。唯一無二! ワカメ好き好き!

加えて、紅一点=八木公安官役の五十嵐めぐみさん!



’76年放映のTBSポーラテレビ小説『さかなちゃん』のヒロイン役で知られる女優さんだけど、それ以前に『特別機動捜査隊』や『非情のライセンス』に複数回ゲスト出演されてたり、’77年〜’78年放映の『兄弟刑事』では主役兄弟(篠田三郎&岡本富士太)の妹役でレギュラー出演されるなど刑事ドラマにも縁のあるお方で、アフロヘアはどうかと思うけど好みのタイプです。


 


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2 コメント

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Unknown (harrison2018)
2023-11-26 17:53:02
五十嵐さんは豊満というよりモデル体型ですよね。アフロヘアは長身じゃないと似合わないかも知れません。佐藤蛾次郎さんみたいな人もいますけどw
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Unknown (ムーミン)
2023-11-26 16:52:40
五十嵐めぐみさんは長身でボーイッシュで好みでした。鉄道公安官は知らなかったですが、兄弟刑事は見ていました。五十嵐めぐみさんはさかなちゃんがデビューかと思ってましたが、それ以前に森田めぐみ名義でヌードシーンがあったらしいですね。ゴローのヌードグラビアは見た記憶があります。意外に豊満な肢体ですね。
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