☆第41話『野良犬の恋歌』
(1978.1.10.OA/脚本=佐治 乾/監督=村川 透)
城西暑捜査一課の徳吉刑事(松田優作)が、交際中の洋子(風吹ジュン)といよいよ結婚を決め、上司である黒岩デカチョウ(渡 哲也)に付き添ってもらって彼女の父親と対面したら驚いた!
なんと洋子の父は、覚醒剤取引の容疑で黒岩軍団が今マークしてる最中の、裏社会の顔役=沼田(田島義文)なのでした。
当然ながら、現職の警察官が犯罪者の身内と、それも今まさに尻尾を掴もうとしてる大物の娘と結婚出来るワケがありません。
絶望した徳吉が、ヤケ酒をあおってアパートに帰ったらまた驚いた! 徳吉の為に全てを捨てて家出した洋子が、部屋の前で待ってたのでした。
かくして、熱くて甘い2人の同棲生活が始まるんだけど、徳吉の留守中、様子を見に来た沼田の手下に、洋子がうっかり捜査情報を漏らしてしまい……
『大都会』シリーズの中でも、あるいは松田優作フィルモグラフィーの中でも極めて珍しいであろう、優作版『ロミオとジュリエット』とも言えるド直球のメロドラマ。
だけどこれが実に良いんですよね! 優作さんご自身もお気に入りのエピソードだったらしく、今回ばかりはアドリブギャグも抑えて大真面目に演じておられます。
洋子に疑惑の目を向ける同僚刑事たちに激怒し、「テメエら女に惚れた事あんのかよ馬鹿野郎! 俺は惚れてんだよ、なにが悪いんだよ! なめんなよ馬鹿野郎!」と喚き散らす徳吉。
そして幸せな結婚生活と刑事の仕事とを天秤にかけ、「やっぱり、あなたと一緒になれない自分の方を選びます。自分はもう、女の人を好きになりません」って、涙を流しながら洋子に告げる徳吉。
優作さんのそんな芝居(恐らくアドリブ)が見られるのは、唯一『大都会PART II』のこのエピソードだけ、じゃないかと私は思います。これがホント良いんですよね。
クライマックスで怒りを爆発させる徳吉の格闘アクションも素晴らしいし、ショットガンや手榴弾まで飛び出すド派手な銃撃戦も見ものです。(第41話すなわち番組も終盤で、かなり『西部警察』の世界に近づいてますw)
そしてヒロイン=洋子を演じた風吹ジュンさん、当時26歳。ユニチカ・マスコットガールから歌手デビューを経て’75年に女優デビューし、現在に至るまでずっと第一線でご活躍なのは皆さんご存知の通り。
勿論、本作における松田優作×風吹ジュン×村川透監督の組み合わせが、角川映画の大ヒット作にして優作さんの出世作『蘇える金狼』へと繋がって行くワケです。
ついでに言えば『俺たちの勲章』第2話で優作さんをフルボッコにした黒人俳優=ウィリー・ドーシー氏が、本作でもインターポールの刑事役で優作さんと絡んでます。親交があったのかしら?
マジですか!!!!
見ます!!!
これは見ます!!!!