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☆VOL.1『こんな刑事いる!?』
(1989.12.2.OA/脚本=大川俊道/監督=一倉治雄)
「神奈川県警・港街署の美咲令子。動いたら容赦なく撃つわよ!」
真っ赤なパーティードレスに身を包み、バッチリよそ行きメイクを決めた美咲令子(南野陽子)が、鏡に向かって拳銃を構え、決め台詞を練習する場面からドラマは幕を開けます。
「ヘマしないわよ、今日こそ」
彼女が愛用するのは、S&W・M39デベルカスタムという中型オートマチック拳銃。グリップの一部がスケルトンになってて、弾倉を抜かなくても弾丸の残数が一目で確認出来るスペシャル仕様です。
新米刑事(しかもこの時点じゃ少年係所属)の彼女が、なんでこんなマニアックな拳銃を所持してるのか、説明は一切ありませんw
確かなのは1つだけ。脚本の大川俊道さん&銃器特殊効果のBIG SHOTさんという『クライムハンター』チーム(つまり好き者集団)が再結集した作品なんだって事ですね。
美咲はとある事件の犯人を逮捕すべく、カフェバーで開催されるパーティーに潜入しようとしてるワケですが、それを知った港街署の捜査課長=金子(伊武雅刀)は署長の水原(橋爪 功)に猛抗議します。
「いや、すまんなぁ。本人が是非にと志願したもんだからね」
「これは模擬訓練じゃないんですよ? 相手は警視庁が手に負えなかった凶悪犯なんですから!」
「分かっとるよ、そういう事は」
「いいですか? 美咲に出来るのは、動かない標的を撃つ事だけなんです。そりゃ射撃の腕は一流でも、刑事としては全く無能なんです!」
「その汚名を返上しようと、本人もね、一生懸命なんだから」
「あいつが一生懸命になればなるほど、必ずトラブルが起こるんです、必ず! 不吉なこと言わないで下さいよ」
主人公たちを目の敵にする上司が伊武雅刀さん、フォローする上司が橋爪功さんってなワケですが、お2人ともめっちゃ若い! 特に伊武さんのギラつき方はハンパじゃありませんw(ただし頭髪は既にレッドカードです)
美咲が捕まえようとしてるのは、新宿署管内で現金輸送車を襲撃、現金3億5千万円を強奪した上に警備員や警察官らを射殺し、横浜方面に逃走中のチョー凶悪犯=氷室修二(又野誠治、当時のクレジットは又野成治)。
繰り返しますが、美咲は少年係の刑事なんですw 細かいリアリティは気にせず、面白さ最優先のドラマ創りが出来た最後の時代ですよね。
美咲が潜入するパーティーは、氷室の元恋人=高野麻由美(相楽晴子)がウェイトレスを務めるカフェバーで開催されてるのでした。氷室が横浜に向かった目的は彼女しか考えられないってワケです。
すると仮面姿の大男が拳銃(実はパーティーグッズ)を持って登場したもんだから、美咲はここぞ!とばかりにデベルカスタムを構えます。
「警察よ、動かないで!」
ところが、その仮面と拳銃は余興のアトラクションだった。そうとは知らず大声で警察を名乗った美咲を見て、麻由美は逃走します。
麻由美を演じる相楽晴子さんは、ナンノさんを一躍メジャーにしたドラマ『スケバン刑事 II/少女鉄仮面伝説』に「ビー玉のお京」としてレギュラー出演されてました。
今回のゲスト出演は『スケバン刑事』ファンへのサービスと思われますが、もしかすると「美咲令子と容姿がよく似てる」っていう設定条件に合ったのが、たまたま相楽さんだっただけかも知れません。(ナンノさんが役作りの為に髪をバッサリ切ったら、相楽さんと同じ髪型になっちゃった)
「ああ、クビだわ今度こそ」
必死で麻由美を追いかけるも波止場で見失い、焦る美咲に何者かが拳銃を突きつけて来ます。
「高野麻由美だな」
その男こそ、後に美咲の上司となる沖田淳一(萩原健一)なんだけど、現時点ではお互いの顔を知りません。沖田は美咲を麻由美だと思い込んでるみたいです。
「氷室の仲間だ。心配すんな、助けに来た」
実は新宿署の刑事である沖田も、氷室を捕まえる為の潜入捜査をしてるのでした。
そこに、港街署捜査課の熱血刑事=城野 裕(織田裕二)が覆面パトカーで駆けつけます。やはり氷室を逮捕すべく麻由美を追って来たワケですが、彼の眼には美咲が中年の悪党に襲われてるようにしか見えません。
「美咲っ!?」
ここは沖田としても(潜入捜査がバレないよう)悪党を演じきるしか無く、美咲を車に押し込み、銃を向けて運転させます。かくしてカーチェイスが始まりますが、城野の覆面車は駆けつけた警邏課のパトカーと激突しちゃいます。
「馬鹿野郎っ!」
「何が馬鹿野郎だ! 刑事課だからってでけえツラすんじゃねえぞっ!」
城野に怒鳴り返したのは、制服巡査の虎田 猛(宍戸 開)。刑事課への昇格が半分決まっていながら、今は欠員が出るまで順番待ちの身分です。
「テメエの相手なんかしてるヒマねえんだ! 美咲がヤバい」
「なにっ?」
城野も虎田も港街署勤務ゆえ、美咲とは顔見知りで憎からず思ってる様子。虎田が城野の覆面車に乗り込み、2人で沖田の車を追跡します。
「この先は海だ。袋のネズミってワケだ、ハハハ!」
運転免許取りたての美咲が、あわや車ごと海に突っ込もうとするもんだから、助手席の沖田が慌ててハンドルを握り、車をスピンターンさせます。
「アクセル踏め! 踏みっぱなしにしてろっ!!」
そのまま走れば、追って来た城野の覆面車と正面衝突する事になりますが、沖田は構わず美咲に突っ込ませます。
「何が袋のネズミだ!?」
「よけろバカ!!」
結局、激突寸前に城野が急ハンドルを切って覆面車を横転させる羽目になり、沖田の車はそのまま走り去って行くのでした。
「よけやがって、臆病者が!」
「テメエがよけろって言ったんじゃねえか!」
この城野&虎田の若手コンビも、やがて美咲と一緒に沖田の下で働く事になります。
2人ともやっぱ若いんだけど、宍戸開さんが近年お父上(宍戸錠さん)そっくりに老けて来られたのに対して、織田裕二さんの容姿はほとんど変わってないのはさすがです。
さて、沖田は町外れのモーテルに美咲を連れ込み、目立たない服装に着替えるよう指示するのですが……
「動かないで!」
着替えを見物するワケにも行かず、沖田が眼を逸らしたスキを逃さず、美咲がデベルカスタムを構えます。
「何の真似だ?」
「神奈川県警・港街署の美咲令子。動いたら容赦なく撃つわよ!」
朝、鏡の前で練習して来た甲斐がありましたw
「あいつがデカですって?」
一方、署に戻った城野&虎田は、水原署長から沖田の正体を聞かされ、目が点になります。
「ああ、沖田淳一つってな。ま、信じられんかも知れんが、新宿署の捜査一課のデカだ」
「信じられませんよ、あんなムチャクチャな野郎がデカだなんて!」
署長もかつて新宿署に勤め、沖田と同僚だった時期があるのでした。
「まぁ沖田は当時新米で、かなりムチャクチャな事やったもんだけど」
「今でもメチャクチャじゃないスか!」
「そうですよ、まともなデカがどうして美咲を誘拐しなくちゃならないんですか!」
沖田淳一のキャラクターは、新宿・七曲署の早見 淳……すなわち『太陽にほえろ!』の初代新人刑事=マカロニ(萩原健一)の20年後をイメージして造形されたそうです。
『太陽』降板後は刑事役を避けて来たショーケンさんですが、中年(当時40歳)になってそろそろ刑事アクションに返り咲きたいと思ってた矢先に、この『あいつがトラブル』のオファーが来たんだそうです。
それだけに『太陽』マニアの私としても本作には注目しましたし、マカロニ刑事の頃と変わんないメチャクチャな拳銃の撃ち方が嬉しかったですw 署長役も竜 雷太さんか小野寺 昭さん(つまり七曲署OB)に演じて欲しかったですね。
それはさておき、新宿署は沖田の行動を一切関知しないと通達して来たらしく、恐らく彼に帰る職場はありません。
「沖田のヤツ、どうやらクビを覚悟で氷室を追ってるらしい……」
署長と同じく、かつて新宿署で沖田の同僚でありつつ犬猿の仲だった金子課長は、非情にも沖田の逮捕を部下たちに指示しますが、美咲を人質に取るフリをした沖田は、まんまと捜査網を突破。もちろん、それは美咲の協力があればこそ。
「美咲もやるもんだね、けっこう」
なぜか美咲に……と言うよりハミダシ者に甘い水原署長に、典型的なサラリーマン刑事である金子課長が、また食ってかかります。
「なに感心してるんですか? トラブルメーカーが2人一緒にいるんですよ!?」
「沖田も新米の相棒が一緒だったらあまり無茶やらんだろう」
「署長……そんな呑気なこと言わないで下さい。あの2人は、針の動き出した時限爆弾みたいなもんなんですよ?」
「そっか。あの2人、結構うまくいくかも知れんなぁ」
「署長ーっ!?」
金子課長がイライラする気持ち、解らなくもありませんw 規則に従って実直に働いてる者からすれば、好き勝手を許容されてるライバルの存在って、そりゃあ目障りに決まってます。
ましてや、針の動き出した時限爆弾が2つ、拳銃片手に街を暴走してるワケですから。氷室の運命やいかに!?w
(つづく)
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