ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『特別機動捜査隊』#001

2020-12-14 00:00:07 | 刑事ドラマ'60年代










 
『特別機動捜査隊』は1961年10月から'77年3月まで約15年半、NETテレビ(現テレビ朝日)系列の水曜夜10時枠で全801話が放映された、60分の刑事ドラマとしては最長寿を誇る番組。そもそも1時間枠の連続ドラマとして日本初の作品でした。

'59年に警視庁捜査一課で設立された初動捜査班をモデルにした架空の部署である「機動捜査隊」が、番組ファンだった当時の警視総監により正式名称として採用されたという逸話もあり。

『太陽にほえろ!』と肩を並べる名作『特捜最前線』の前身であり、アクション系刑事ドラマの元祖とも云われてます。また、刑事ドラマの代名詞と呼ばれた『七人の刑事』も同時期にTBS系列でスタートしており、1961年は刑事ドラマ史において非常に重要な年だったと言えそうです。


☆第1話『最後の犯人(ホシ)を追え』

(1961.10.11.OA/脚本=宮田達男/監督=関川秀雄)

しかし、私がこの作品を観ることになるとは思ってませんでした。『太陽にほえろ!』以前の刑事ドラマは正確に言えば「事件ドラマ」で、主役はあくまで事件でありその犯人や被害者=その回にしか出てこないゲストですから、感情移入しづらいんですよね。

だから以前は興味が湧かなかったんだけど、このブログで『太陽にほえろ!』を起点とする刑事ドラマの歴史を辿っていく内、『太陽~』より先に生まれた作品、すなわち『太陽~』の影響を受けてない刑事ドラマがどんなだったか、無性に観たくなって来ました。それを知らないと『太陽~』がいかに型破りな作品であったかをちゃんと解ってるとは言えないし。

そんな思いが募ってた時に、まさかの『特別機動捜査隊』DVD-BOX発売! 『太陽~』以前の刑事ドラマとしては『七人の刑事』と並ぶBIGタイトルだし、収録されてるエピソードはセレクション形式で初期から後期まで網羅しており、番組の歴史を俯瞰するにはもってこい。これは「買い」だとすぐに決断した次第です。

で、とりあえず1枚目のディスクに収録された5作品を観た感想は、映像や音楽がレトロ!っていうのは当たり前として、やっぱりこれは「事件ドラマ」だなと、本当の意味での「刑事ドラマ」はやっぱり『太陽にほえろ!』から始まったんだなと、あらためて納得した感じです。

確かに第1話はちょっとしたカーチェイスや銃撃戦が見せ場になってるけど、他のエピソードじゃアクションと呼べるシーンはほとんど無く、ドラマは犯人や被害者たちが中心に描かれ、刑事たちはあくまで傍観者でひたすら捜査(謎解き)あるのみっていう印象。

これは『特捜最前線』の前身というより、その後継番組である『相棒』の原点と呼んだ方が私にはしっくり来ます。やっぱり現在の刑事ドラマは原点還りしてるんですよね。

というより、これが本来の警察モノの在り方であって、『太陽にほえろ!』からしばらく続いた「刑事が主役のドラマ」こそが実はアウトサイダー。例えばアメリカ映画史の中にニューシネマと呼ばれる作品群があったように、ほんの歴史の1ページに過ぎないんだと捉えた方が正しい気がして来ました。それはその時期にしか生まれ得ないもので、だからこそ輝いて見えるのかも知れないと。

そんなワケで『太陽にほえろ!』式の作劇が感性に染み込んだ私からすれば、ひたすら捜査しかしない、説明台詞しか吐かない刑事たちは退屈で退屈で仕方がないんだけど、じゃあ観る価値は無いのかと言えば決してそんな事はありません。

なにせ1960年代、昭和中期の番組ですから、その当時の町並み、車、ファッション、ワードセンス、音楽など全てがレトロで、今となっては逆に新鮮! '72年スタートの『太陽にほえろ!』も初期はけっこうレトロを感じさせるけど、本作は更にその10年ちょっと前、私がこの世に生まれるより前の作品ですからね!

だけど当時の視聴者にとっては恐らく最先端のテレビ番組で、リアルな警察用語とか科学捜査の描写1つ1つが新鮮かつ刺激的だった筈。犯罪発生の瞬間をリアルに描くこと自体がそれまでタブーだったそうで、自分がもっと早く生まれてこれをリアルタイムで観たら、どう感じただろう? やっぱり『太陽にほえろ!』と同じように衝撃を受けて「どハマリ」したのかも? なんて考えながら観ると、それはそれで楽しかったりする。もはやストーリーなんかどーでもいいw

人間の描かれ方そのものが現在とは違ってて、特に男と女の関係、男尊女卑が幅を利かせた時代の名残りが色濃く残ってるのは、不愉快でありつつ妙に微笑ましかったりもします。あの頃、男はこんなに威張ってたというか、威張らせてもらえたんやなあってw

なにせ終戦からまだ15年ほどしか経ってない。こういうのを観ると、男ってヤツはつくづく戦ってナンボの生きものなんだと痛感させられます。平和な世の中においては種馬になること以外なんの役にも立たず、だから戦争は永遠に無くならないんだとか、色んなことを考えさせられます。

あと、後に大物になられる俳優さんたちの若き姿が見られるのもレトロ作品の醍醐味で、この第1話には強盗犯役で室田日出男さんと柳生博さんが出ておられます。

そして機動捜査隊の初期メンバーは、立石主任(波島 進)、橘部長刑事(南川 直)、荒牧刑事(岩上 瑛)、桃井刑事(轟 謙二)、岩井田刑事(滝川 潤)、松山刑事(松原光二)、山崎刑事(高島弘行)、内藤刑事(巽 秀太郎)、香取刑事(綾川 香)といったメンバー。

私が存じ上げる俳優さんは皆無ですw(生まれる前だから仕方ない) けれど立石主任を演じる波島進さんはテレビ草創期の番組『捜査本部』や『七色仮面』でも主役を張って来られた方で、やっぱさすがの存在感と安定感。細かい仕草1つ1つがキマッてて魅せてくれます。

ドラマはこの立石班が進めていくワケですが、撮影スケジュールが追いつかなくなったんでしょう、後に藤島主任(中山昭二)率いる藤島班、三船主任(青木義朗)率いる三船班、高倉主任(里見浩太朗)率いる高倉班、矢崎主任(亀石征一郎)率いる矢崎班、日高主任(葉山良二)率いる日高班が交代で進行役を務めるようにり、末期には木塚刑事(藤山律子)など女性刑事も登場するみたいです。

ちなみにDVD-BOXに特典として収録された'63年公開の劇場版『特別機動捜査隊』では安部徹さんが立石主任を演じ、内藤刑事役で千葉真一さんも出演されてます。










 

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『太陽にほえろ!』ノベライズ文庫版

2020-12-13 00:40:03 | コレクション


 
『太陽にほえろ!伝説』に続き、このたび小説版『太陽にほえろ!』も文庫化されました。筑摩書房ちくま文庫より税抜き900円で発売中!

収録エピソードは『マカロニ刑事登場』『時限爆弾 街に消える』『愛あるかぎり』『ボスを殺しにきた女』『13日金曜日マカロニ死す』『ジーパン刑事登場』『大都会の追跡』『マカロニを殺したやつ』『海を撃て!! ジーパン』『燃える男たち』『ジーパン・シンコ その愛と死』の10編。

おそらく放映当時に日本テレビより刊行されたノベライズを再録し、仮名遣いなどを修正しただけの内容と思われますが、巻末にこれまでありそうで無かった岡田晋吉プロデューサー&高橋(関根)惠子さんの対談が収録されてるので、とりあえずマニアはマスト・バイです。

スチール写真も数点掲載されてますが、今回はついにマカロニ刑事の写真ゼロ。萩原健一さんの肖像権を誰が握ってるのか知らないけど、いい加減にしろと言いたいです。いい加減にしろ!

それはともかく、DVDはおろか家庭用ビデオデッキすら無かったあの時代、TVドラマのストーリーやセリフを視覚で振り返る方法は、再放送を待つかノベライズを読む以外にありませんでした。

私が初めて購入した (というか親に買ってもらった)『太陽にほえろ!』グッズが、ノベライズの第9巻なんですよね。テキサス殉職からスコッチ転勤までのエピソードが収録された巻で、グラビア頁が加わったり表紙カバーのデザインが一新&全巻それに統一されたり等、ひとつの節目となった巻でした。

そりゃあもう、繰り返し繰り返し読んだもんです。各キャラクターの役名はノベライズで憶えたし、けっこう文章の勉強にもなった事でしょう。ジーパン時代から『太陽~』を観始めた私にとって、再放送が始まるまでマカロニ刑事は小説の中だけの人物でした。

DVDでいつでも作品を鑑賞できる今となっては、ノベライズの存在意義がいまいち不明だけど、リアルタイムで『太陽~』マニアだった我々にとってはノスタルジーそのもの。

また『太陽~』を観たことが無いけどストーリーを詳しく、出来るだけ安価で知りたいとおっしゃる方には超オススメです。んなヤツはおらんかw
 

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『こもりびと』

2020-12-11 00:55:09 | TVドラマ全般





 
2020年11月22日にNHK総合「NHKスペシャル」枠で放映された73分の単発ドラマ。このところNHKさんが力を入れておられる「#こもりびとプロジェクト」の一環で、深刻な社会問題の1つとなった「8050問題」の実態が描かれてます。

皆さんご存じでしょうが「8050問題」とは80代ぐらいの親が50代ぐらいの子供を養う、つまり中高年の「ひきこもり」がどんどん増えてる実態と、その親が亡くなった後も社会に出られずに餓死したり自殺しちゃう人もたくさんいる現実を指してます。

このドラマでは、松山ケンイチくん扮する40歳の「こもりびと」をずっと理解できず、理解しようともして来なかった父親の武田鉄矢さんが、ガンを患って余命宣告を受けてしまい、自分が死ぬ前になんとか息子を自立させようと奮闘する姿が描かれました。

この問題にはとても興味があります。私自身、もう10年以上前になりますが、ひきこもりをテーマにした映画の脚本を書いたことがあり、その為にいろいろ取材してみたら、ひきこもってる人たちと自分との違いがほとんど無いことに気づかされました。

むしろ、私なんかよりずっと真面目で、仕事を一生懸命やるタイプの人がひきこもりになり易かったりする。今回の松山ケンイチくんもそういう人物として描かれてます。

私はたぶん、彼らより少し不真面目で、彼らほど一生懸命に仕事しないから、ひきこもらずに済んでるのかも知れません。

武田鉄矢さん扮する父親は元教師で、教育熱心であるがゆえにケンイチくんを追い詰めてしまった。人は努力さえすれば何でも出来る、出来ないヤツは努力しない怠け者なんだ、ダメ人間なんだっていう価値観を悪気なく植え付けてしまった。

私の父親も教師だったけど、良く言えば放任主義、悪く言えば無関心で、そういうプレッシャーはほとんどかけて来ませんでした。私がひきこもらずに済んだのはそのお陰かも知れません。

いや、私がこれまでの人生で最も落ち込んでた20代後半の頃、もし実家にいたら「こもりびと」になってた可能性は充分にあります。その時は独り暮らしで、実家に戻る気はさらさら無かったもんだから選択肢が死ぬか働くかの2つしか無く、実は死ぬ気満々だったけど結局そんな勇気もなく、嫌々ながらまた社会に戻ったといういきさつがありました。ひきこもるか否かは、その時の状況にもよるワケです。

あの頃、何故そんなに落ち込んでたかと言えば、理想の自分と現実の自分とのギャップですよね。自分はもっと仕事が出来る人間だと思ってたのに、もっと人とうまく付き合えると思ってたのに、恋人もそのうち出来るだろうと思ってたのに、ことごとくそうじゃなかった。ドラマでケンイチくんがSNS上で「カチナシオ」と名乗ってたけど、私も自分のことを「生きる価値なし」とその頃は思ってました。

なのに今も生きてて、いちおう社会人でいられてるのは、どこかで「ああ、俺はこんなもんなんだ」「だからこの程度しか出来なくて当たり前だし、仕方がない」って、開き直ることが出来たからだろうと思います。

明石家さんまさんが「俺は何があっても落ち込まない。そんな立派な人間じゃないと諦めてるから」みたいなことを仰ったらしいけど、多分それと同じ心理です。

あんな「自分大好き人間」が自分を諦めてるの?って、矛盾を感じる方もおられるでしょうが、ダメな自分も全面的に受け入れた結果「自分大好き」になってるワケだから、実はちっとも矛盾してない。

私はさんまさんほど自分好きにはなれないけどw、今は別に嫌いでもない。あの頃は本当に自分を嫌ってました。たぶん「こもりびと」たちは皆、そういう状態から脱け出せないんだろうと思います。

ドラマでは、そうしてケンイチくんがずっと苦しんでることを知った鉄矢さんが、自分の死を目前にして、もう無理しないでいいから、そのままでいいから「とにかく生きてくれ!」と言い遺し、それを受けてケンイチくんが小さな第一歩を踏み出し……そうだけど時間はまだまだかかるだろうっていうw、そんな結末でした。

簡単に変われるようなもんじゃないにせよ、ケンイチくんに多大な影響を与えて来た鉄矢さんが「そのままでいい」って言ってくれたのは物凄く大きいと思います。ケンイチくんはきっと、少なくとも今までよりは生き易くなるでしょう。

だけど「こもりびと」が50代とか60代になると、たとえ一歩を踏み出す気になっても自力で社会復帰するのは難しい。そういう場合は支援団体を頼る道があるんだけど、こもりびとは「自分にそんな資格はない」って思いがちだから、親が亡くなったあと誰にも頼らず孤独死しちゃうケースが多いんだそうです。なかなか開き直れないんですよね。

世の中、人に迷惑をかけるヤツ、自分がトクするために人を陥れるヤツ、暴力や圧力で人を屈服させようとするヤツ等、クズ人間は無数にいますよ。そんなヤツらにだって生きる権利が与えられてるんだから、こもりびとがそんな遠慮する必要ないんです。頼れるもんはどんどん頼ればいい。

どうせこんな世の中です。人間なんてこんなもんです。それでも生きなさいって言うんだから、堂々と生きてればいいんじゃないでしょうか?

劇中、就職活動でさんざんパワハラやセクハラを受けたケンイチくんの姪っ子(北 香那)が言いました。「こんな社会でフツーに働いていられる人たちの方が、よっぽど異常かも?」って。ホントそうかも知れません。

というワケでポートレートは北香那さん。2009年から活動されてる若きベテラン女優です。
 

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『逃亡者』2020

2020-12-09 00:00:22 | 刑事ドラマ2000年~










 
2020年12月5日と6日にテレビ朝日開局60周年記念作品として2夜連続で放映された、テレ朝とワーナーブラザース・インターナショナルテレビプロダクションの共同制作によるスペシャルドラマ。

言わずと知れた'60年代のアメリカ産大ヒットドラマのリメイクですが、これはハリソン・フォード主演による映画版『逃亡者』('93) の日本製リメイクと言った方がしっくり来ます。そのまんまのシーンがいっぱいありました。となると比較しないワケにはいきません。

映画版でハリソンが演じた主人公に渡辺謙が、トミー・リー・ジョーンズが演じた捜査官に豊川悦司が扮するほか、夏川結衣、余貴美子、稲森いずみ、原沙知絵、前田亜季、杉本哲太、宇梶剛士、火野正平、三浦翔平、藤本隆宏etc…といった豪華キャスト陣が脇を固めてます。

結論から先に書けば、映画版の面白さには遠く及ばない凡庸な出来、と言わざるを得ません。もちろん私がハリソン・フォード信者であることは関係なく。いや、多少は関係あるかも知れないけどw、渡辺謙さんの演技は素晴らしかったと思います。

これはもう、創り手側が『逃亡者』という作品をどう捉えてるかっていう、根本的な問題じゃないでしょうか?

アメリカ映画版はスティーヴン・セガール主演のドンパチアクション『沈黙の戦艦』を大ヒットさせたばかりだったアンドリュー・デイヴィス監督が、そして日本のスペシャルドラマ版は水谷豊さんがただ突っ立ってひたすら謎解きをする刑事ドラマ『相棒』のメイン・ディレクターである和泉聖治監督が、それぞれメガホンを執られてる。そこの違いですよ!

つまり『逃亡者』をアメリカ映画版はアクション映画として、日本版はミステリードラマとして捉えてる。同じストーリーをベースにしながら、そしてそっくりなシーンがいっぱいありながら、創り手のアプローチが全く違ってるワケです。

日本版のスタッフは、なぜ映画版『逃亡者』があれほどの大ヒットを飛ばしたのか、まるで理解してないとしか思えません。

そりゃあ当時のハリソンは無敵の人気を誇ってたけど、スターのネームバリューだけで映画がヒットする時代は既に終わってました。しかも『逃亡者』なんて古典中の古典ですから新鮮味も無かった。

なのにあれほど大成功したのは、元はサスペンスと人情のドラマだった『逃亡者』を思いきってアクション物にアレンジし、そういうのを一番得意とする監督に撮らせたからに他ありません。

それを日本版はよりによって、あの『相棒』のメイン監督に撮らせちゃった。同じストーリーでも、そっくりなシーンがいっぱいあっても、アプローチが違えば仕上がりも全然違っちゃうワケです。(アクションの激しさやスケールの大きさじゃなくて、見せ方の問題。リズム的なもの)

日本版『逃亡者』は完全にミステリードラマでした。血沸き肉踊るような演出が皆無だし、BGMも辛気臭くて単調でまったく盛り上らない。まさに『相棒』そのまんまの雰囲気です。

そもそも大長編ドラマを2時間に凝縮させたアメリカ映画版に対して、日本版ドラマはその映画をベースにしながら倍の4時間に引き伸ばしてるワケだから、甚だしくテンポが悪い。普通は長くなった分だけ深くもなるんだけど、これは引き伸ばしただけだから逆に薄くなったように感じちゃう。

まぁ確かに、アメリカ映画版は細部をハショリ過ぎて話が解りにくい部分がありました。日本版はそこをじっくり描いてるから実に解りやすい。クライマックスには『相棒』よろしく事件のからくりを回想交えて細かに説明してくれます。

でもねぇ、アメリカ映画版がそういうのをバッサリ省いたのは、必要が無いからですよ。事件のからくりを説明することよりも、ドラマの流れを停滞させないこと、観客に爽快感を与えることを優先したからです。だから面白いんですよ! だから大ヒットしたんです!

分からない方が面白い場合だって多々あるんです。例えば日本版のトヨエツ捜査官は、クライマックスに入る前に「これこれこういう理由で渡辺謙は犯人じゃない!」って宣言しちゃうんだけど、アメリカ映画版のジョーンズ捜査官はそこを曖昧にしたままクライマックスに入っちゃう。もしかしたらハリソンを射殺しちゃうかも知れない不安をあえて残してる。その方がハラハラして面白いに決まってるし、最後に味方してくれた時の安堵感や爽快感も増すワケです。

なんでもかんでも解りやすく説明してやらなきゃ、日本のテレビ視聴者はついて来れないんだって、創り手が思い込んでるとしか思えません。バカにしとんかいっ?!

ドラマの面白さって、そういう事じゃないでしょう? 刑事ドラマのレビューでも再三書いて来たことです。だから今の日本のメジャー映画やドラマは観る気になれないんですよ!

今リメイクするなら今なりの、新しい何かを見せてくれるのかと思いきや、まさかの「30年近く前の映画を『相棒』風に味付けして4時間に引き伸ばしただけ」という……

そりゃあ、さすがに渡辺謙さんが主役ですから、その体当たりの熱演だけでも見応えはあるんだけど、だからこそもっとやりようがあったんじゃないの?って、私は思っちゃう。ほんと残念です。
 

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「友 直子 in 太陽にほえろ!'80」―2

2020-12-08 11:40:19 | 刑事ドラマ'80年代










 
「スコッチ復帰編」と呼ばれる『太陽にほえろ!』'80年春シーズンのナーコ(友 直子)には目立った活躍が無く、台詞もほとんどありませんでした。

したがって私がコメント出来るような材料も見当たりませんw 髪型が当時流行りの「聖子ちゃんカット」に近づいて来たことぐらいは分かるけど、ファッションにはとんと疎いもんで服装やメイクに言及することも出来ませんm(__)m

とにかく画像を観て頂いて、皆さんそれぞれの観点から、友直子さんの変化を見いだして頂ければ幸いです。

しかし、ナーコが写ってるショットは毎回どれも似たような構図になっちゃいますね。ポジションがポジションだけに撮り方が限定されちゃうから仕方ない。

次のシーズンではナーコが初めて屋外ロケに参加してくれますから、いつもと違った構図をお楽しみ頂けるかと思いますw
 

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