屯田物語

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薬を植えるひと

2020年02月22日 | 春を呼ぶ朝

「創立100年史記念号」の昭和26年ページに逍遥歌制定のことが記されていました。
旭川東高生逍遥歌は作詞:大村正次(生徒会指導主任) 作曲:後藤功(三年生・初代応援団長)であったことはすでに公知だったようです。
ただし、みなさんに周知されなかったのは残念ですね。

 画像及び文は東京在住の同期・菊地勝昭君から頂きました。

「氷を砕く人」「御手」「検温器の憂鬱」「起きあがる」「薬を植えるひと」の「御手」篇におさめられた五篇の詩は重篤な病いに臥した正次を懸命に看病する母への感謝と敬愛の表れでありました。
「御手」とは”母の手”なのです。
それ故、逍遥歌五番の歌詞に大村先生の心情を感じてくるのです。

  大村正次著「春を呼ぶ朝」―御手―

 薬を植えるひと

かなしき母
いまは死身になり
ひそかに魚塩を断ち
観世音くわんのん祈願ちか
観世音くわんのんの御利薬を給ふゆゑ
吾も信じて呑むなり。

ある日
裏庭に土を掘り
醫師くすしの薬を植うる
母のうしろ姿
ねながらにおがみたる。

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