いつも同じような写真でごめんなさい。朝起きて、シャッターを開け、窓を開け、朝の空気を吸いながらしばし眺める東の景色です。太陽が朝もやにかすみ、遠くになだらかな山山、小さい木立ちのシルエットはうちの村の鎮守さま、電線にカラスが二羽とまって鳴き交わし、また一日がはじまります。
こちらは同じ時間に窓から撮った裏山です。去年今年と竹を切って、てっぺんまで見通しがきくようになりました。いまコスモスが咲き、あとひと月たつとクヌギやコナラが落葉します。
風がなく、秋の空気は息をひそめるようにじっとしているのに、なんの前触れもなく高い枝から一枚の葉が落ちてくる。めずらしくない秋の景色なのに、去年の秋、しずかに落ちてくる一枚の葉を見て、天啓のように自然がぼくのなかに入ってきました。
ありふれた田舎の景色です。そう。ありふれているからいい。そんな景色にかこまれて今年の秋も暮れていきます。
犬を散歩させていつも通るとなり村の人が教えてくれました。
「うちの畑はイノシシが出て荒らしたけど、夜、畑にラジオをつけておいたらイノシシもアライグマも寄って来んみたいや」
そこで畑のそばの家に話して了承してもらい、ラジオを買いに行きました。そのおじさんの「これくらいの広さの畑なら、あっちとこっちと二台あるほうがええな」というアドバイスにしたがって。ビニールにくるんで濡れないようにして。夜の8時になったら畑に行ってラジオを置いてこようと準備万端。
ところが夕食が終って8時過ぎには眠くなります。そしてそのまま寝てしまいます。
いまから軽トラで畑に行くのは面倒だ。ラジオは明日の晩からにしよう。
そう思って三晩過ぎてしまいました。今夜こそ行くつもりです。