古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

「こんな奇跡的なサヤがあるのよ!」

2011年10月28日 01時25分37秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
                
 ぼくはウッドデッキで大工仕事をして畑にこの数日行ってません。道子さんが畑で落花生やサツマイモを掘り、小豆のサヤを収穫して暗くなる頃に帰ってきます。先日道子さんが「こんな奇跡的な小豆があるのよ」と見せてくれたのが写真のサヤです。小豆はサヤがだらだらと実が入り、枯れていきます。大豆みたいに全部の葉が落ち、サヤが枯れ、豆がはじけて落ちる、という実り方をしません。だから七分くらい枯れたところで刈り取って収穫するようです。
 しかし我が家では枯れたサヤを順次とっていく収穫方法です。道子さんだけがやるのですが。このサヤのどこが奇跡的かって? ムシが入っていないのですよ。一匹も! 
 無農薬で小豆をつくると、全部のサヤにムシが入ります。アズキノメイガが卵を生みつけ、それが幼虫となって茎に入って食い荒らして枯れさせ、サヤに入ってやわらかい、おいしい小豆を食い散らかします。例外のサヤは一つもありません。人間なら見落としますがムシは見落としません。だから無農薬で小豆をつくるのは、ほんとに絶望的な仕事です。
 それでも収穫できていたのは、小豆は一つのサヤに豆が5個も10個も入ります。そのサヤを開け、ムシ食いをのけて収穫していたからです。ところがムシ食いでないサヤがいくつもかたまってついている。いままで考えられなかったことが小豆のうねで起こっている。それが「奇跡的」だというわけです。わかっていただけましたでしょうか。
 なんでそんな奇跡が? あの青い4ミリの防風ネットのお陰なんですよ。それと道子さんの日々の精進。彼女は毎日防風ネットの内側に入り、昆虫を捕る網でアズキノメイガという蛾をとり(防風ネットの中だと捕りやすい)、あるいは葉にとまった蛾を両手で叩きつぶし、葉や茎を点検して幼虫の入った茎やサヤを排除し(たくさん糞をするからわかります)、アセビの煎じ薬を散布し、どれだけの時間と労力をかけたことか。
 アズキノメイガの幼虫は実に移り気でぜいたくです。一つのサヤを全部食べつくして他のサヤに入るのならまだ許せますが、サヤの三つか四つの豆を食べると、いっぱい糞を出して、次のサヤに移ってまた食い散らかします。
 でも無農薬小豆でつくった赤飯は、そりゃーうまいですよ。ほんとうの小豆のうまさは、赤飯で味わうべきでしょうな。老舗の和菓子といっても小豆のうまさより砂糖で甘ったるくしてあるだけだったりして。
 今年はじめて張った防風ネットは完璧ではありませんでしたが、地上150センチ以下を飛ぶアズキノメイガを排除するのにかなりの成果はあったようです。カマキリくんもこの網にとりつくとバッタを捕まえやすかったようでよく止まっていました。うちは魚とか草食系中心の食事をしますが、畑ではムシを食べてくれるカマキリ、テントウムシ、蛙など肉食系の動物を応援しています。あっ、ヘビは応援してませんけど。
 以上、小豆を食べるだけのワタクシが現場から報告いたしました。
コメント
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