大工仕事が一段落したのできのうは畑仕事に復帰しました。まず午前中は、98歳の母・妙子さんのために竹を用意しました。裏山の竹を切ればいいけれど、太くて、切り倒しても枝を妙子さんの仕事場まで運ぶのがえらい。そこで電柱二本分、山のほうに行って、細い竹のブッシュから切り出しました。でも竹がないと退屈する妙子さんは、竹があるとすごく張り切って、10数本分の竹の枝くらい一日で細かく切ってしまいます。
作業をしながら考えました。老いた母のために竹の枝を集める孝行息子の童話を。「むかし、あるところに、100歳ちかいおかあさんのために、竹を切って枝を集める孝行じいさんがいました。ある日、いつものように竹やぶに入っていくと……」高齢化童話だね。ハハハ。
さて午後は畑に行ってまず大豆を干しました。去年は木を抜いて稲木に干しました。でも『サチユタカ』はサヤはびっしりつきますが、木の丈が低く、稲木に架けてもよく落ちてしまいます。そこで今年は草刈り機で根元を切りブルーシートの上で干すことにしました。15キロ超とれれば味噌づくりと煮豆はできますから、なるべく労力をはぶくことにします。
それからサツマイモのツル(半乾きの)や落花生の葉を燃やし、安納芋を掘る作業にかかりました。となりのイチゴのうねをみると、まだ本植えしていませんが、だれかが荒らしたような形跡があります。何も植えてないところを掘るなんて、アライグマの仕業ではないし、犬や猫の足跡もないし、だれだろう。足型を見るとくっきり残っていました。イノシシです。
前の日は、道子さんの実家のお寺で『報恩講』があり、尼崎に出掛けていました。帰ってきたときはもう暗く、疲れていたので、「きょうはラジオは置きにいかなくてもいいことにしよう」。でも動物は例外を認めません。イノシシは、山からおりてきて、うちの前の道を通り、畑に来たのです。きのうまで足型がなかったのはラジオが効いていたのです。うちの畑はミミズが多いので鼻で掘って食べたのです。やっぱりラジオは毎晩つけておかねばなりません。いまは日が短く12時間以上つけておくことになります。電池は一晩で充電が必要になります。でもがんばることにしましょう。
安納芋は大きくなっており、よくできていました。でも横にはみだす行儀のわるいでき方で、備中鍬で掘るとヒットしてしまうことがあります。16株掘りましたが、一汗どころか三汗くらいかきました。あとナルトキントキが数株残るだけ。例年サツマイモ掘りは娘たちがやってくれるのですが、今年は雨が多く、その機会を逸していました。これで芋掘りはおしまいです。
今年レンゲ畑にした大豆のうねに、いまレンゲがいっぱい生えています。そのまま播き足して来春もレンゲ畑にしようか、と思いましたがやめました。孫たちにレンゲ畑を! と思うのはおじいちゃんおばあちゃんだけ。「いっぱい咲いたからレンゲ畑に入ってもいいよ」とこの春孫たちに声を掛けたら、ほんの少し入って遊んだだけ。われわれのノスタルジーでした。そういえば、案山子もつくろう、と思ってたけど孫たちはその気なし。
自分たちの郷愁を押しつける年寄りにはならないでおこう、と自戒しています。