フランス在住の中国人監督が撮った映画、『小さな中国のお針子』を観ました♪
原作は「バルザックと小さな中国のお針子」という、この映画の監督、ダン・シージエ自身が自分の体験をもとに書いて、ベストセラーとなった小説です☆
一冊の本がひとりの人間の一生をも変える力を持つことがある。
本好きには魅力的なこの言葉♪
物語は文化大革命時代の中国で、「再教育」のために、山奥の村に連れてこられた二人の青年が主人公。危険と隣り合わせのちょぴりほろ苦いラブストーリーになっています☆
強制労働のような過酷な生活の中、ふたりは美しいお針子の少女と出会います。村人の監視をかいくぐり、文字も読めない文盲の彼女に、禁じられている本を読んで聞かせる二人。
もとろん彼女と一緒にいたいというのもありますが、一応知識階級出身ということで、二人の青年には、少女を自分達の手で文学の素晴らしさに目覚めさせたい、という気持もあります。
二人の青年と、そして「バルザック」をはじめとするたくさんの作品と出会ったことで、しだいに文学だけでなく、自分自身に目覚めていく文盲の少女。
文化というものが人間にいかに大切かってことを深く感じました。
もちろん、ラブストーリーも忘れちゃいません☆ お針子のことが好きなんだけれど、見つめていることしかできなくて、親友の子供を身ごもってしまった彼女のために、必死で駆け回るもう一人の青年の姿がすごくいいんです! 愛しているからこそ、彼女に愛されることを望んではいけない。このものすごい葛藤! 彼が大人になってから親友と二人で語り合う場面があるんですが、「僕らは二人とも彼女を愛していた。ただ、お互いに愛し方が違っていただけさ」みたいなセリフがあって、ちょっとジーンときました☆ しかもその親友は彼女の妊娠のことは知らないんです。
やがて、そんな二人に別れも告げず、お針子の少女は故郷の村を捨て、家族も捨てて都会に出て行こうと決心します。
一冊の本との出会いが、彼女の人生を変えてしまった!
それを知った二人はその後を追うのですが…
本を禁じられるなんて、とても我慢できそうにないけど、禁じられているからこそ、必死になって読むってこともありそう☆
とにかく、この映画を観て、とっても「バルザック」が読みたくなりました♪
終わり方も、やっぱりどこかほろ苦い終わり方です。でも、私は好きかな☆