上善如水

ホークの観察日記

空気を読む

2009-06-19 22:16:43 | 日記・エッセイ・コラム

毎月1回、会社の朝礼当番が回って来ます。

小さな工場なので人数はたいしたことないのですが、何か一言しゃべってから、大きな声で全員の服装点検を行うのが当番の仕事。

この、「何か一言」がなかなかクセモノなのです。

基本的に何をしゃべってもいいので、仕事上の要望だけではなく、家庭での出来事や時事問題、趣味や天気のことなどさまざまなことをみんなしゃべるのですが、朝はみんな忙しいこともあって、短いほど喜ばれます。

今日はその当番の日。

一応あらかじめ話す内容は決めて、1分くらいで済まそうと思って望みました。

いつもは全体で10分くらいの朝礼。

ところが、今日に限って上司の話が長い…

最近製品の不良が多いとか、ダラダラとグチ(?)が続く…

しかも、やっと終ったと思ったら、いつもは「連絡事項はありません」としか言わないおじさんが、とうとうとしゃべりだして…

おいおい、もう15分すぎたよ………

人前で話すと緊張するので、練習までしたのに…

しかし私は空気を読む男です。

みんなの気持ちは伝わって来ました。

「はい、では今日の朝礼当番」

「おはようございます。今日も暑くなりそうなのでみなさん水分補給はしっかりしましょう。では服装点検を始めます」

………10秒かかりませんでした。

ちなみに話そうと思っていたのは、上前淳一郎さんの『読むクスリ』という本に出ていた内容で、「地獄と極楽の違い」というお話。

地獄も極楽も似たような所で、広い部屋の真ん中に大きな釜が置いてあって、うどんがゆでられている。

その周りを人々が取り囲んでいるのだけれど、みんなの持っている箸は1mもあり、うどんはつまめても口には運べない。

地獄では人々はみんな自分の箸で何とか食べようとするので、結局誰もうどんを食べられなくて苦しんでいる。

一方極楽では、お互い相手に食べさせようとするので、1mの箸でもみんながうどんを食べることができる。

という内容。

仏教の説話らしく、京セラの会長さんが円福寺の老師から聞いた話として紹介されていました。

職場も同じ、自分の仕事のことだけではなく、何事も協力してやりましょうと、しめくくるつもりだったのに………

こんなこともあろうかと、一応10秒バージョンを考えておいてよかった。