上善如水

ホークの観察日記

『第2図書係補佐』

2012-04-06 21:06:16 | 本と雑誌

 車で走っていると、玄関先で真新しい学生服を着た息子の写真を撮っている親子を見かけました。

 きっと中学の入学式かな。

 まだまだ制服に着られているって感じの男の子が初々しかったです☆

 世間では入学式、入園式の季節なんですね。

 子供たちがどんどん成長しているっていうのに、自分は去年より成長できているのかな?

 

 お笑いコンビ「ピース」のボケを担当している又吉直樹の綴った本、

 

『第2図書係補佐』 (幻冬舎よしもと文庫)

 

を読みました。

又吉 直樹
幻冬舎
発売日:2011-11-23

 

 

 

 

 

 

 

 読書家というよりも、本好き芸人という言葉の方がしっくりくるかな(ホメてます♪)

 巻末で、作家の中村文則さんと対談しているのですが、その中で中村さんの発言した「本をたくさん読む人は心の中に変な海ができる」という言葉にすごく共感できました。

「変」かどうかはともかく、本を読めば読むほど、その人の中に海のようにたまっていくものがあると私も感じています。その海の中で何かが生まれる…

 それは発想だったり、苦悩だったり、ひらめきだったり、底力だったりするわけですが、脳の中で神経細胞がお互いに結びついてネットワークを作るように、心の中に知識のネットワークを作ってくれる。

 知識というか、引き出しというか、選択肢というか、自由の度合いとでもいえるもの。

 こんな考え方もある。

 こんな生き方もある。

 ま、確かに物語の登場人物ってかなり「変」な連中が多いから、いい影響ばかりとはいえないけれど(苦笑)

 

 本の内容は、本の紹介というより、その本に触発されて思いついたことを綴ったエッセイのような物。

 それなのに不思議とその本が読みたくなってしまう♪

 純文学が多いですが、カフカやカミュ、吉本ばななに笙野頼子の作品にも触れています。

 芸人として売れていなかった腹ペコ時代とか、幼少期の思い出とか、楽屋で見せる売れっ子芸人たちの生の姿とか、紹介されている本だけじゃなくてエピソードそのものも面白い☆

「エンジェルを燃やすから」といきなりライターを借りに来た小学生時代の同級生の女の子とか、「又吉く~ん、あ~そ~ぼ~」と呼びに来た友達に「わしが又吉(苗字)じゃ~」と言いながら出てくる親父とか(笑)

「ピース」のコントをまた見たくなりました♪