ロイド・アレグザンダーの作品。
『木の中の魔法使い』(評論社)
を読みました。
あー、楽しかった♪♪
同じ作者の「プリデイン物語」のファンなので、ずっと読みたい読みたいと思っていたのですが、図書館を利用するようになって、ようやく見つけたんです!
この間の「コルと白ぶた」「フルダー・フラムとまことのたてごと」に続き、なんてラッキー!!
物語は主人公の女の子マロリーが、森の中で木の中に閉じ込められている自称「魔法使い」の老人を助け出すところから始まります。
この魔法使いがいい性格してる♪
マロリーが「魔法使い」と聞いて、想像力豊かに物語のような展開を期待しているのに、夢を打ち砕くようなことを平気で言うわ(苦笑)、お前さんの問題はお前さんで何とかしなさい、と突き放すわ、もう偏屈なジイさん!
両親を熱病で亡くしたマロリーは親戚(?)の家でこき使われていて、殴る蹴るが当たり前の仕打ちを受けているのに、どこか芯が強くて、けっこう勇敢というか後先考えない。
それでもやっぱり大人にはかなわなくって、危険な目に何度もあいながら、何とかこの老人を助けようと必死で奮闘します!
魔法使いはみんな他の世界(?)に行ってしまった、という設定は、どこか「指輪物語」のエルフの話を彷彿とさせました。
ケルトやウェールズの神話にそういうのがあるのかな?
魔法使いが登場する割りには、悪人がけっこう卑劣で、マロリーをいじめる欲張りで自己中なおばさんは、何度ひっぱたいてやりたくなったことか!
魔法で何でも解決できないのが歯がゆくって、それだからこそグイグイ物語に引き込まれてしまいました。
ファンタジーなんだけれど、人間の性格付けがハッキリしていて、社会の縮図を見ているよう。いるよね、こういう人。あるよね、こういうどうしようもない状況。という感じ。
非力な女の子と老人がさんざん苦労し、読んでいるこっちはハラハラしますが、最後はスッキリ。やっぱり物語はこうこなくっちゃね、というラストでした。
あー、面白かった☆