前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
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(一服ざる)

オルフ『カルミナ・ブラーナ』(インマゼール指揮)

2018-06-02 23:44:51 | クラシック音楽
ヨス・ファン・インマゼール指揮の
オルフ『カルミナ・ブラーナ』を聴きました。


インマゼールは何かで名前を見たことがある程度で演奏を聴くのは初めてです。

古楽器、ピリオド奏法、弦楽器奏者28名、合唱36名、少年合唱15名という
少数精鋭の『カルミナ』です。


インマゼール曰く

「昨今の慣例では、カルミナ・ブラーナは弦楽器過多の
 巨大編成オーケストラで演奏されるのが常ですが、
 オルフの楽譜をよく読み解いてゆくと、弦楽器の役割は
 むしろ控えめであったことに気づかされます。」
 (ライナーノーツより)

もともと管楽器、打楽器が目立つので、弦楽器は意識していませんでしたが、
古楽器のせいか全体に澄んだ音で、普段気づかない楽器の音まで
よく聞こえます。

何よりピアノが目立ちますね。もともと2台あるわけですから。


「血沸き肉躍る演奏じゃないと『カルミナ』じゃない!」
という方にはお勧めできませんが、私は結構気に入りました。

ソリストは、特にバリトンの表現力が素晴らしい!
ほとんど「演技」のような、動きながら歌っている姿が目に浮かぶ。



指揮:ヨス・ファン・インマゼール
管弦楽:アニマ・エテルナ・ブリュッヘ
合唱:コレギウム・ヴォカーレ・ヘント
少年合唱:カンターテ・ドミノ

ソプラノ:ソ・イェリ
テノール:イヴ・サーレンス
バリトン:トーマス・バウアー


『カルミナ・ブラーナ』は好きな曲ですが、
どこか「素人向けの、わかりやすい音楽」という、
ちょっと"見下した感"が正直ありました。

インマゼールは解説の中でそのことにも触れており、
単純か難解かが曲の良しあしを決める判断基準ではない、
ということを語っています。
逆に、管弦楽の組上げ方は桁外れに素晴らしいとも。



『カルミナ・ブラーナ』のCDは、レヴァイン&シカゴ響盤のほか、
室内楽版(ツェツィリア・リディンエル=アリン指揮)、
ピアノ独奏版(エリック・チュマチェンコ)など持っているのですが、
どのように聴いても、やはりいい曲です。

もっと大胆なアレンジ版とかがあってもいいかもしれませんね。
そういったチャレンジに耐えうる"傑作"ですから。


それから、何度聴いてもレヴァイン&シカゴ響盤のテノール、
フィリップ・クリーチの第12曲「かつて私は湖に住んでいた」は
本当に素晴らしい!!
CDのレビューとかでもあまり触れられていないのですが、
この1曲だけでも、十分聴く価値がある。


生演奏を聴きたくなってきました。