前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

映画『シン・ゴジラ』 (横須賀地方隊サマーフェスタ2016)

2016-08-07 12:24:39 | 舞台・映画など
各方面?から絶賛されている、映画『シン・ゴジラ』を観てきました。


この日(8月6日)は、まず横須賀海上自衛隊の「サマーフェスタ2016」に
行ってきました。

護衛艦「いずも」「たかなみ」「てるづき」や、砕氷艦「しらせ」を見学、乗船。

護衛艦「いずも」

こちらはパトリオット。



で、こっちは南極にいる皇帝ペンギンの模型(HITACHI寄贈)。
なんと実物大! デカイ!!

今日一番の衝撃。

で、海自のTシャツ。



こちらは関係ないけど、以前に習志野駐屯地で買った空自Tシャツ。

玉職人じゃないよ。


日本の安全と平和を守る自衛隊に感謝の念を抱きつつ、映画館、T・ジョイPRINCE品川へ。


ニッポン対ゴジラ 現実対虚構

面白い!! そして、感動!!!(以下、若干ネタバレあります)

全く予備知識を入れずに観に行ったのですが、予想の斜め上?を行く展開。


未知の巨大生物=大規模災害に直面した時の政府(官僚)の右往左往。
海から上陸し、形状を変えて品川に迫る巨大生物(「ゴジラ」と命名)。
(呉爾羅 → Godzilla → ゴジラ)

自衛隊への攻撃命令を出すまでの逡巡と緊迫感は日本ならでは。
横須賀の海自を見学した後だったので感慨もひとしおです。
(で、今、観ているのが品川ですからね)

そして一度海に戻り、再度変形を遂げて再上陸するルートは、
まさに横須賀から品川に向かう際に使った、横須賀線ルート?


ゴジラといえば、放射能の問題をどう扱うかが難しいところですが、
今回は新しい解釈です。

東京のど真ん中にいるゴジラを核攻撃で消滅させようとする国連軍と、
血液凝固剤で凍結させようとするオタク集団?の日本政府の対策本部。


決死の「ヤシオリ作戦」を開始する際の、自衛隊員に向けて叫ぶ
矢口特命担当大臣の檄には、思わず涙がこぼれました。

  ちなみに 
  「ヤシオリ」とは、ヤマタノオロチを退治するために飲ませたお酒
  「八塩折之酒」からきているとのこと。


そしてなんといっても伊福部昭の音楽。
ゴジラのテーマはもとより、自衛隊攻撃の際の宇宙大戦争のマーチはやっぱ萌える!!

出演者については、石原さとみ(の役柄?)に違和感を感じる人が多いようですが、
私はその「違和感」こそが、今の日本とアメリカの関係を象徴しているようで、
ありだと思いました。


庵野総監督といえば、言わずと知れたエヴァンゲリオン。
エヴァはそんなに詳しくないのですが、そんな私でもわかるエヴァネタ?。
炎をバックに立つゴジラはまさにエヴァ初号機のよう。
あと音楽ね。


ネットを見ると、国内の盛り上がりに比べて海外?の評価は芳しくない様子。
でもそれは当然であり、それでいいのだと思います。

これは完全に、日本人による日本人のためのゴジラです。

  日本はまだまだやれる
  破壊され再び立ち上がる度に、日本は強くなる

そういった台詞(メッセージ)が散りばめられています。


そしてラスト。都心に固まったままのゴジラの姿。

  日本はゴジラと共に生きていくことを選択したのだ

それは、核(原発)やアメリカ(在日米軍)や、この国の政治体制を意味しているのでしょうか。


奇しくも今日(8月6日)は、広島に原爆が投下された日です。

いろいろな意味で考えさせられ、そして何も考えずただただ観て面白い、
そんな「傑作」だと思います。


早くもう一度観たい!
(ソフトを買ったら繰り返し観る映画でしょう)


ツボにハマった人続出(うちの奥さんも!)の「無人在来線爆弾」こと京浜東北線に乗って
帰途につきました。


総監督・脚本・編集:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
撮影:山田康介
音楽:鷺巣詩郎、伊福部昭
美術:林田裕至・佐久嶋依里


★追記

対策本部の事務局長に任命された矢口が、
(自分自身も含めた)メンバー達の不眠不休での働きぶりに対して、
自嘲するように言葉をかけるシーンがあります。

  帰って休めといっても帰らず、家族がいるから帰っても
  またすぐに戻ってきて仕事をする・・・

日本人の働きすぎは、欧米諸国をはじめ他国からは異常にみられます。
政府(厚生労働省)も労働時間を削減させるために、
いろいろと法整備をしたり、企業に罰則を設けたりと手を打っています。


でも、戦後の復興を成し遂げ、そして今も日本を支えているのは、
こういう「働く人たち(働きすぎる人たち)」なんだと思います。

警察官や消防官、自衛隊員など、日々命の危険に晒されている業務ではなくとも、
時には身を削ってでも、命をなげうってでも職務を全うしようとする、普通の人々。


本編とは直接関係ないこのシーンをあえて入れたのは、
そんな、裏方で目立たない、でも自分の職務を全うしようとする(してきた)人々への
尊敬と感謝の念が込められていたのではと、感じます。

印象に残る、そしてグッとくるシーンでした。


★追記2
本日(8月11日)『シン・ゴジラ』2度目の鑑賞。
前回と同様、矢口特命担当大臣の自衛隊員らへの演説シーンで落涙。

品川では売り切れで買えなかったパンフレットをゲット。