前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

第14回恵比寿映像祭(東京都写真美術館)

2022-02-16 23:50:06 | 美術関係
第14回恵比寿映像祭に行ってきました。
前回観に行ったのが第9回(2017年)でしたので5年ぶりです。



平日で時間指定されていたせいか、ほとんど人はいませんでした。
規模も昔(コロナ前)に比べてかなり縮小された感じです。


<スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE>



パンタグラフ《ストロボの雨を歩く》



山谷佑介《Doors》



小田香《muse》シリーズ
生贄として捧げられた少女たちの像を描いたもの



佐藤朋子《オバケ東京のためのインデックス 序章 Dual Screen Version》



ひらのりょう《Krasue(ガス―)》


久しぶりの恵比寿映像祭で、やはりワクワクしました。
てもまだまだ「コロナ禍」真っ只中。「スペクタクル後」と呼ぶには程遠い現状。
正直、今回のような作品をじっくり考えながら楽しむ(心の)余裕がまだなかったことに気づかされました。


東京都現代美術館

2021-11-27 16:17:41 | 美術関係
東京都現代美術館は今までに何度も訪れていましたが
大規模改修工事のため2016年5月30日から2019年3月28日まで休館でした。
リニューアルオープンしたらまた行こうと思っているうちにコロナ禍が。
ようやく再訪することができました。



アルナルド・ポモドーロ「太陽のジャイロスコープ」
以前は外に設置されていましたが1階アトリウムにあります。


今回「Journals 日々、記す vol.2」と題して収蔵品が展示されていました。
企画展のチケットがあれば無料で観られます。


大岩オスカール「オリンピアの神:ゼウス」



クリスチャン・ボルタンスキー
左「死んだスイス人の資料」
右「D家のアルバム、1939年から1964年まで」



宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」

東京都現代美術館を代表するコレクションの一つ。
1728個の赤色のデジタル・カウンターがそれぞれ異なったスピードで1から9の数字を表示し続けています。



東京都現代美術館は広大な敷地を贅沢に使い、展示室も広くて天井も高いためとても解放感があります。
訪れるだけでワクワクしますし、と同時に癒されもします。








どこを切り取っても「絵」なる美術館ですね。


地下1階の「水と石のプロムナード」も一つの作品として眺めることができます。
この"水と石と光の景色"、東京オペラシティ(新国立劇場)の地下空間に似ているなあと思ったのですが、
どちらも建築家・柳澤孝彦氏の設計とのこと。






"木場"という、少し都会の喧騒から離れた場所にあるのもいいんですよね。
本当に素晴らしい美術館です。

『ユージーン・スタジオ 新しい海』(東京都現代美術館)

2021-11-26 00:14:29 | 美術関係
東京都現代美術館で『ユージーン・スタジオ 新しい海』を観てきました。



ユージーン・スタジオは寒川裕人(1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで
平成生まれの作家が東京都現代美術館で個展を行うのは初めてだそうです。



〈ホワイトペインティング〉シリーズ

唯の白いキャンバスに見えますが人々の接吻が重なっているそうです。



海庭

ガラスと鏡で囲われた一部屋にきれいな水が湛えられています。
海庭であり海底であり 臨界であり臨海であり





私にはすべては光り輝いて映る

特殊な加工をした真鍮に油絵具やオイルパステルなどを用いて色やモチーフが描かれています。
光り輝く「私(真鍮)」に作品の外側にあるものが映ることで成立する作品とのこと。

真鍮は最初、金箔かと思いました。琳派の作品のよう。



私は存在するだけで光と影がある

紙に塗布した翠色の水性染料が自然光で退色しグラデーションが生じた作品。
紙を折り曲げて多角柱にし、立てて太陽光に曝したそうです。

平面と立体 光が当たる面と当たらない面(光と影) 発色と退色



善悪の荒野

映画「2001年宇宙の旅」(1968年)の終盤に出てくる部屋を再現し、
それを破壊、焼失させたオブジェで再構成したもの。



こちらが映画の場面






ゴールドレイン

金箔と銀箔の粒子が雨の様に擦り注ぎます。


現代○○、コンテンポラリー○○と呼ばれるものは、絵画であれ音楽であれダンスであれ、
ジャンルを問わず「言葉」で説明されなければ、その作品の意図が分からないものもが多いです。
というよりも殆どがそうかもしれません。

本展の作品もそうです。
ここに書いたものも、後でパンフレットの内容を要約したものです。

ただ、会場では解説などは読まずに観て回りました。
作者の意図は分からずとも、というより意図がわかる必要もなく
美しいなあと感じたり、息を吞むような緊張感やハッとするような驚きなどを感じさせてくれる作品、
現代アートもあります。

本展はまさにそういう展覧会でした。
平日で人も少なく、ゆっくりと作品空間に浸れたのもよかったです。

MA2 Gallery 『中世装飾写本と像刻|前川秀樹』

2021-10-16 15:00:09 | 美術関係
恵比寿にあるMA2 Galleryで
『中世装飾写本と像刻|前川秀樹』を観てきました。
ギャラリーですので、全て"売り物"なのですが。

以前に国立西洋美術館「ゴシック写本の小宇宙」で観たのと同じく
中世装飾写本の零葉(写本として綴じられていた頁を切り取ったもの)と
現代の像刻作家、前川秀樹さんの作品が展示されていました。



MA2 Gallery(恵比寿駅から徒歩10分ほど)



写本と像刻が並んで飾られています。



中世金彩装飾時祷書の零葉(1460年頃)
詩篇85:4
私たちの救いの神よ、私たちのもとにお帰り下さい。私たちのための苦悩を静めて下さい。



装飾的なベネディクト会の典礼書の零葉(1520年頃)






フランス中世初期の聖書の零葉(1250~1275年頃)



中世金彩装飾時祷書の零葉(1475年頃)
聖アントニウスと豚






流木を使った像刻(前川秀樹作)


中世装飾写本は皆「羊皮紙」に書かれています。
およそ13世紀~15世紀に制作されたもので、どれも貴重なのだと思いますが6桁台のお値段。
1桁安ければ欲しかったのですが・・・

『ゴシック写本の小宇宙』(国立西洋美術館)

2020-01-02 21:30:10 | 美術関係
国立西洋美術館・新館で、
内藤コレクション展『ゴシック写本の小宇宙』を観てきました。


文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵

印刷技術がなかった西欧中世のキリスト教世界で、修道院を中心に制作された手写本。
おもに一枚ものの写本零葉(一部頁のみの不完な状態になったもの)を蒐集された
「内藤コレクション」のゴシック写本を中心とした企画展です。





美しく装飾されデザイン化された文字と、おおらかな挿絵。
なお書かれているのは、紙でなはく獣皮紙です。



「ラテン語詩篇集零葉:詩篇69(イニシアルS/水中から天の神に祈るダヴィデ王)」
ネウマ譜が書かれているものもあります。



「ポワティエのペトルス著『キリスト系図史要覧』」
こんな縦長のものも。



「ポワティエのペトルス著『キリスト系図史要覧』」
こういった〇と線は、"なにか"を彷彿とさせます。
勿論こっちが"元"なのでしょうが。



「詩篇集零葉:キリストの鞭打ち・十字架を担うキリスト」
こちらは絵だけですね。



「ファクシミリ版『聖王ルイの詩篇』」


「ファクシミリ版『ピーターバラ動物寓意集』」

本も数冊展示されていました。レプリカだそうです。


常設展料金(500円)で観ることができますので大変お得です。
(因みにメイン展示は「ハプスブルク展」でしたが行きませんでした)

常設展の作品は写真撮影が"概ね"可能なのですが、
一応、フロア毎に係の人(学芸員さん?)に確認しながら撮りました。
そしたら、1階にあるル・コルビュジエの作品はダメとのこと。
(残念。撮りたかった)




男子トイレです。
国立西洋美術館・新館はル・コルビュジエの設計ではありませんが、
直線的なデザインが印象的です。
誰もいなかったので撮りました。