前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

H・アール・カオス 『中国の不思議な役人』

2010-01-31 16:24:37 | 舞台・映画など
H・アール・カオスの公演を観てきました。

大友直人指揮、東京シティ・フィル演奏との
コラボレーション企画です。


  H・アール・カオスは1989年に
  演出・振付家の大島早紀子とダンサーの白河直子によって
  設立されました。
  海外でも高い評価を受けているダンス・カンパニーです。


演目は
 バルトーク 『中国の不思議な役人』
 サン=サーンス 『瀕死の白鳥』
 ラヴェル 『ボレロ』
の3曲です。

H・アール・カオスの舞台を観るのは3回目です。
過去2回とも素晴らしかったので今回も期待していましたが、
その期待を裏切らない公演でした。


『中国の不思議な役人』は幕が上がると
高い天井から2名のダンサーが逆さ吊りにされており、
冒頭から一気にH・アール・カオスの世界に引き込まれます。

わずか数十メートル先に展開する空間はもはや異次元です。
手を伸ばしても触れることはできず、
決して足を踏み入れることも叶わない世界です。

演出や踊りだけでなく、
どの公演も舞台美術、空間美術が本当に素晴らしい。
まさに唯一無二の「H・アール・カオス」という総合舞台芸術です。


天井からのロープなどで宙吊りになって踊るのは
彼女等の舞台でよく出てきます。


私は「踊り」の究極の目標の一つは、
「重力からの身体の開放」だと思っています。
あたかも重力を感じていないかの如く
跳躍し、回転し、静止する。

バネの付いたロープで繋がれた身体は、
月面をジャンプしながら進むアームストロング船長のように
一見、重力から開放されたかのように見えます。

しかし重力から開放された身体では、
地上のように自由に「踊る」ことはできないのです。


重力によって「踊る」ことが可能になり、
その「踊り」で重力からの脱却を目指す。
何というアンビバレンス!!

だからこそ、その「奇跡」をなしえたダンサーに、
それを可能にした空間に魅了されるのでしょう。


演出・振付の大島早紀子さんは「現代社会」を強く意識しており、
作品にもそのメッセージや哲学が反映しています。

しかし、舞台はそれら全てを「美」へと昇華させています。
我々は何らかの「意味」を読み取ろうとする必要はなく、
目の前に現れた異空間を観て、感じればいいのです。


素晴らしい完成度に到達した「芸術」だと思います。

ラリー遠田 『この芸人を見よ!』

2010-01-28 22:08:45 | 
お笑い評論家、ラリー遠田さんの本『この芸人を見よ!』
を買いました。

「日刊サイゾー」というニュースサイトで連載されているものに
加筆してまとめたものです。
連載は現在も続いており、更新を楽しみに読んでいます。


お笑いに関する評論などは、私が知らないだけで
他にもあるかもしれません。

ただ、多くは「笑い」というものに関する考察や、
「マンザイブーム」などの現象を論評したもの、
特定の芸人に関する評論などではないでしょうか。

今まさにテレビの第一線で活躍している芸人を
連載で評論していったものは、珍しいと思います。


今売れている芸人の、どこが他の人と違うのか、
どこが画期的で新しいのか、
という素人にはわからない技術面が
わかりやすく解説されており、大変面白いです。

なにより、ラリーさんの、お笑い芸人の「芸」の部分に対する
「尊敬」と「愛」が全編にあふれており、
読んでいてとても気持ちがいいです。


この本に限らず、著者自身が大好きなものについて
語られたものを読むのは、とても好きです。

その意味でいうと、残念ながらクラシック音楽の評論には
ひどいものが多いですね。

自分の好きな指揮者、演奏家を賞賛すると同時に、
それとは「対極」にある(とその人が考える)演奏家等を
悪し様に貶しているものが数多くあります。



私の大好きな「さまぁ~ず」の評がまだなので、
連載の続きが楽しみです。

  「内村プロデュース」大好きでした。DVDも買いました。
  「さまぁ~ず×さまぁ~ず」と
  「モヤモヤさまぁ~ず2」は欠かさず見てます。

それ以外に、「M-1グランプリ進化論」や
「現代テレビお笑い史」も収められており、
こちらも興味深いです。


  見られてる・・・・ずっと・・・
  みずいろの・・・・ムック・・・
  (by ハライチ)

ミッシェル 『THEE GREATEST HITS』 を聴く

2010-01-27 21:40:42 | クラシック以外の音楽
ミッシェルの『THEE GREATEST HITS』を聴きました。

我が家のコンポでは、リマスタリングの効果が
結構わかる曲と、あんまり変わらない曲がありますね。

「Get Up Lucy」はベースラインとかハッキリしていいですね~。
懸念していた「壁の色」も、シミがよりはっきりしたというか。

ただ、ipodに入れたら私の耳では・・・・。


でも、特典DVDだけでも買った甲斐がありました。
アマゾンのレビューに感謝。

NHKの「POP JAM」で歌うチバ!
十数年前の映像ですが、アベさんはあんまり変わらないかな。
チバ・・・かわいい・・・。

この頃はリアルタイムでは観ていませんが、
もしTVで観ていたらどう思ったでしょう?
やっぱり「なんだこいつら?ちょっと違うな」と感じたかな?
それとも・・・か。


いや、やっぱかっこいいわ!


  高く舞い上がらせては
  むせかえるよカルチャー