このブログは元々、クラシックの演奏会やCDの感想を中心に
美術館に行った記録などを備忘録がてら書いていましたが、
N響の定期会員を辞めたことや引越ししたことなどもあり、
「交響曲」「協奏曲」といったクラシック音楽を聴く機会は少なくなりました。
(年に一度の「ラ・フォル・ジュルネ」は行きますが)
その代わり、バロックや中世の音楽、グレゴリオ聖歌などをよく聴きます。
(バッハ大先生のマタイ受難曲も実は割と最近ですね)
あと、ライヒやペルトといった現代音楽は相変わらず。
もっともペルトの曲は、聴いてると中世の宗教曲とあまり隔たりはないですが。
こういった好みの変化は、年齢的なものも関係しているかもしれません。
そもそも10年前にブログを始めるきっかけとなったのが、
ハイドン先生の交響曲全曲を聴き出したことですので。
学生時代、マーラーだ、ブルックナーだ、ショスタコだ、
などと騒いでいた頃には想像していなかった・・・、
というか「ああいう曲は歳を取ってから聴くのだ」など思っていました。
正しかった・・・少なくとも私に関しては。
今まで聴いたことのない曲、知らない作曲家は、なかなか手が出し辛く、
すでに知っている好きな曲の別バージョン(違う指揮者、演奏家)を
聴くということが多くなりがちなのですが、
たまにこういう作曲家、こういう曲のことを知ると、
"当たり外れ"はともかくとして、ワクワクします。
前置きが長くなりましたが、
カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ(Kaikhosru Shapurji Sorabji)の
『100の超絶技巧練習曲』というピアノ曲です。
ソラブジは1892年生まれのイギリスの作曲家(1988年没)。
でかでかと「100」その内の1番~25番。
演奏者はスウェーデンのピアニスト、フレドリク・ウレーン。
ちなみに精神科医でもあるそうです。
このソラブジという作曲家、とにかく曲が長いことで有名?らしく、
4時間、5時間は当たり前(1曲がですよ)。
本作品も超絶技巧曲が100曲ですからね。
1曲1曲は1分~5分程度ですが、全体で7~8時間。正気とは思えない。
(この作品を録音しようとした「Dr.ウレーン」も同様か?)
まだ聴き始めたばかりですが、
演奏しない人間にとっては、難しさの程度はよくわかりません。
片手が白鍵のみ、もう一方が黒鍵のみ、という曲もあるそうですが。
「超絶技巧練習曲」といえば、やはり元祖、リストの作品を思い出します。
あちらは演奏の難易度はわからずとも、曲がいいので1曲1曲楽しめますが、
ソラブジ版は本当に練習曲みたいです。
(若干、無味乾燥というか)
ソラブジについてはいろいろ"付加情報"が多いのですが
(独学で作曲とピアノを学んだとかゾロアスター教徒であるとか)、
一番参考になったのは、Amazonの「ニゴチュウ」という方のレビューですね。
曲の解説や聴きどころ、それに演奏者ウレーンについても触れていて、
大変助かりました。
(「殿堂入りベスト500レビュアー」だそうです。さすが)