前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

横須賀美術館

2019-12-31 05:46:23 | 美術関係
年末休みに三浦海岸と横須賀に行ってきました。
その際、外観が素敵な横須賀美術館にも立ち寄りました。
(中の展示物は見ずに屋上などを見学)


併設のレストラン「ACQUA MARE」。
パスタとリゾットを頂きました。


若林奮 作「Valleys(ヴァリーズ)」。
外にありますので無料で見られます。


屋上広場より。風が強くて寒かった。


浮浪雲がポツンと。


来る途中に天気雨がぱらつきましたが、レストランの順番待ちの間に虹が!
こんなにハッキリと虹全体を見たのは初めてです。
うっすらと二重に架かっているの、わかりますかね?

フランク 『ハーモニウムのための44の小品』

2019-12-25 00:00:50 | セザール君の作品
聖心女子大学聖堂でのミサが終わった後に、
短いオルガン曲が1曲演奏されました。

それがなんと、
セザール・フランクの『ハーモニウムのための44の小品』の1曲
「Sortie ニ長調」でした。

フランクはハイドン先生と並びもっとも好きな作曲家です。
あまりメジャーな作曲家とはいえないので、
昔は珍しいCDがあったらなるべく買っていたのですが、
(そうしないと二度と聴けない可能性があるので)
まさかその中の1曲を生演奏で(しかも聖堂で)聴けるとは!


私が持っているのはこのCDです。
4枚組でオルガンまたはハーモニウムのための曲が、112曲も入っています。
我ながら「よく買ってたなあ」とちょっと自己満足。


フランクは生前、純粋な器楽作品(交響曲など)はあまり評価されませんでした。
むしろ教育者、そして教会のオルガン奏者として有名だったようです。

パリ音楽院のオルガン科教授でしたが、作曲も教えていました。
学生らは師を「父フランク」と慕い、弟子たちは「フランク派」と呼ばれました。


César Franck(1822.12.10-1890.11.8)


長年、パリの聖クロチルド教会のオルガン奏者を務めましたが、
数々のパイプオルガンの作品はもちろん、沢山のハーモニウム曲も、
きっとその聖堂内で、彼自身の手で演奏されたのでしょう。

そんなフランクのオルガン曲。ミサ後の聖堂内での嬉しい出会いでした。





教会探訪【File.048】:聖心女子大学聖堂

2019-12-24 00:01:29 | 教会など
都内近郊にある色々な教会を観て回っています。
旅行先でも観光地だけでなく、その地の教会を訪れたりしています。
それぞれに歴史と個性がありますね。

整理と備忘録を兼ねてアップしていこうと思います。

※聖堂内は「祈りの場」なので、信者の方々の邪魔にならないよう
 可能な場合のみ撮影しています。


◆聖心女子大学聖堂+
住所:東京都渋谷区広尾(地下鉄日比谷線広尾駅)
創立:1959年


女子大構内にある聖堂など、なかなか入ることができませんが、
(きちんと受付を行えば見学などできるのでしょうが)
今回は聖心女子大学聖歌隊によるコンサートで、
しかも妻と一緒なので、堂々?と入ることができました。

※少し早めに行って、許可を頂き写真撮影しました。


周りに木々が多いのと、夕方(曇り)で薄暗かったのもあって、
(失礼ながら)ホラー映画に出てくる「ゴシック風の怪しげな洋館」的な雰囲気があります。
(妻がこの"雰囲気"をえらく気に入ってました)
※開演前なので聖堂内も暗めの写真が多いです。



聖堂内です。
あまり飾りのないシンプルな聖堂ですが、
高い天井、机や椅子、柱の作りなどに歴史を感じます。



左右に横(中央)向きの席が並んでいます。
恐らく、ミサの際に聖歌隊が座る(座った?)のではないかと思います。







窓も色ガラスではありませんが、雰囲気満点。





コンサート後、明かりがついた綺麗な祭壇を撮りました。



中庭でしょうか。灯篭のようなものが建っていました。



中には聖ヨセフと幼子イエスの像。


コンサートの前にミサがあったのですが、
何とびっくり!ラテン語とグレゴリオ聖歌によるミサでした。
11月の「司教荘厳ミサ」のために行った"自主練"が少し役に立ちました。

ミサの後に、ちょっとした「嬉しい出会い」が。
それはまた後程。

『Do They Know It's Christmas?』(Band Aid)

2019-12-22 18:21:30 | クラシック以外の音楽
ポピュラー・ミュージックにおけるクリスマス・ソングの名曲は数々ありますが、
私の年代の「定番」として思い浮かぶのは、

邦楽では、
クリスマス・イブ(山下達郎)
恋人はサンタクロース(松任谷由実)
クリスマスキャロルの頃には(稲垣潤一)

洋楽では、
Last Christmas(Wham!)
All I Want for Christmas Is You(Mariah Carey)

ちょっと変わり種?で、
Merry Christmas Mr. Lawrence(坂本龍一)

といった辺りでしょうか。好きかどうかは別として。


ですが、個人的に一番思い入れがあるというか、印象に残っているは、
バンド・エイド(Band Aid)の
『Do They Know It's Christmas?』(1984年)になります。


(当時、LPで1500円)

エチオピアで起こった飢餓に対するチャリティー・プロジェクトで、
イギリスとアイルランドのミュージシャンが参加したものです。
これに触発されて、翌年アメリカで
「We Are The World」(USA for Africa)が生まれました。

歌詞は発起人の一人、ボブ・ゲルドフが主に担当し、
もう一人の発起人、ミッジ・ユーロが作曲を行っています。
(ミッジ・ユーロは私が「神の如く」愛するULTRAVOXのボーカル・ギター)


『Do They Know It's Christmas?』はその後何度かリメイクされてますが、
オリジナルの参加メンバーは、
 フィル・コリンズ
 ボノ
 ジョージ・マイケル
 ボーイ・ジョージ
 サイモン・ル・ボン
 スティング
 ポール・ウェラー
ほか、錚々たる面々です。

歌詞の大意は、
 アフリカで飢餓に苦しむ人たちは
 今がクリスマスだと知っているのだろうか?
 世界を飢えから救おう
 手を差し伸べよう
というものですが、その中で非常に印象的な一節があります。

「Well tonight thank God it's them instead of you」
「それ(飢餓の犠牲者)が君ではなく彼らだったことを神に感謝しよう」
(Wikipediaより)

この歌詞には制作過程で反対意見もあったそうですが、
ボブ・ゲルドフは「綺麗事だけでなく本音を伝えるべき」と、
その反対を押し切ったそうです。

注:この部分はWebで検索するといろいろな日本語訳が出てきますが、
私はWikipediaに載っている、この"直接的"な訳が真意に近いのでは?
だからこそ、反対意見が出たのでは?と思います。
(正に"綺麗事"ではない、それ故に強烈に突き刺さる一節です)

この部分を歌っているのは、U2のボノです。
彼の力強い声と独特の節回しが、この詩に一層の凄みを与えています。


オリジナルから20年後(2004年)の「Band Aid 20」では、
参加アーティストの中で、このパートを狙っていた人が多かったそうですが、
"本家"ボノが再登場し「あのパートは俺のもの」で争奪戦終了、とのこと。


余談ですが、高校生の時にミッジ・ユーロがソロで来日したので、
コンサートにも行きましたが、アンコールでこの曲を歌ってくれました。

Feed the world
Let them know it's Christmastime again

と客席一体となって合唱したのを思い出しました。
若き日の赤面メモリーです。

ソラブジ『100の超絶技巧練習曲』

2019-12-15 19:27:11 | クラシック音楽
このブログは元々、クラシックの演奏会やCDの感想を中心に
美術館に行った記録などを備忘録がてら書いていましたが、
N響の定期会員を辞めたことや引越ししたことなどもあり、
「交響曲」「協奏曲」といったクラシック音楽を聴く機会は少なくなりました。
(年に一度の「ラ・フォル・ジュルネ」は行きますが)


その代わり、バロックや中世の音楽、グレゴリオ聖歌などをよく聴きます。
(バッハ大先生のマタイ受難曲も実は割と最近ですね)

あと、ライヒやペルトといった現代音楽は相変わらず。
もっともペルトの曲は、聴いてると中世の宗教曲とあまり隔たりはないですが。


こういった好みの変化は、年齢的なものも関係しているかもしれません。
そもそも10年前にブログを始めるきっかけとなったのが、
ハイドン先生の交響曲全曲を聴き出したことですので。

学生時代、マーラーだ、ブルックナーだ、ショスタコだ、
などと騒いでいた頃には想像していなかった・・・、
というか「ああいう曲は歳を取ってから聴くのだ」など思っていました。

正しかった・・・少なくとも私に関しては。


今まで聴いたことのない曲、知らない作曲家は、なかなか手が出し辛く、
すでに知っている好きな曲の別バージョン(違う指揮者、演奏家)を
聴くということが多くなりがちなのですが、
たまにこういう作曲家、こういう曲のことを知ると、
"当たり外れ"はともかくとして、ワクワクします。


前置きが長くなりましたが、
カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ(Kaikhosru Shapurji Sorabji)の
『100の超絶技巧練習曲』というピアノ曲です。

ソラブジは1892年生まれのイギリスの作曲家(1988年没)。

でかでかと「100」その内の1番~25番。


演奏者はスウェーデンのピアニスト、フレドリク・ウレーン。

ちなみに精神科医でもあるそうです。


このソラブジという作曲家、とにかく曲が長いことで有名?らしく、
4時間、5時間は当たり前(1曲がですよ)。

本作品も超絶技巧曲が100曲ですからね。
1曲1曲は1分~5分程度ですが、全体で7~8時間。正気とは思えない。
(この作品を録音しようとした「Dr.ウレーン」も同様か?)


まだ聴き始めたばかりですが、
演奏しない人間にとっては、難しさの程度はよくわかりません。
片手が白鍵のみ、もう一方が黒鍵のみ、という曲もあるそうですが。

「超絶技巧練習曲」といえば、やはり元祖、リストの作品を思い出します。
あちらは演奏の難易度はわからずとも、曲がいいので1曲1曲楽しめますが、
ソラブジ版は本当に練習曲みたいです。
(若干、無味乾燥というか)


ソラブジについてはいろいろ"付加情報"が多いのですが
(独学で作曲とピアノを学んだとかゾロアスター教徒であるとか)、
一番参考になったのは、Amazonの「ニゴチュウ」という方のレビューですね。
曲の解説や聴きどころ、それに演奏者ウレーンについても触れていて、
大変助かりました。
(「殿堂入りベスト500レビュアー」だそうです。さすが)