自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

この小さな益虫、キイロタマゴバチ

2021-11-01 | 昆虫

キイロタマゴバチは体長が0.5mm~0.7mm。この小さなすがたを、コンデジで撮ってみました。もちろんトリミング゙はなし。翅の縁には毛が並んでいます。それがかすかにわかります。

 

複眼を構成する個眼が確認できれば、なんとか合格といったところです。いくら小さくても、昆虫としての体形はじつにしっかり整っています。複眼の大きさは直径0.075mmです。この小さな宇宙には驚き入ります。

 

このタマゴバチ、農作物を荒らす害虫の卵に寄生する益虫として注目されているようです。たまたまアゲハ類の卵にも寄生するのですが、役立つ昆虫として着目しておきたいと思います。

ところで、この小ささは、たとえばゾウやシロナガスクジラのような巨大な生きものと比べると、比べようもないものですが、互いにいのちを持つ生きもの同士。

 

大小というレベルの話題は必然的に自然の階層性の話題になります。似たもの同士のレベルでその世界は構成されており、互いの持ちつ持たれつなのです。マイクロの世界、ミリの世界、センチの世界、メートルの世界。そうした階層のなかで、生きものはそれなりにうまく生きている、生きようとしている、というわけです。

 

肉眼でふつうに見える世界だけを見続けているだけでは、こうした自然の広がりが立体的に見えて来ません。アゲハの卵を巡る風景だけでも、わんさかとキイロタマゴバチが存在します。もしわたし自身がキイロタマゴバチの目線で飛べたら、あっちもこっちもキイロタマゴバチだらけといった光景を目にするように思います。

 

これからも目をぱちくりさせながら、自然を見ていきたいなあと痛感しました。