紅葉を楽しむ人で公園はにぎわっています。草地を歩くと,ツチイナゴが飛び出しました。陽気に誘われて現れたのです。
さすがに動きはもう一つというところ。
昆虫がいることがめずらしいということで,「何を撮っておられるんですか」と聞かれました。答えると「そんなに近くで撮れるんですか」とびっくりされているご様子。
イナゴは飛んで木の枝へ。そこを通りかかった来園者も入れて撮りました。
紅葉を楽しむ人で公園はにぎわっています。草地を歩くと,ツチイナゴが飛び出しました。陽気に誘われて現れたのです。
さすがに動きはもう一つというところ。
昆虫がいることがめずらしいということで,「何を撮っておられるんですか」と聞かれました。答えると「そんなに近くで撮れるんですか」とびっくりされているご様子。
イナゴは飛んで木の枝へ。そこを通りかかった来園者も入れて撮りました。
キイロタマゴバチが卵から出て来るか、卵を一つひとつ確かめているとき、タイミングよく見かけたのがこの場面。まさに穴から出ようとする瞬間! 先に生まれ出たきょうだいはどこに行ったのか,一匹もいません。
前脚を突き出して、からだを乗り出そうとします。
「よいしょ、よいしょ」。そんな掛け声が聞こえて来そう。
前脚が出たものの、なかなか出られません。撮影には慌てることなし、です。
下に向かって出ようとします。
胸部が出ました。これで大丈夫。
無事に出終わりました。
こういうふうに撮れるのは稀です。だから生まれ出るときを待つのはたいへん。だからこそ、撮れたときはうれしさがこみあげて来ます。
今は冬なのですが,秋を思い出して書きます。
この公園にはイナゴがたくさんすんでいます。草地を歩くとコバネイナゴがごそごそと動きました。
青空に雲が浮かんだ遠景が好きなので,逆光を生かして撮りました。
時間をおいて撮りました。ヒトが入ると,雰囲気がガラッと変わります。たのしさが伝わります。
建物があると,ヒトの営みが見えてきます。そこに昆虫がいると,ヒトと昆虫のつながりが見えかけます。
自然に囲まれてヒトは暮らしています。
公園のメタセコイヤの並木がきれいに色づいています。新聞で報道され,平日にもかかわらずたくさんの人出です。新型コロナ感染症が下火になった途端のこの人出です。公園の自然景観は高齢者に大きなプレゼントになったようです。
メタセコイヤの根が地面にあちこち露出しています。そこにナツアカネが一匹とまっていました。体温が上がるのを待っているのです。
ときどき場所を変えました。
黄緑と黄褐色のメタセコイヤを背景にしてナツアカネが自分の存在をアピールしているかのよう。堂々としたスタイルです。でも,果たしてどのくらいの人がトンボに目を向けるでしょうか。
「夜、高原に天の川を撮りに行ってきました。昼間はススキがきれいですよ」。同僚からそう聞いて、さっそくススキの原を見に行くことにしました。
この高原は久しぶりに訪ねました。こういう旅は混雑を避けるためにも平日に限ります。案の定、快適な旅ができました。適度に太陽が見え隠れする天気で、ありがたい限り。
ほんのわずかな風がススキの穂を揺らします。澄み切った空気はわたしの住む田舎ともちがって、じつに清々しく感じられました。
当たり前の撮り方をしてもおもしろくありません。わたしなりに逆光を生かして、陰陽のある風景を撮りました。雲が助けてくれたみたいです。
ススキの穂が光ります。
ススキの間にリンドウが。それもあちこちに咲いていました。惜しいかな,ススキの根元なので遠景は写し込めませんでした。わずかに稜線が見え隠れしています。
おいしい空気とやさしい風景がからだに残ります。
公園の草地にて。
晩秋を迎え,昆虫のすがたがめっきり減ってきました。草地はきれいに手入れがなされ,小さな昆虫がわずかに認められるだけです。そんな中,エンマコオロギが目の前を横切りました。
休んでは動き,動いては休み,の繰り返し。じつにせわしなく動くので,写真に収めるのがたいへん。
メスなので立派な産卵管を持っています。とっくに産卵を終えたはずです。もうすぐ霜が降ります。
日暮れ時です。穏やかな一日の終わりで、ショウリョウバッタ(メス)がゆったり過ごしていました。気温が下がって来ているので、動きが鈍いのです。もういのちが絶える頃です。産卵を終えたでしょうか。
後を追いながら撮影しました。
ヒトの影がありありと見えているわけではありません。ただ、シルエット風のものがなんとなくそちらに移動しているだけなのです。なのに、ヒトを見ているように見えるところが愉快です。
ヒトと共生しているのです。直前、公園でチョウセンカマキリやらツチバッタやら、トノサマバッタやらを虫かごに入れている少年に出会いました。中を見せてもらいながらしばらく話をしました。お父さんが「帰るときには逃がしてやろうね」と子に話しかけました。
昆虫がゆたかに観察できる公園。すてきです。
10月19日(火)の続き話です。
静かにぶら下がった状態の蛹は、これから蛹としてのかたちとしくみを整えていきます。しくみは覗き見ることができませんが、かたちや色の変化は外から観察できます。それをご紹介します。
午前8時45分。
9時28分。変化はほとんどわかりません。
11時58分。濃くなってきた感がします。
午後7時55分。ずいぶん変化しました。ぐっと濃くなってきました。
このまま越冬します。
10月19日(火)の続き話です。
皮をすっかり脱ぎ終わると、蛹はからだをぐにゃぐにゃさせて皮を一刻も早く落とそうとします。皮が落ちるまで動作を続けている様子を見ると、体表に皮が触れている感覚があるようなのです。
こうした動きはこのサトキマダラヒカゲだけでなく、他の蛹でも同じです。垂蛹であろうがなかろうが、蛹一般に共通した点なのです。とにかくぴくんぴくんと動作を繰り返します。
そのうち、アッと思う瞬間が訪れました。皮は落ちず、蛹が落下しそうになったのです。蛹をつなぎとめたのは尾端をラップに接着していた糸でした。かろうじて、命綱になって蛹を救ったのです。
これで、蛹と皮が離れました。そのことで蛹の表皮感覚は皮がなくなったと感知したのでしょう、ぐにゃぐにゃ、ぴくんぴくんの動きが止まりました。
糸をよく見ると、極細の糸が何本か束になっています。自然界でもこうした事態が起こりうるでしょうから、対策はきちんと講じられているのでしょう。
ここは落葉樹の林です。地表には枯れ葉が積もり,その下は腐葉土がたっぷり。そこに生えているのがマムシグサです。久しぶりに見ました。今の時期,赤色に熟した実が異彩を放っています。葉は枯れかかっています。辺りを見回してもこのすがたと色を持ったものは他にありません。
西に傾きかけた陽が横から射し込み,枯れ葉の上に木の影が長く伸びています。秋ならでは,林ならではの光景です。
カメラの向きを少し変えました。暗くなりかけているので,どんよりと曇った感じです。
この種子が落ちて,マムシグサは分布を拡げます。何年もかけて殖えていきます。ところで,ここに生えてきたきっかけは何だったのでしょう。