ここは空き地。セイヨウタンポポの花を基地にして,ナツアカネが発着を繰り返していました。
昆虫の飛翔風景を撮るのはわたしのテーマのひとつです。しかし,なかなかうまくいきません。
発進時の撮影はとてもたいへん。それに比べて着地ははるかに簡単。帰還するタイミングがあらかじめ想定できるからです。
昆虫の姿が少なくなってきました。今のうちになんとか撮っておきたいと思うのですが……。
ここは空き地。セイヨウタンポポの花を基地にして,ナツアカネが発着を繰り返していました。
昆虫の飛翔風景を撮るのはわたしのテーマのひとつです。しかし,なかなかうまくいきません。
発進時の撮影はとてもたいへん。それに比べて着地ははるかに簡単。帰還するタイミングがあらかじめ想定できるからです。
昆虫の姿が少なくなってきました。今のうちになんとか撮っておきたいと思うのですが……。
11月8日(水)。むらの人たちと鳥取へバスの旅で出かけました。中身は二つ。一つは砂丘にある「砂の美術館」のエジプト展鑑賞。もう一つはおたのしみの食事。道中も入れ,印象に残った風景をいくつかご紹介します。
砂と水だけからここまでの造形がつくり出されます。接着剤一切なし! 砂は地元砂丘のもの。スタッフの方にお聞きすると,この美術館を建設するにあたって,地下深くから掘り出された古鳥取砂丘の砂だそうです。作家は世界中から参加。パンフによると,今回は20人にのぼります。
テーマを決め,長期間の準備を経て毎年催されているようです。
これはナポレオンの騎馬風景。
施設の上の丘から砂丘を眺めました。晴れた日は気分が最高です。名高い大砂丘は右端方面に広がっています。
立ち寄った海産物店の一角で松葉ガニが売られていました。ちょっと手が出ない値が付いています。
道の駅で見かけた,秋の味覚山菜"むかご"です。これはヤマノイモのもの。ご飯に炊き込むとじつにおいしい。
山に入って,丹念に収穫されたことでしょう。山のくらしが想像できます。秋が匂います。
道の駅近くの店先で吊るし柿を見かけました。きれいに皮が剥かれていました。「撮っていいですか」と聞くと,「いいよ!」と気持ちよくいってもらえました。
秋は旅に心地よい季節です。この日は立冬。山の木々が色づきかけていました。
公園にて。
芝地を歩いているとオオカマキリが歩いていました。のっそり,のっそり。ときにはしばらく休みます。体形を見ると,メスだとすぐわかりました。
「これは撮っておかなくては」。そう思ってすぐ撮影開始。
向きをいろいろ変えて,カマキリの姿を記録しました。
このしぐさ,なにを意味しているのでしょうか。身だしなみを整えているのでしょうか。
そのうちいちばん気に入っているのは次のコマです。左奥に歩いているところです。腹部が膨らんでいます。いかにも母という印象が伝わってきます。遠景がかなりくっきりしています。結果,奥行き感がわかります。
このカマキリ,たぶん,産卵場所をさがしていたのでしょう。
キクの茎でクロヒラタアブの幼虫が囲蛹になり,それの経過を観察中のことです。
ごく小さなカメムシが囲蛹に密着しています。体長は5mm。このときは名前がわからなかったのですが,あとで調べるとマルシラホシカメムシと判明。ふつうに見られるカメムシらしいのですが,小さいので身近な感じがしません。
このマルシラホシカメムシが何をしているのかと思い,見ると,なんと囲蛹に吻を突き刺しているではありませんか。体液を吸っているのです。
なによりもわたしが驚いたのは,調べてわかったあとのことで,このカメムシはキク科植物などの汁を吸うと書いてあるのに,体液を吸っていたという点です。観察がすべて,観察こそ真実です。要するに,草であれ肉であれ,雑食的に吸汁するということなのです。
さらに観察を続けているうちに,カメムシがおしっこをしました。排泄口から一瞬にして水玉が出て,落ちて行きました。チャンスを逃さずシャッターを切りました。
これもあとでわかったことですが,カメムシのおしっこには有害成分が含まれていて,皮膚に付着すると肌荒れが起こるとか。とても新鮮な事実との出会いでした。
秋がすこしずつ深まります。昆虫たちは世代交代の準備に入ります。
ここは縁側の戸袋。ハバビロカマキリが産卵を終えた直後です。
産卵中を見たかったなあ。
卵鞘はもう硬くなっていました。
戸袋の上部隅に,こんなにも古い卵鞘が。ふしぎな場所です。
今季,カマキリにはずいぶんたのしませてもらいました。ただ感謝。
ヨトウガの卵に大きな変化が現れました。卵頂部に赤褐色の文様が見えます。
これは頭部です。
よくよく見ると,顎が赤く見えています。
行儀よく並んだ卵。
すこし時間をおいて撮りました。頭部を取り囲むようにしてあった輪状のものがなくなっています。そして体毛が見えます。
いよいよ誕生,という感じ。その瞬間を見逃すわけにはいきません。
超接写でモンシロチョウの孵化を撮影しました。動きがあるので,どうしても被写界深度が浅くなります。その中で顔にピントを合わせて撮りました。
上部側面に穴を開けて,いよいよ誕生。
身を乗り出すようにして,頭をぐーっと前方に突き出します。
いかにもうれしそう。
からだを下方向に曲げます。
着地!
この後幼虫は卵殻を食べます。母からの贈り物をとてもたいせつにしているような動きに見えます。これで誕生が完結!
モンシロチョウの卵をどの程度精緻に接写できるのか,別の卵で試みました。
産付時に比較的近い卵は白色を帯びています。これをフラッシュ光で撮ると,どうしても白っぽくなるので卵表面の凹凸が見えづらくなります。
孵化が近づいた卵を撮りました。オレンジ色を呈しているので,表面の様子がわかりやすいように思います。左からのフラッシュ光を強めにしています。
上写真をトリミングしました。表面がかなりはっきりわかります。生まれてくる幼虫の口が見えています。
さらにトリミング。これだけ大きくなると,小宇宙の様相が手に取るように見えて来ます。
超接写はなかなかおもしろいものです。
ブロッコリーの葉にはモンシロチョウの卵がたくさん産み付けられています。農薬を散布しないし,ネットで覆いもしていないので,チョウはふんだんに卵を産付しているのです。
卵サイズは高さ0.9mm,直径0.4mm。この形は小学校の教科書でもおなじみです。
孵化近い卵です。全体が黄色みを帯びます。
上写真から二日後。口が見える方向から撮りました。顎がくっきり見えます。この段階は孵化が間近です。幼虫はからだをU字状に曲げてカプセルに入っています。
誕生しました。このからだの大きさとカプセルのそれとを比べると,「こんな大きなものが入っていたのか」とふしぎなほどです。
超接写で動く被写体を撮るときは,どうしても被写界深度が浅くなるので,横向きの姿勢を撮るほかありません。
このヤマトシジミの卵はカタバミの葉の表側に産み付けられていました。その例はときどきありますが,めずらしい例です。表側にあれば外敵の目に触れる恐れがたぶんにあるでしょう。
幾何学模様はじつに緻密です。どのようにしてこうした模様がつくるだされるのか,そのしくみが知りたいのですが,情報はありません。
真上から撮りました。卵サイズは直径0.55mm,高さ0.24mm。
肉眼ではここまで見えません。わたしは,このようなミリの世界を"いのちの小宇宙"と呼びたいと思います。