陽のあたる場所に身を移したイリオネスは、鉄の棒と真ん中に棒の立った板を地上において操作した。鉄の棒にあわせて板を調整して、影の延びている方向を確かめた。
『統領、これを見てください』
『お~、この影の出来具合でわかるのか』
イリオネスは、案内役のキノンも、荷役の者も手招きして呼び寄せ、板の真ん中に立つ棒の指し示す方向で、おおよその時間の頃合が解かることを説明した。キノンも、荷役の者も首を傾げながら、話を聞いていて、納得はしないが、その結果がそのようであろうと理解したようである。
アエネアスは、説明を聞いて、その理屈については理解した。
『しかしだな、イリオネス。その鉄の棒が不思議だ。ヒモで吊り下げて、その動きを自然に任せるのだが、その一方が決まって北を指し示す、その理屈が解からん。お前はどうだ。まさに、不思議この上ない。フシギな鉄の棒だ。しかし、これは重宝な道具だ。パリヌルスも、オキテスも知っているのか』
『それについては、彼らは、まだ知ってはいません。私が使いこなした上で彼らに教えてやろうと思っています』
『統領、これを見てください』
『お~、この影の出来具合でわかるのか』
イリオネスは、案内役のキノンも、荷役の者も手招きして呼び寄せ、板の真ん中に立つ棒の指し示す方向で、おおよその時間の頃合が解かることを説明した。キノンも、荷役の者も首を傾げながら、話を聞いていて、納得はしないが、その結果がそのようであろうと理解したようである。
アエネアスは、説明を聞いて、その理屈については理解した。
『しかしだな、イリオネス。その鉄の棒が不思議だ。ヒモで吊り下げて、その動きを自然に任せるのだが、その一方が決まって北を指し示す、その理屈が解からん。お前はどうだ。まさに、不思議この上ない。フシギな鉄の棒だ。しかし、これは重宝な道具だ。パリヌルスも、オキテスも知っているのか』
『それについては、彼らは、まだ知ってはいません。私が使いこなした上で彼らに教えてやろうと思っています』