『おうっ!皆、そろったか。お前たち、ヒマをもてあましているといった感じだな。そう言う俺もそうなのだが、今日は、皆で夕めしを食おうと思ってな。オロンテス、畑地の作物の具合はどうだ。畑で奮闘しているお前の姿を見たからな。ところでオキテス、今日の漁はどうだった。とにかく、俺は元気なお前たちの顔を見る、声をかけ、とりとめない話をするそれが何よりうれしいのだ。ところで砦の者たち皆に変わりはないか、イリオネスどうだ。皆に変わりなく健やかであってこそ、このアエネダナエが元気なのだ。うれしい知らせがあれば聞かせてほしい』
『統領、うれしい知らせがひとつあります。テンダスの家内が腹に子を宿したようです』
イリオネスが目じりを下げて言った。パリヌルスが続く、
『統領、明後日、交易の船が来ます。話は聞いてみないと判りませんが。その船主には私が一、二度、接したことがあるのではないかと思いますが、ミレトスから来ます』
『ほう、それは耳寄りな話だ。ここにいる皆で会おうか、どうだ。交易の話については、パリヌルス、お前と、イリオネス、オロンテスの三人で当たれ。皆で会うのは、情報の収集だ。エーゲ海南部と沿岸諸国の情況について聞きたい。それと注意したいのは、相手は、俺のことを知っているか、知っていないのかだ。それによって俺は同席を考える。それでいいな』
『それがいいですね。判りました』
パリヌルスは、情報の持つ秘密性を認識した。
『統領、うれしい知らせがひとつあります。テンダスの家内が腹に子を宿したようです』
イリオネスが目じりを下げて言った。パリヌルスが続く、
『統領、明後日、交易の船が来ます。話は聞いてみないと判りませんが。その船主には私が一、二度、接したことがあるのではないかと思いますが、ミレトスから来ます』
『ほう、それは耳寄りな話だ。ここにいる皆で会おうか、どうだ。交易の話については、パリヌルス、お前と、イリオネス、オロンテスの三人で当たれ。皆で会うのは、情報の収集だ。エーゲ海南部と沿岸諸国の情況について聞きたい。それと注意したいのは、相手は、俺のことを知っているか、知っていないのかだ。それによって俺は同席を考える。それでいいな』
『それがいいですね。判りました』
パリヌルスは、情報の持つ秘密性を認識した。
