『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  23

2011-02-23 08:18:44 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスが声をあげた。
 『イリオネス、素晴らしい!君の話の進め方は素晴らしい。この話の段取りで相手と渡り合おう。それで明日の昼前は交易の話の詰めをやって、つぎは、交易品の品々を見せる。昼めしのあとは船に積み込みという段取りでどうだ』
 『おおっ!それでいい、それで決まりだ』 とイリオネス。
 『それからだが、価格の交渉はイリオネス、貴方に一任だ。オロンテス、お前はイリオネスの価格の交渉を助けるのだ。いいな。少しでも価格の高くなる交渉を助けるのだ。相手は海千、山千の交易商人だ、足元を見られたら、トコトンやられるぞ、覚悟して当たるのだ。いいか』
 『判った。忠告をしかっと受け止めた』
 オロンテスは、胸を『ドン』と叩いて覚悟の程を示した。このあとパリヌルスとオロンテスは、交易品の品目と量、次回の交易のことに及んでの計画をたてて、四人で話し合っておいた。
 イリオネスは、これで交易についてのことは成ったと実感していた。
 話を終えた四人は、各持ち場に戻った。
 パリヌルスは南面の回廊に登りエーゲ海を眺めた。
 今日の海の眺めも、航海日和りの風が渡り、波打っていた。